「2025年 ハラスメント実態調査 〜加害編〜」を実施
4割が心当たり 自身の”発言リスク”に敏感 若年ほど意識
〜男女・世代間で捉え方にギャップ “見て見ぬふり”も6割〜
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、543人の社会人男女を対象に「2025年 ハラスメント実態調査 〜加害編〜」を実施しました。本調査は、職場でハラスメントを感じた経験やハラスメントの黙認経験、また自身の言動でハラスメントに思い当たる節、そしてハラスメントと管理職意欲の関係などを性別・年代別・役職別に調査したものです。
【ハラスメント問題の見方】
「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」では、社会人の被害経験と企業の対策に関する調査結果をまとめました。ハラスメント問題には被害者・加害者、そして職場や目撃者など第三者の視点もあるため、Job総研では、多角的な目線でハラスメント問題に注目する必要性があると考えました。新年度に切り替わった企業も多い中、性別や年代、役職ごとのハラスメントに対する意識はどのようなものになっているのでしょうか。
Job総研では543人の社会人男女を対象に、職場でハラスメントを感じた経験やハラスメントの黙認経験、また自身の言動でハラスメントに思い当たる節、そしてハラスメントと管理職意欲の関係などを性別・年代別・役職別に調査した「2025年 ハラスメント実態調査 〜加害編〜」を実施しました。
【TOPICS】
- 全体の72.6%が職場でハラスメントを感じた経験あり 男女別では女性、年代別では50代が最多
- 職場でハラスメントを感じた経験は課長クラスが最多 全体の64.0%がハラスメントの黙認経験あり
- 全体の42.7%が自身の言動で思い当たるハラスメントがある 男女別では男性、年代別では30代が最多
- 自身の言動で思い当たるハラスメントが「ある派」は部長クラス以上が最多
- 全体の75.3%がハラスメント意識は管理職意欲に影響する 年代別では40代が最多
【職場でハラスメントを感じた経験】
回答者全体の543人に職場でハラスメントを感じた経験を聞くと、「ある派」が72.6%で多数を占め、「ない派」は27.4%となりました。「ある派」の男女別では女性が78.0%、男性が70.3%となりました。
【年代別・役職別】
職場でハラスメントを感じた経験が「ある派」の年代別では50代が88.9%で最多となり、次いで40代が86.0%、30代が79.2%、20代が57.1%となりました。「ある派」の役職別では課長クラスが89.2%で最多となり、次いで部長クラス以上が83.9%、係長クラスが73.5%、一般社員が69.8%、主任クラスが68.8%となりました。
【ハラスメントの黙認経験】
回答者全体の543人に職場ハラスメントを黙認した経験を聞くと、「ある派」が64.0%で過半数を占め、内訳は「とてもある」が18.2%、「ある」が18.9%、「どちらかといえばある」が26.9%となりました。「ある派」の年代別では40代が76.3%で最多となり、次いで50代が73.6%、30代が67.5%、20代が53.6%となりました。
【自身の言動で思い当たる節】
回答者全体の543人に自身の言動で思い当たるハラスメント有無を聞くと、「ある派」が42.7%となり、内訳は「とてもある」が13.4%、「ある」が8.1%、「どちらかといえばある」が21.2%となりました。「ある派」の男女別では男性が51.6%で、女性が22.6%となりました。
【年代別・役職別】
自身の言動で思い当たるハラスメントが「ある派」の年代別では30代が46.8%で最多となり、次いで20代が44.6%、40代が38.7%、50代が33.3%となりました。「ある派」の役職別では部長クラス以上が64.5%で最多となり、次いで係長クラスが51.0%、主任クラスが45.3%、課長クラスが43.2%、一般社員が40.2%となりました。
【ハラスメントと管理職意欲】
回答者全体の543人にハラスメント意識が「管理職意欲」に及ぼす影響はあるかを聞くと、「影響する派」が75.3%で多数を占め、内訳は「とても影響する」が18.0%、「影響する」が21.4%、「どちらかといえば影響する」が35.9%となりました。「影響する派」の年代別では40代が80.7%で最多となり、次いで30代が76.6%、50代が75.1%、20代が72.3%となりました。
※更に詳細な集計データは別紙「2025年ハラスメント実態調査 報告書」をご参照ください
【回答者自由記述コメント】
若年ほど、自身の言動がハラスメントに該当しないかを意識していました。
- ハラスメントの種類をネットで知りすぎて、同僚や後輩への発言に気をつけるようになった
- 先輩や上司への「逆ハラスメント」になっていないか気にする。素直なリアクションを取りにくい
- 自身の発言で危ない箇所があったら「これハラスメントだよね笑」と語尾につけて緩和している
- 何かと「〇〇ハラ」を使う同僚がいるので、上司よりも同世代に対して気を遣う
- ”気にしすぎ”と思っていたことでも、ネットを見るうちに自身が敏感になっていると気づいた
※ハラスメントに関するコメントは「JobQ Town」にて確認いただけます。
【調査まとめ】
ハラスメントの黙認・加害経験に焦点を当てた「2025年 ハラスメント実態調査vol.2」では、全体の7割が過去職場でハラスメントを感じ、4割が、自身の言動に思い当たる節がある結果となりました。さらに、職場ハラスメントの黙認経験では6割の人が該当し、昭和文化や過剰な労働環境の経験層と考えられる40~50代の黙認が多数です。そして、8割がハラスメント意識は「管理職意欲」に影響すると回答し、ハラスメントの扱い方や部下との接し方に悩むと言われている40代、つまり上司世代が影響を受けていることがわかりました。管理職を希望しない若者が増えている中、20代では、ハラスメント意識は管理職意欲に影響しない、という意見が多く、管理職への意欲低下には別の要因が絡んでいると考えられます。
〜被害・職場対策編〜では被害視点と企業の対策に焦点を当てましたが、本調査では第三者視点や加害視点に着目しました。ハラスメントの風潮に賛否が分かれ、男性より女性の被害が多いとされる中、”感じ方”は女性が強く、自身の言動に”思い当たる節を持つ”のは男性が強い結果となるなど、ハラスメントの捉え方に男女差がある状態です。また意外な結果として、ハラスメントに思い当たる節は40~50代よりも20~30代が多く、若手ほど”加害”に敏感な傾向も見られます。このように、ハラスメントは立場によって捉え方も異なるため、被害・加害だけでなく、職場全体や第三者視点など、1つの立場だけではない、多様な視点から予防及び対策をする必要が見られる調査結果となりました。
【調査概要】
調査対象者:現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年4月9日〜4月14日
有効回答数:543人
調査方法 :インターネット調査
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(パーソルキャリア株式会社/4月28日発表・同社プレスリリースより転載)