外国人材の日本でのキャリア観に関する実態調査2025
日本は“選ばれる”国になれるのか?キャリア構築・リスキリングに前向きな外国人材 求められる対応とは
教育を中心に人材・介護・保育・IT・美容・スポーツ事業を傘下に持つヒューマンホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:佐藤朋也、以下「当社」)は、当社グループで人材事業を展開するヒューマングローバルタレント株式会社が運営する、ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」の外国籍登録者を対象に「外国人材の日本での仕事観とキャリアに関する実態調査2025」を行いました。
【本件のポイント】
- 外国人材の約9割が“なりたい自分”を思い描いており、将来に対して明確なビジョンを持っている
- 7割近くがリスキリングに取り組んでおり、キャリア自律への意識が高い
- リスキリングによって習得したいスキルは「デジタル・IT」「AI・IoT」など先端分野が上位を占める
- 日本・他国企業ともにリスキリング支援は不十分である実態が明らかに。支援の充実が外国人材の受け入れ・定着のための一つの鍵となる可能性
【本件の概要】
労働人口が減少する中、日本企業にとって外国人材の受け入れは不可欠な取り組みとなっています。円安や物価高が長期化する一方、海外では賃金や働き方の環境が改善する動きが加速しており、日本は“働く国”としての競争力を改めて問われています。
当社では、日本で働いている、または過去に働いた経験を持つ外国人材を対象に、「日本で働くこと」に関する実態調査を実施しました。仕事観やキャリア観を把握することで、外国人材の受け入れ、そして定着のためのヒントとなることを目的としています。今回vol.2では外国人材の「キャリア観」について調査結果を発表いたします。なお、vol.1では、「仕事観」に関する調査結果を発表しています。
当社グループは1985年の創業より教育事業を中心に、人材・介護・保育・IT・美容・スポーツの各事業を展開し、各事業では外国人材に関連する事業・サービスも提供しております。今後も各事業を通じて、すべての人が自分らしく生きられる豊かな社会の実現をめざしてまいります。
Q1.“なりたい自分”を思い描けている外国人材は9割近く。40歳日本人との対照的な意識
「今後の“なりたい自分”の姿を思い描けているか」という問いに対し、「しっかりと思い描けている」(49.3%)、「ぼんやりとだが思い描けている」(37.9%)を合わせて、87.2%が“なりたい自分”像を持っていることがわかりました。
一方、以前当社が企業や組織・団体に勤務している40歳の日本人を対象に実施した調査では、「しっかりと思い描けている」はわずか8.9%、「ぼんやりとだが思い描けている」も同率の37.9%にとどまり、5割以上(53.2%)が「思い描けていない」と回答しています。
日本で就労経験のある外国人材は、将来に対するビジョンを持ち、主体的にキャリアを築こうとする意識が強い傾向が見て取れます。
Q2. 7割近くが「リスキリングに取り組んでいる」と回答
リスキリング(学び直し)への取り組み状況を尋ねたところ、7割近く(66.8%)が「取り組んでいる」と回答しました。外国人材の多くが将来を見据えてスキルを磨こうとする姿勢を持っていることがうかがえます。
また、Q1で「なりたい自分の姿を思い描けている」とする回答が9割近くにのぼった結果と照らし合わせると、明確なキャリアビジョンに基づいて自律的に学ぶ傾向が読み取れます。
外国人材に対するリスキリング支援やキャリア開発機会の提供が、採用・定着の鍵を握ると考えられます。
Q3.習得意欲の高いスキルは「デジタル・IT」「AI・IoT」が上位を占める
リスキリングに取り組んでいると回答した187人に、リスキリングによって今後習得したいスキルを聞いたところ、最も多かったのは「デジタル・IT」(23.0%)で、「AIやIoT」(21.9%)が続きました。急速なデジタル化や技術革新に適応するスキル習得に対する強い関心がうかがえます。
また、「語学(日本語以外)」も11.2%と高く、グローバルなコミュニケーション能力向上を意識していることが読み取れます。一方で、「マネジメント」や「コミュニケーション」、「データ分析」などのビジネス基盤スキルも一定の割合を占めており、多角的なスキルアップ志向が見られます。
Q4.リスキリングの主な目的は「業務スキル・知識のアップデート」
リスキリングに取り組む目的として最も多く挙げられたのは、「業務スキル・知識のアップデート」(32.1%)でした。多くの外国人材が現職での専門性や能力の維持・向上を重視していることがうかがえます。
次いで、「転職」(15.0%)や「環境・時代の変化への対応」(13.9%)といったキャリアの方向転換や変化に柔軟に対応するための目的も目立ちます。
リスキングに取り組んでいる外国人材は、現在の業務の質を高めたり、職務の幅を広げたりするためだけでなく、将来のキャリアを見据えて学び直しを行っていることが考えられます。
Q5.リスキリング支援は日本・他国企業ともに十分とは言い難い現状
勤務先におけるリスキリング支援の有無については、「わからない/記憶にない」(33.6%)と「日本企業・自国や他国の企業のどちらでも支援はなかった」(27.5%)を合わせ、6割以上がリスキリング支援を受けていないか、支援の実態を把握していない状況が明らかになりました。
また、「日本企業・自国や他国の企業の両方で支援があった」と回答したのは11.8%、どちらか一方で支援があった人も11.4%にとどまっています。これらの結果から、日本でも、他国においても、企業のリスキリング支援は十分に普及しているとは言い難い状況にあることが推察されます。
キャリア形成に意欲的で、スキル向上に前向きな人材が多いことを踏まえると、今後、外国人材の活躍を促し、長く働いてもらうためには、リスキリング支援の充実がひとつの重要な取り組みになると考えられます。
【調査概要】
[期 間]2025年7月7日~7月16日
[対 象]現在日本で働いてる、または過去に日本で働いた経験があるDaijob.comの外国籍登録者
[回答数] 280名
[方 法]インターネット調査
※調査結果の構成比は小数点2位以下を四捨五入して算出しているため、合計値は必ずしも100%とはなりません
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(ヒューマンホールディングス株式会社/8月8日発表・同社プレスリリースより転載)
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