【フォレスト】不況下のメンタルヘルス対策
オフィスマッサージ導入の動き広がる
不況下のメンタルヘルス対策として、オフィスマッサージの導入の動きが広がっている。オフィスマッサージは、企業の会議室に、マッサージ国家免許を持つマッサージ師が訪問し、就業時間内でマッサージを従業員に対し行う。うつの一因とされる血行不良の改善ができる。
■ 不況下のメンタルヘルス対策
従来のメンタルヘルス対策としては、薬物治療や、専門家によるカウンセリングが行われてきた。しかし、企業の従業員の間に広がる健康志向や、企業側のコスト削減と、効果の見えやすさへのニーズの高まりから、不況下において、オフィスマッサージの導入の動きが広がっている。
所属するマッサージ師の全員が国家免許を持ち、かつ目が不自由な障害者であることからオフィスマッサージ「手がたり」(運営会社:フォレスト、東京都文京区)は、企業の従業員の課題と、障害者の雇用という二つの課題の解決に取り組んでいる。目が不自由ゆえの繊細な指先に着目した。
同社のサービスは、企業の空き会議室へ、前日までに宅配便でマッサージベッドや備品を搬入し、月1日から4日で企業の従業員に対し、マッサージを行う。月あたり料金は63,000円(税込)から。
導入企業はエキップ(化粧品会社、東京都品川区)、東京都中小企業振興公社(東京都千代田区)、ヒューマンシステム(IT企業、東京都港区)、オフィスマネジメントシステム(デザイン会社、東京都港区)、サニーサイドアップ(PR会社、東京都渋谷区)や、金融機関など15社。
企業の障害者法定雇用率向上のニーズに対応するため、障害者雇用相談も行っており、イデアインターナショナル(インテリアメーカー、東京都港区)やIT企業で、常勤の障害者マッサージ師の雇用も拡大している。社内で常にマッサージが受けられ、かつ社会貢献もできると評判だ。
■ 遅れる中小企業の対策
オフィスマッサージを導入するきっかけについて、オフィスマネジメントシステムの石山寛常務取締役は「当社は社員が30人ほどだが、中小企業は、メンタルヘルス対策が遅れがちだ。業務の性格上、夜遅くまで働くことも多い。オフィスマッサージを導入して皆の評判は高い。」と語る。中小企業では、うつを原因とした休職者や退職者が発生した場合、対応は後手に回りがちだが、オフィスマッサージは、手軽に出来るメンタルヘルス対策として、注目され始めている。「今、全盲で明るい性格のマッサージ師が月二回やってくる。忙しい社員も楽しみにしている。」
■ 学会発表に次ぎ、展示会でも注目
オフィスマッサージによるメンタルヘルスの改善効果について、日本産業ストレス学会(2007年12月)、日本自律訓練学会(2008年9月)、日本社会精神医学会(2009年2月)でも、学会発表され好評を得た。現在、東京都中小企業振興公社の支援を得て、首都大学東京・健康福祉学部の加藤星花准教授との産学共同研究も進行中だ。
5月26日から28日に国内最大級のメンタルヘルスイベントである、メンタルヘルスケアジャパン2009が都立産業貿易センター(東京・浜松町)にて開催される。同イベントにてオフィスマッサージ「手がたり」は、体験ブースを出展し、来場者はマッサージ体験ができる。
フォレスト http://www.officemassage.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・4月13日