27卒 キャリア意識やインターンシップ等に関する調査
就職活動準備の一環として、インターンシップ等のプログラムを活用する動きは年々強まっている。夏季プログラムへの参加を控えた5月後半、キャリタス就活登録学生のうち2027年3月卒業予定者を対象に、インターンシップ等への参加意向や、就職に関する意識などを調査・分析した。
1.インターンシップ等への参加意向
大学3年生(修士1年生)の5月後半時点での、インターンシップやオープン・カンパニー等のプログラムへの参加意向を尋ねた。「参加したい/参加する予定」が9割を超え(96.4%)、参加意欲の高さが顕著に表れている。
2.キャリア形成支援4類型別の参加意向
インターンシップ等に参加意向がある学生(全体の96.4%)に、4類型のうちタイプ1からタイプ3の参加意向を尋ね、文理別に比較した。
「タイプ1:オープン・カンパニー」は、「積極的に参加したい」が約7割に上る(69.9%)。次に参加意向が強いのは「タイプ3-①:汎用的能力活用型インターンシップ」で、6割近く(58.0%)が「積極的に参加」と回答。文理ともに過半数を占める。「タイプ3-②:専門活用型インターンシップ」は、全体では3割台だが(35.9%)、理系院生では約7割に上り(69.9%)、大半が参加を希望。
3.参加したい時期
参加したい時期は、「8月」(94.8%)、「9月」(86.8%)に集中しているのが目立つ。「7月」も半数以上が選んでおり(58.1%)、現時点では、夏季休暇中の参加を目指している学生が多いことがわかる。ただし、10月以降も2月まで4割台が続いており、時期を問わず参加したい学生は少なくない。
4.参加したい内容と期待する成果
続けて、どのようなプログラムに参加したいのかを尋ねた。最も多いのは「業界や企業の概要を理解できるもの」で、8割台後半(86.3%)。次いで「実際の職場を見ることができるもの」(81.1%)、「実践的な仕事を経験できるもの」(74.2%)が続く。プログラムへの参加を通じ、まずは業界や仕事内容について理解を深め、働くイメージをつかんでいきたいという学生の考えがうかがえる。また、「学業に支障なく参加できる日程のもの」が7割近くに上っており(67.4%)、夏季休暇中の参加希望が多いことと符合する。
なお、理系は「自分の専攻分野と関連があるもの」が57.8%で、文系に比べ20ポイント以上高い。
5.参加方針
インターンシップ等への参加方針について4つの指標で尋ねた。「少しでも興味があれば参加(応募)したい」が6割を超え(計66.0%)、「参加する企業はじっくり選びたい」(計34.0%)を大幅に上回った。「できるだけ多くのプログラムに参加したい」も同じく6割超を占める(計65.3%)。
「幅広い業界のプログラムに参加したい」と「興味のある業界・企業のものに絞って参加したい」は拮抗している。事前選考有無についても方針は二分している。
6.参加企業を探す手段
参加企業を探す手段(今後の予定も含む)として最も多いのは「就職情報サイト」で、突出している(94.1%)。続く「インターンシップイベント(オンライン形式)」は6割台後半(66.9%)、「インターンシップイベント(会場型)」が5割台後半に上り(57.7%)、イベント参加を希望する学生も少なくない。他にも「個別企業のホームページ」(39.4%)、「学内(求人票・キャリアセンター)」(37.1%)など、様々な手段を活用し、情報収集をしようとしている様子がわかる。
7.インターンシップ等への応募状況
インターンシップ等へのプレエントリー(エントリー)状況を尋ねたところ、約7割が経験ありと回答(69.7%)。2年前の2025年卒者を対象とした同時期調査(51.2%)と比べ20ポイント近く増加した。1人あたりの平均社数も7.4社から11.5社へと増加。ES提出や予約などの応募経験を持つ学生は43.8%。こちらも2年前より20ポイント近く増加。平均応募社数は2.8社から4.1社へと増加。
インターンシップ等に向けた学生の動き出しが早まっている様子が、顕著に表れている。
8.現時点で興味のある仕事・業界
興味のある仕事や、やりたい仕事について尋ねると、「なんとなくイメージはある」が7割近くを占め(68.6%)、「具体的にある」は2割程度(22.6%)。現段階ではやりたい仕事が明確になっていない学生が大半であり、漠然としたイメージを具体的なものしていくためにも、インターンシップ等のプログラムに積極的に参加したいと考えているのだろう。
興味を持っている、あるいは働いてみたい業界を、12分類の中から3つまで選んでもらった。文理ともに「メーカー」が1位で、全体の半数超が選んだ(53.0%)。文系の2位は「サービス」(45.2%)で、ここに「マスコミ」「商社」が続く。理系は、学部生・院生ともに「IT・通信」が2位。文系は比較的ポイントが分散しているのに対し、理系は1位の「メーカー」に集中しているのが目立つ。
9.興味を持ったきっかけ
興味を感じる仕事や働いてみたい業界について、興味を持ったきっかけを尋ねた。最も多いのは「大学入学前から志望していた」で3割台後半(37.1%)。「業界研究をして興味を持った」が続き(35.7%)、すでに業界研究を始めている学生も少なくないようだ。3番目の「商品やサービスのユーザーとして興味を持った」は3割近くが選び(29.4%)、まずは身近なところから関心を持つ学生も多いようだ。
属性別に見ると、理系学部生で「大学入学前から志望していた」が半数を超え(54.1%)、進学の際に将来の就職を見据えた進路選びをしている学生が多いことがうかがえる。理系院生では「ゼミや研究室で専門的に学んだことで」が約7割と圧倒的に多い(69.3%)。文系は「商品やサービスのユーザーとして興味を持った」や「課外活動などの経験から」が理系に比べ高い。
10.就職戦線の⾒方
自分たちの代の就職戦線が1学年上の先輩たち(2026年卒予定者)に比べてどのようになると見ているのか、その見通しを尋ねた。「非常に厳しくなる」12.0%、「やや厳しくなる」39.5%で、あわせて半数が厳しくなると予想(計51.5%)。この6年で最も低い数字となったものの、初めての就職活動に不安を感じる学生は多く、こうした不安が前のめりの姿勢につながっているものと見られる。
11.⽇常⽣活で利⽤しているSNS等
普段の生活で利用しているSNS等を尋ねた。最も多いのは「LINE」(96.5%)で、ほとんどの学生が利用していると回答。次点は「YouTube」で9割近くに上る(89.2%)。続く「Instagram」までが8割を超え(81.2%)、利用率が高い。日頃から様々な手段を利用して情報収集やコミュニケーションをとっている様子がうかがえる。
12.大学⽣活について
学生生活についても尋ねた。学業など7つの項目について、現在の優先順位をつけてもらい、加重平均スコアを算出した。最も高いのは「学業」で、集中度が高い。2位が「就職活動準備」で、早くも就職活動に意識が向いている学生が多いようだ。「趣味」「アルバイト」が同率で続いており、学業以外は比較的分散している。文理による大きな差は見られない。
なお、現在の登校頻度を尋ねたところ「週 5 日」が最も多く(37.2%)、「週 4 日」が僅差(35.6%)。文系に比べ、理系の方が登校頻度が高い。先に見たように、インターンシップ等のプログラムを探す際に学業の妨げにならないことを重視する学生は多く、長期休暇中など学生が参加しやすい時期に開催することが重要だと言えるだろう。
《調査概要》
調査対象:キャリタス就活会員のうち2027年3月卒業予定の全国の大学3年生・大学院修士課程1年生
調査時期:2025年5月17日~6月2日
調査方法:インターネット調査法
回答者数:780人(文系587人、理系・学部生117人、理系・大学院生76人)
調査機関:株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社キャリタス/6月12日発表・同社プレスリリースより転載)
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