中小企業の働き方改革の実態調査
レバレジーズ株式会社が運営するフリーター・既卒・第二新卒向け就職支援サービス ハタラクティブは、中小企業の働き方改革担当者300名を対象に、働き方改革の実態を調査いたしました。本調査は企業編・社員編に分けた発表となり、今回は企業編をお届けします。
※:本調査において中小企業の定義は、従業員数500名未満の企業とする
<調査サマリー>
1.約8割の中小企業が働き方改革を実施
2.働き方改革の実施目的、約9割の企業が「社員満足度の向上」と回答
3.約8割の企業が改革の効果を実感、測定指標の1位は「有給休暇取得率」
1.約8割の中小企業が働き方改革を実施
中小企業300社のうち、働き方改革に関する施策を「実施している」と回答した企業は全体の79%となりました。
企業規模ごとの実施率では、100名以上の企業では92.3%とほとんどの企業が実施しているものの、社員数99名以下の企業では69%です。
2.働き方改革の実施目的、約9割の企業が「社員満足度の向上」と回答
働き方改革を実施する目的は「従業員満足度の向上(86.9%)」が最も多く、次いで「コスト削減(47.8%)」「新規採用の強化(39.1%)」と続きます。
実際に取り組んでいる施策内容として「有休休暇取得の利用促進(70.8%)」が最も多く、次いで「時間外労働の規制(68.0%)」「定時退社の促進(46.2%)」という結果になりました。有給休暇取得の利用促進の実例としては、計画的付与や時間単位の取得制度などが挙げられます。
業界ごとの取り組み内容を見ると、医療・介護・福祉では「給与の引き上げ(46.7%)」「高齢者の就業促進(40.0%)」「女性の活躍推進(36.7%)」「従業員の能力開発(33.3%)」の項目で平均より5~10ptほど高い回答となりました。各業界の動向や課題によって差があり、特に人手不足の業界では取り組める内容に限りが出やすく、事実上の制限になり得ると推測できます。
実施内容は、「勤怠管理」の施策が上位を占めています。一方で「従業員の能力開発(リスキリング)」「女性の活躍推進」「高齢者の就業促進」など、施策導入にあたって社内体制の再構築が必要な項目や短期的で効果が見えづらい施策は、優先度が低くなりやすいと読み取れます。
3.約8割の企業が改革の効果を実感、測定指標の1位は「有給休暇取得率」
約8割の企業は働き方改革を行ったことで何らかの効果を感じています。全体のうち約半数の企業が「従業員満足度が向上した(50.6%)」と回答しました。過半数の企業が働き方改革の効果を感じる半面、全く効果を感じられていない企業は約2割におよびました。
働き方改革における効果測定指標(KPI)では「有給休暇取得率(49.8%)」が最多となり、次いで「時間外労働時間(40.7%)」「有給取得日数(36.4%)」となりました。約2割の企業は効果測定指標を置いていません。
適切な効果測定指標を置くことで、自社の状況に併せた振り返りが可能になり、より効果的な運用が期待できそうです。
<まとめ>
政府が働き方改革を推進する中で、多くの中小企業が何らかの就労・処遇改善を行っていることがわかりました。実施目的としては既存社員に向けたものが多く、従来のCSRの取り組みなど外部へのPR活動を伴うものよりも、社内に向けたアプローチが目立ちます。
ただし社内向けの取り組みでは、有給休暇の計画的付与や時間単位の取得制度をはじめとした既存の福利厚生の活用にとどまることが多く、新たな制度や福利厚生を取り入れている事例は限定的です。背景としては、導入コストと導入事例の不足が考えられます。
定着率に目を向ける企業が増加し、採用から定着までを一式と捉える傾向が強まる中で、国全体で働き方改革を促進していくためには資金面・運用スキル面の両軸から支援する必要がありそうです。
<調査概要>
調査対象:中小企業の働き方改革担当者
調査年月:2023年5月23日~2023年5月25日
調査方法:webアンケート調査
回答者数:300人
調査主体:レバレジーズ株式会社
実査委託先:楽天インサイト株式会社
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(レバレジーズ株式会社 / 7月31日発表・同社プレスリリースより転載)