スポットワークの求人倍率は1.33倍【スポットワークマーケットデータレポート(2022年2月度版)】
単発、短時間、短期間で働くスポットワークの求人倍率は1.33倍
スポットワーカーの平均時給は1,087円、通常のバイト時給より19円安い
多様な働き方の調査研究機関「ツナグ働き方研究所(拠点:東京都千代田区/所長:平賀充記)」は、ここ数年で広がりを見せる「単発、短時間、短期間で働くスポットワーカーの市場」について、定点観測する「スポットワークマーケットデータレポート」を毎月発表していきます。本レポートでは、2022年2月度最新データについて、とりまとめましたのでご報告いたします。
トピックス
- 単発、短時間、短期間で働くスポットワークの2022年2月度求人倍率は1.33倍
- 新規ワーク数は対前年比で+120.2%。主要職種では倉庫内軽作業が+298.0%で大きく伸長
- スポットワーカーの平均時給は1,087円。通常のアルバイト平均時給より19円安い
■はじめに~スポットワークマーケットデータレポートとは
・スポットワークマーケットの定義
スポットワークとは、単発、短時間、短期間で働き「継続した雇用関係」のない働き方を指します。その中でも、雇用契約を結ばない“ギグワーク”と、単期雇用契約を結ぶ“単発バイト”の2種類に分類されます(ギグワークの代表例として、ウーバーイーツ配達員が挙げられます)。こうしたワークスタイルで働く個人、活用する企業の市場がスポットワークマーケットです。
・マーケットの現状
個人)働き方改革による残業規制、コロナ禍による休業や勤務時間減少で、追加就労意欲が増大
企業)生産性向上観点から、ムダやムラのない=必要な時に必要な人数を配置する人件費最適化の高まり
技術)タイムリーかつオンデマンドなマッチを提供するスポットワーク求人事業者の参入
スポットワーカーは、コロナ禍を契機に急増、今後さらに広がりを見せていくことが予見されます。
・定点観測する意義
総務省統計局の「労働力調査」では、2018年からILO基準の「未活用労働指標」を導入しました。例えば、その中にある「追加就労希望就業者」は「広義の失業者」とも言われる労働者です。現状の就労に追加してスポットで働くことは、労働者の収入安定、すなわち広義の失業率の改善につながります。一方、マクロ的に捉えると、潜在的な労働力活用は国力の向上に寄与することになります。こうした社会的意義と接続する観点から、本マーケットを定点観測し、市場規模の動向、有益なトピック、内在する課題などを可視化するデータレポートを発信していきます。
■1.単発、短時間、短期間で働くスポットワークの2022年2月度求人倍率は1.33倍
2022年2月度のスポットワーク求人倍率は1.33倍。前月比(0.27ポイント減)は、例年と同じく求職者が増加する季節トレンドを反映しています。一方前年比(0.33ポイント増)は、求人数が前年比184.8%増と大きく伸長。先月同様ビフォーコロナの2020年2月とほぼ同水準まで回復しています。
■2.新規ワーク数は、対前年比で+120.2%。主要職種では倉庫内軽作業が+298.0%で大きく伸長
景気の先行指標とも言われる新規ワーク数は49,607件。対前月で-15.6%、対前年で+120.2%となっています。主要職種の伸び率をみると、倉庫内・軽作業が13,024件で、昨年3,272件から約4倍(対前年+298.0%)となる大きな伸びを見せています。
■3.スポットワーカーの平均時給は1,087円。通常のアルバイト平均時給より19円安い
2022年2月度のスポットワーク平均時給(首都圏・関西圏・東海圏の3大都市圏)は1,087円。前月から+2円、前年から+39円。通常のアルバイト平均時給1,106円(リクルート発表「アルバイト・パート募集時平均時給調査」)と比較して19円安く、前月比較差(-20円)とほぼ同水準です。主要職種で比較すると、倉庫内・軽作業ではスポット1,143円、アルバイト1,090円と、依然スポットワークの時給が高い傾向(比較差+53円)が続いています。
出典)単発バイト求人サイト「ショットワークス」2018年2月~2022年2月データ
総務省統計局「労働力調査( 詳細集計)2021年(令和3年)10~12月期平均」
リクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」
【本件に関するお問い合わせ先】
ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当:和田(わだ) tsuna-ken@tsunagu.co.jp
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ツナググループ・ホールディングス/4月20日発表・同社プレスリリースより転載)