50~60代男女(エルダー)の“不安”と“働く上での希望”に関する実態調査
働く上で「そもそも仕事が⾒つかるか」を不安に感じている⼈が約5割。
今の不安は「⾃分の健康」が最も⾼く、約6割に上る。
〜就職・転職先には、「収⼊」に次いで「職場の⼈間関係」を求める傾向〜
人材総合サービスを全国で展開する株式会社スタッフサービス・ホールディングス(本社︓東京都千代⽥区、代表取締役社⻑︓阪本耕治)は、株式会社電通でシニアに関する知⾒・研究を通じてソリューションの開発を⾏う電通シニアラボ(本社︓東京都港区、代表︓⼩磯達也)と共同で「“不安”と“働く上での希望”に関する実態調査」を実施し、50〜69歳のサンプルを2,000人分抽出、10歳刻みの男⼥別のデータを確認、分析しました。(調査概要︓P9)
少⼦⾼齢化の進⾏に伴いさまざまな分野で人⼿不⾜が深刻化する中、注目をあびているのが50〜60代の労働⼒です。今や全就業者中の60代以上の方々の割合は2割を超えており、50〜60代が意欲と能⼒に応じて年齢にかかわりなく働き続けられる生涯現役社会の実現に向けた取り組みが多方面で活発化しています。
今回、この世代を対象に、働くことへの不安や価値観を把握すべく多様な観点から年代・性別ごとにランキング形式で分析をおこないました。
調査結果のポイント
■50〜60代(エルダー)全体の特徴
・「今の不安」は、「自分の健康」が58.5%で最も⾼く、次いで「体⼒の衰え」50.5%、「生活資⾦」が48.4%といった項目が上位だった。
・「働くことにおいての不安」は、「そもそも仕事が⾒つかるか」が45.5%で最も⾼く、次いで「労働に⾒合う体⼒の持続ができるか」39.0%、「自分がやりたい仕事が⾒つかるか」34.6%といった項目が上位だった。
・「就職・転職先の仕事に求めるもの」は、「生活費を賄える収入」が64.9%で最も⾼く、次いで「趣味や娯楽に使える収入」45.3%、「職場の人間関係がよい」39.5%といった項目が上位だった。
・「何歳まで働きたいか」は、「65〜69歳」が23.5%で最も⾼く、「70〜74歳」16.9%、「60〜64歳」と「体⼒の続く限り、何歳まででも働きたい」が同率で16.8%だった。
■男⼥・年代別の特徴
【50代男性】
・「今の不安」は、「収入」が57%で50代⼥性・60代男⼥と⽐較して最も⾼い。
・「希望する働き方」は、「フルタイムで働ける」が56%で50代⼥性・60代男⼥と⽐較して最も⾼い。
【60代男性】
・「希望する働き方」では、50代男⼥、60代⼥性ではランクインしなかった「働く時間を自由に選べる」35%が表出した。
・「何歳まで働きたいか」については、「65〜69歳」が28%と最も⾼い結果になった。
【50代⼥性】
・「今の不安」は、「自分の健康」が64%で50代男性・60代男⼥と⽐較して最も⾼い。
・「働くことにおいての不安」は「そもそも仕事が⾒つかるか」が54%で50代男性・60代男⼥と⽐較して最も⾼い。
【60代⼥性】
・「就職・転職先の仕事に求めるもの」は、「働くことによる健康の維持」が49%で50代男⼥・60代男性と⽐較して最も⾼い。
・「希望する働き方」は、「何歳になっても働くことができる」が49%で50代男⼥・60代男性と⽐較して最も⾼い。
今どのようなことに「不安」を感じている︖(n=2,000、複数回答)
◆「⾃分の健康」への不安が最も⾼い結果に。50代⼥性はさまざまなことに不安を感じている。
●全体
・「自分の健康」が58.5%で最も⾼く、次いで「体⼒の衰え」50.5%、「生活資⾦」48.4%といった項目が上位だった。
●男⼥・年代別
・50代⼥性の「自分の健康」64.4%が最も⾼い結果に。50代⼥性は5位まですべての項目を半数以上が回答しており、不安感が強いことがうかがえる。
・50代男性では、「収入」56.6%で、50代⼥性・60代男⼥と⽐較して最も⾼い結果になった。
働くことにおいての「不安」は︖(n=2,000、複数回答)
◆約5割が「そもそも仕事が⾒つかるか」を不安に感じているという結果に。
●全体
・「そもそも仕事が⾒つかるか」が45.5%で最も⾼く、次いで「労働に⾒合う体⼒の持続ができるか」39.0%、「自分がやりたい仕事が⾒つかるか」34.6%といった項目が上位になった。
●男⼥・年代別
・50代⼥性では、「そもそも仕事が⾒つかるか」が53.6%で50代男性・60代男⼥と⽐較して最も⾼い結果になった。
・60代⼥性では、50代男⼥・60代男性ではランクインしなかった「年齢による解雇」が30.8%で5位に表出する結果になった。
就職・転職先の仕事に求めるものは︖(n=2,000、複数回答)
◆「収⼊」に次いで「職場の⼈間関係のよさ」を求める⼈が多いという結果に。60代は「働くことによる健康の維持」を求める傾向も。
●全体
・「生活費を賄える収入」が64.9%と最も⾼く、次いで「趣味や娯楽に使える収入」45.3%、「職場の人間関係がよい」39.5
%といった項目が上位だった。
●男⼥・年代別
・60代⼥性では、「働くことによる健康の維持」が48.8%と50代男⼥・60代男性と⽐較して最も⾼い結果になった。
希望する働き⽅(制度⾯)は︖(n=2,000、複数回答)
◆50代男性は「フルタイム」を希望し、60代男性・⼥性は「パートタイム」での働き⽅を希望。⼥性は約5割が「何歳になっても働くことができる」職場を求めるという傾向に。
●全体
・「パートタイムで働ける」が43.0%と最も⾼く、次いで「希望する勤務地で働ける」41.5%、「何歳になっても働くことができる」
40.4%という項目が上位になった。
●男⼥・年代別
・50代男性は、「フルタイムで働ける」が56.4%と過半数が回答した。
・60代男性は、50代男⼥・60代⼥性ではランクインしなかった「働く時間を自由に選べる」34.8%が表出した。
・50代⼥性は、「休暇を取りやすい」が53.4%と過半数が回答した。
・60代⼥性は、「何歳になっても働くことができる」49.2%で、50代男⼥・60代男性と⽐較して最も⾼い結果になった。
希望の⽉収は︖(n=2,000、単一回答)
◆「20万〜30万円未満」が18.6%と最も⾼く、次いで「5万〜10万円未満」17.9%、「15万〜20万円未満」14.2%が上位になった。
希望の勤務時間(1⽇)は︖(n=2,000、単一回答)
◆「7〜8時間未満」が27.4%と最も⾼く、次いで「4〜5時間未満」15.7%、「5〜6時間未満」13.7%という項目が上位になった。
何歳まで働きたい︖(n=2,000、単一回答)
◆50代・60代⼥性の約5⼈に1⼈は「体⼒の続く限り、何歳まででも働きたい」という意向。現在の年齢の5〜10年先まで働きたいという意向が男⼥ともに⾒られる。
●全体
・男⼥ともに、現在の年齢の5〜10年先を⾒据えて働いている人が2割程度。
・「65〜69歳」が23.5%で最も⾼く、次いで「70〜74歳」16.9%、「60〜64歳」と「体⼒の続く限り、何歳まででも働きたい
」が同率で16.8%という結果になった。
●男⼥・年代別
・50代、60代で性別問わず傾向が一致する。
・⼥性は、「体⼒の続く限り、何歳まででも働きたい」と約2割が回答する結果になった。
総括︓意欲あるエルダーが働く上で求めることに、しっかりと⽿を傾けることが重要
「人生100年時代」と言われるようになって久しい現在、さまざまなデジタルツールやAIなどの登場により、人々の働き方や働く目的、希望は多様化しています。また一方で、超⾼齢化が進む日本においてはさまざまな社会課題が顕在化してきており、50代以上の方々(エルダー)が引き続き活躍できる環境の整備が重要です。今回は、50〜60代男⼥の「不安」と「働く上での希望」について調査し、男⼥・年代別にランキング形式でまとめました。
その結果、「そもそも仕事が⾒つかるか」約5割の人が不安に感じており、職場においては「収入」に次いで「職場の人間関係のよさ」や「働くことによる健康の維持」、「働くことによる充実感」を求めていることが明らかになりました。働く意欲のある方々がどのような不安を感じており、何を求めて働いているのかにしっかりと耳を傾け、少しでも⻑く働き続けたいと思える職場環境、社会をますます整えていくことが大切だと考えます。
スタッフサービスグループは、今後もあらゆる年代の方々の「働こうという想い」に寄り添い、一人ひとりの希望に合った就業機会を創出し続けられるよう努めてまいります。
【調査概要】
■調査方法:インターネット調査
■調査期間:2024年2月22日(木)~2024年2月27日(火)
■調査対象:全国在住50~69歳男女 70,000ss
※分析は、 日本の性年代別に人口構成比(5歳刻み)で50~69歳男女2,000ssを抜き出し実施
(50~59歳男性:500ss、60~69歳男性:500ss、50~59歳女性:500ss、60~69歳女性:500ss)
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社スタッフサービス・ホールディングス/6月10日発表・同社プレスリリースより転載)
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