IT企業における、障がい者雇用の実態調査(後編)
障がい者雇用、月給の高さよりも配慮事項のアピールが採用の明暗を分ける結果に
レバレジーズ株式会社が運営する、障がい者就労支援サービス「ワークリア」は、障がい者雇用に関わるIT企業の採用担当者250社を対象に、障がい者雇用の実態調査を実施しました。今回は前編・後編に分かれた発表となり、本記事では「IT企業における障がい者雇用の実態調査」の後編として、お届けいたします。
<調査サマリー>
- 採用が計画通りに進んでいる企業は、募集時に「配慮事項」をアピール
- 定着がうまくいっている企業の約5割が「労働環境の充実」が要因と回答
- 3割の企業が月給「22万以上」で給与を提示
<調査詳細>
1.採用が計画通りに進んでいる企業は、募集時に「配慮事項」をアピール
採用募集を行う際のアピールポイントとして、最も多かったのは「就業環境・設備(63.8%)」となりました。ただ、障がい者雇用が計画通りに進んでいる企業の約6割が「配慮事項」にも力を入れており、計画通りに進んでいない企業との差が見受けられました。
2.定着がうまくいっている企業の約5割が「労働環境の充実」が要因と回答
計画通りに雇用が進んでいる企業において、定着が上手くいっている要因として「労働環境が充実している(55.0%)」が最多となり、次いで「社内のコミュニケーションが円滑だから(50.4%)」、「適切な業務を割り当てられている(45.7%」)と続きます。
反面、計画通りに雇用が進んでいない企業の課題として多くあげられたのが「適切な業務を割り当てられていない(39.3%)」、次いで「長期で就業する人材の見極めができていない(37.5%)」、「教育体制が充実していない(30.4%)」となりました。それぞれの項目に大きな差はなく、企業によっての課題感は異なることが見受けられます。
3.3割の企業が、月給22万以上で給与を提示
IT企業250社のうち、3割(75社)が「月給22万円以上」で給与提示をしていると回答しました。
障がい者雇用が計画通りに進んでいない企業は、計画通りに進んでいる企業と比べて「時給での募集を取り入れていない」割合が高くなっています。さらに、月給の提示額も、計画通りに進んでいる企業と比較して金額がやや高いことから、採用ハードルが高くなっている可能性が考えられます。
IT企業の約6割が一般採用枠で障がい者雇用を行っています。※ 雇用が進んでいないと回答する企業のうち、「採用基準に合う人材がいない」と回答した企業は約4割となり、採用ハードルの高さが雇用のネックになっていることが伺えます。
※2022年8月発表 IT企業における障がい者雇用の実態調査
<事業責任者小野寺からの一言>
今回の調査から、月給が高い企業よりも「配慮事項」を的確にアピールしている企業の方が採用や定着に大きな効果が出ていることがわかりました。企業がアピールする配慮事項の代表的な例としては、スロープや多目的トイレ、障がいに合わせたシステムの導入などが挙げられます。また、フレックスタイム制や時短勤務などの柔軟な働き方や産業医、ジョブコーチの設置といった支援体制を整備することも有効とされています。
給与が高いことは求職者にとって大きなメリットとなりますが、それよりも体制が整備されていて、無理なく働ける環境を求めている人の方が多いことが伺えます。
計画通りに雇用が進まないと感じている企業は、どの部分まで配慮が可能なのか洗い出してみることや、求人の打ち出し方を変更してみることも、ポイントとなりそうです。
<調査概要>
調査対象:障がい者雇用に関わるIT企業の採用担当者250名
集計期間:2022年12月28日~2023年1月5日
調査方法:Webアンケート調査
実査委託先:楽天インサイト株式会社
有効回答数:250名
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(レバレジーズ株式会社/ 3月27日発表・同社プレスリリースより転載)