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ニュース
社会 教育・オピニオン
掲載日:2022/03/09

仕事と感情に関する意識調査(個人編)

「仕事や職場に感情を持ち込むべきではない」が約7割
「感情を職場で伝えてよかった」はネガティブ感情でも8割以上

企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区 代表取締役社長:山崎 淳 以下、当社)は、2021年12月に20~49 歳の会社員826 名に対し、「仕事と感情に関する意識調査」を実施し、「仕事中に経験した感情」や「仕事と感情についての意見」など、調査結果から見える実態について公表しました。感情とうまく付き合う「5つの視点」に関する考察も発表しております。

<調査の背景>
仕事や職場のなかで、「感情」という側面は、いくつかの観点から、今日、益々重要になってきています。
1つめの観点は「技術の進展」です。AIやロボットに仕事が置き換わっていくとき、人間が行ったほうが良い仕事のひとつとして、感情に関連する仕事があります。人の表情や声のトーン、場の空気や文脈のなかで感情を読み取り、うまく対処していくことが、今、注目されています。
2つめに「VUCAの影響」です。正解もなく、変革が当たり前で、スピードが求められると、毎日のストレスで心理的負担は積み重なっていきます。VUCA時代の心理的負担の軽減は、今後のビジネスパーソンの大きな課題となるでしょう。

3つめに、エンゲージメント、キャリア自律、心理的安全性、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンなど、今日の人材マネジメントを考える上でのキーワードが、働いている人たちの感情の問題と関連していることにあります。

4つめが、「テレワークの進展」です。テレワーク続きで、孤独感をかかえ、評価されていないのではと不安になる人もいます。よりよく働くには、自分でそのような感情に気づき、どのように対処していけばいいのか学んでいく必要があります。仕事場面での感情は、パフォーマンスや健康に影響を与えますが、その実態を捉えた調査はあまりありません。そこで、働く人の感情に目を向け、うまく活用することの重要性をあらためて考えるきっかけになることを目的に、本調査を実施しました。

 

<調査の結果(一部抜粋)>
●仕事中に経験した感情について、約8割が「心配・不安」。一方「嬉しさ・喜び・感謝」も約6割

・直近1カ月の仕事中に経験した感情について、「非常によく感じた」「よく感じた」「ときどき感じた」の回答が多かったのは、多い順に「心配・不安(78.2%)」「怒り・嫌悪(71.6%)」「退屈・無意味(64.1%)」といずれも、ネガティブな感情である。次いで、「嬉しさ・喜び・感謝(62.5%)」「親しさ・心地よさ(61.2%)」とポジティブな感情が続く。
・「ここ1カ月で最も印象に残っている感情」を尋ねた結果では、ネガティブな感情が約6割(59.7%)、ポジティブな感情が約4割(40.3%)だった。

●一般的に感情を用いる労働だと言われる接客・サービス以外の職種でも、感情労働の3要素「感情の要求・制御・演技」は、半数以上で求められている
・営業系・事務系・技術系のオフィスワーカーにおいて、感情を用いた職務遂行が求められる「感情労働」がどのくらい行われているかを確認した。
・「とてもあてはまる」「あてはまる」「ややあてはまる」の割合で見ると、「感情の要求(職務遂行において感情を用いることを求められる)」は約8割、「感情の制御(本当の感情を抑える)」は約7割、「感情の演技(求められる感情を演じる)」は約6割と、いずれも半数を超えていた。


●「仕事や職場に感情を持ち込むべきではない」と考える人は約7割
・「仕事や職場に感情を持ち込むべきではない」という考えについての賛否を尋ねたところ、約7割が「持ち込むべきではない」と回答した。一方で、自分の職場では「持ち込むべきではないと考えている人が多い」と思う人は約6割である。
 

●ネガティブ感情でも「感情を職場で伝えてよかった」は8割以上
・「この1カ月で最も印象に残っている感情」について尋ねたところ、回答者のうち、「その場で自分の感情を出した」人の割合は、ポジティブな感情で33.6%、ネガティブな感情で11.3%、「あとで他の人にそのときの感情について話をした」は、ポジティブな感情29.5%、ネガティブな感情31.0%だった。
・あとで伝えるのは、ポジティブな感情、ネガティブな感情共に約3割だが、その場での表出はポジティブ感情の方が有意に多い。
・「あとで他の人にそのときの感情について話をした」220名に「誰に話したか」について尋ねたところ、ポジティブな感情、ネガティブな感情共に、「職場の同僚」が6割以上と最も多い。次に多いのは、ポジティブな感情は「職場の上司」( 37.2%)、ネガティブな感情は「家族・友人・知人」(39.6%)である。
・同じく、「この1カ月で最も印象に残っている感情」について「あとで社内の人に話した」人に尋ねたところ、「話してよかったと思う」人は、ポジティブな感情では100%、ネガティブな感情でも8割以上(83.5%)と、話してよかったという回答が圧倒的に多かった。


<組織行動研究所 所長 古野庸一のコメント>

私たちの仕事の裏側には感情がある。ちょっとした同僚の言動に心が揺れる。自分が失敗したにもかかわらず、周りから助けられて、目頭が熱くなったり、あるいは、顧客の理不尽な要求に腹立たしさを感じたりする。そのような感情に向き合い、うまく活用できれば、個人も組織もより健全になる。ここでは感情を上手に取り扱うための5つの視点を提示したい。

1つめは「認知転換を行う」ことである。感情を動かされる経験には、トリガーになる出来事とそれに対する反応の間に、「認知のプロセス」が存在する。そのようなプロセスを考慮し、出来事と反応の間の認知を変えることで、感情をうまく取り扱うことができる。例えば、理不尽なことを言う乗客に対して、その乗客は初めて飛行機に乗る人であり、ナーバスになっていると認知を変える。それは、単に顧客満足につながるだけではなく、客室乗務員自身の心理的負担を軽減させることにもつながる。

2つめの視点は「ネガティブな感情を利用する」ことである。明日への不安があるから準備を行い、現状への不満があるから改善を試みようとする。ネガティブな感情に対して、その感情はどういう感情なのか、それはなぜ起こるのか、どうすればそれが収まるのか、さらに、自分は何を大切にしているのかというように、内省をすることで、よりよい精神状態をつくり、パフォーマンス向上にもつながる。

3つめの視点は、「自分の感情のクセをつかむ」ことである。ポジティブな感情に重きをおいて仕事に取り組むほうが自分のモチベーションが上がるのか、それともネガティブな感情に重きを置くのか。個人によって、あるいは場面によって、そのクセは変わるが、自分がどのようなクセをもっているのか知ることが、自分の感情の持ちようと仕事のパフォーマンスをつなげる鍵になる。

「認知転換を行う」「ネガティブな感情を利用する」「自分の感情のクセをつかむ」ことの前提として、自分の感情にきちんとしたラベルを貼れることが求められる。つまり、「感情粒度を高める」ことが必要になる。これが4つめの視点である。自分の今の感情をきめ細やかに客観視できることで、感情を理解することができ、内省を促進させ、他者と自分の感情に関するコミュニケーションを円滑にすることができる。

5つめの視点は、「居場所をデザインする」ことである。場所を変えることで、心地よさが変わり、仕事がはかどる。ワーケーションやテレワークのように、自分が最も生産性を上げられる場所を選択できることも居場所のデザインになる。

以上、働いている人の感情を取り扱う上での視点を提示した。最初の4つの視点が個人の話であり、5つめの視点が組織視点であるが、いずれもトレーニングによって改善できるという点で、経営として関与できる。しかしながら、これらを意識的に取り入れている会社は多くはないと思われる。神経科学やセンサー技術により、私たちの感情は科学的に把握できるようになってきた。感情の重要性についてあらためて考え、感情を科学的に扱うことが経営に求められているといえよう。

 

5.調査概要
調査目的:
仕事をしているときにどのような感情を抱いているか、感情の表出やコントロールについての現状や意識はどのようなものか、職場での感情への配慮が仕事のやる気や成果にどう関係するかなどを明らかにすること

調査対象:
20~49歳の会社勤務正社員
※一般社員のみ(管理職除く)
※勤務先の従業員規模は300名以上
※5歳刻みで均等になるように回収
※性別は均等になるように回収
※職種は接客・サービス、生産・技能を除く

調査内容:
「ここ1カ月の仕事中に、以下のような感情を、どのくらいの頻度で経験したか」「その感情について職場の人に話をしたか」 「仕事や職場に感情を持ち込むべきではないと思うか」「職場の上司や同僚に、自分の気持ちや感情を隠さずに伝えたことで、 良い結果につながったと思う経験」など

調査方法:インターネット調査
実施時期:2021年12月10日(金)~2021年12月12日(日)
有効回答数:826名
回答者の属性:
製造業:34.0%、非製造業60.4%、その他5.6%
従業員規模:300~499名16.2%、500~999名18.0%、1000~2999名20.9%、3000~4999名8.6%、 5000~9999名9.8%、10000名~26.4%
職務系統:営業系33.4%、事務系33.2%、技術系33.4%


◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ/2月25日発表・同社プレスリリースより転載)

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