外国人留学生の就職活動状況に関する調査(22卒)
外国人留学生の内定率は39.0%(2021年7月時点)
株式会社ディスコ(本社:東京都文京区、代表取締役社長:新留正朗)は、キャリタス就活2022に会員登録している外国人留学生を対象に、職業観や就職活動状況などを調査しました。比較可能なものに関しては、国内学生や海外の大学で学ぶ日本人留学生の調査データを引用しながら分析しました。
(調査期間:2021年7月2日~18日、回答数:356人)
【調査結果詳細(一部抜粋)】
■就職したい企業の規模と志望業界
就職したい企業の規模は、「業界トップ企業」(25.8%)、「大手企業」(39.0%)と、いわゆる大手狙いの外国人留学生は6割を超える(計64.8%)。国内学生(日本人学生)の計51.2%と比べて10ポイント以上高く、外国人留学生の大手志向の強さが読み取れる。日本企業になじみが薄い分、まずは知名度のある大手企業に目を向ける留学生も少なくないと見られる。
続いて、志望業界を40業界の中から5つまで選んでもらい、文理別に集計した。文系の1位は「商社(総合)」(34.9%)。グローバルに活躍したい留学生に、毎年人気だ。理系は、1位「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」(39.3%)、2位「情報・インターネットサービス」(36.6%)とIT業界が3割を超える。文系でも「情報・インターネットサービス」(26.5%)は2位、「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」(23.5%)は4位に挙がり、文理問わず人気が高い。
なお、国内学生(日本人学生)と比較すると、文系において差が顕著で、国内学生で1位の「銀行」は外国人留学生では9位、3位の「マスコミ」は16位。一方、理系はIT業界やメーカーが上位を占める傾向は共通している。
■就職先企業を選ぶ際に重視する点
外国人留学生が就職先を選ぶ際に重視する点は、「将来性がある」が最も多く、過半数が選んだ(52.5%)。続く「給与・待遇が良い」も5割近い(47.8%)。上位2項目は、国内学生(日本人学生)と同じ順位だが、「給与・待遇が良い」は国内学生に比べ6.6ポイント高い。国内学生は、全体的にポイントが分散しているのに対し、外国人留学生では、上位項目に集中しているのが特徴的。
「福利厚生が充実している」は、国内学生では3割強(31.5%)が選び3位だが、外国人留学生では2割未満にとどまる(19.1%)。「休日・休暇が多い」も1割台(16.6%)など、働きやすさへの関心は、国内学生ほど高くはないようだ。
■就職活動開始時期
外国人留学生が就職活動を開始した時期は「4年生の4月」が最も多く(23.3%)、次に多いのは「3年生の3月」(10.7%)。採用広報解禁(3月)以降の合計は半数弱(計47.2%)。一方、国内学生は「3年生の6月」(25.7%)が最も多く、解禁前の合計は97.2%に上る。国内学生に比べると、外国人留学生の動き出しは遅いことが表れている。
■7月時点の就職活動量と内定状況(※)
調査時点(7月)のエントリー社数は、平均23.9社。前年より1.4社増加した。企業セミナー、ES提出社数、筆記・適性テスト、面接試験の社数、いずれも前年同期を上回る。オンライン中心の就職活動で、多くの企業を受けやすい環境だったことに加え、コロナ禍による危機感から活動量を増やした留学生もいたと見られる。また、国内学生の社数を上回る項目も多く、スタートは遅いものの、精力的に活動している様子が表れている。
7月時点の内定率は、国内学生が8割(80.1%)であるのに対し、外国人留学生は約4割にとどまる(39.0%)。コロナ禍の影響で内定率が下がった前年同時期(31.5%)と比べ、7.5ポイント上昇したものの、コロナ前の内定率(2020年卒者:40.6%)をわずかに下回る。
文理別では、文系36.2%に対し、理系45.1%と、10ポイント近い差が見られる。理系はコロナ前を1ポイント上回っているのに対し、文系はコロナ前を3ポイント下回る。
内定取得者も含めると、就職活動を継続している外国人留学生は7割強(計71.7%)。国内学生(計32.6%)の2倍以上に上る。就職活動の動き出し時期の違いにより、進捗にも顕著な差が生じている。
※「内定」には、内々定を含む
【調査概要】
調査機関:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ
調査対象:2022年3月卒業予定の外国人留学生(現在、大学4年生・大学院修士2年生)
回答者数:356人(文系243人、理系113人)
調査方法:インターネット調査法
調査期間:2021年7月2日~18日
サンプリング:キャリタス就活2022に会員登録している外国人留学生2,382人
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ディスコ/8月26日発表・同社プレスリリースより転載)