世界の労働者は今年の雇用機会について楽観的な一方、日本の労働者は慎重な見方
世界最大※1の人材サービス企業であるランスタッドの日本法人で総合人材サービスを展開するランスタッド株式会社(本社:東京都千代田区、CEO 兼 代表取締役会長 カイエタン・スローニナ)は、ランスタッドが年に2回、世界34の国と地域で実施する労働者意識に関するグローバル調査「ランスタッド・ワークモニター」の2021年第1版の結果につき、日本市場の数字も含め発表いたしました。
労働者の過半数がオフィス復帰を希望
世界の労働者はさまざまな制限を課され、安全を脅かされて疲弊しているものの、2021年に楽観的な見通しと期待を持っていることが、ランスタッドが実施した最新のワークモニター(Workmonitor)労働意識調査で明らかになりました。この調査はランスタッドが年2回実施しているものです。2021年第1四半期に実施された今回の調査は、34の国と地域の労働者2万7,000人を対象に行われました。調査結果によると、世界の労働者はオフィスに戻る準備ができており、雇用主の求めがあれば喜んでワクチン接種を受けたいと考えています。
ほとんどの回答者が悲観的だった昨年とは対照的に、今回の調査では、2021年中に雇用機会が拡大するという楽観的な見方がありました。日本の労働者の数字は全世界の平均と比べて、雇用機会や現在の職場に留まる意欲についてはやや大きな乖離が見られました。主な調査結果は以下の通りです。
・78%(日本では65%)が、フルタイムでなく短時間でもいいのでオフィスに戻りたいと考えている
・75%(日本では77%)が、仕事のために必要であれば喜んでワクチン接種を受けると答えている
・54%(日本では34%)が、今年は雇用機会が拡大するという見通しを持っている
・52%(日本では31%)が、コロナ危機下の労働体験をきっかけに、現在の雇用主の下で長く働きたいという気持ちが強まったと話している
ワクチン接種の普及におけるビジネスの役割
企業がコロナ危機前の状態に戻るためには、職場環境が今より安全になり、ワクチン接種の重要性に対する意識が高まる必要があると、ほとんどの回答者が認めています。
53%(日本では53%)が、同じ職場にいる人たちがワクチン接種を受けない限り安心できないと答え、51%(日本では53%)が、ワクチンが行き渡るまでは在宅勤務を希望すると答えました。 この点において、日本は全世界の平均とほぼ同じとなっていることが分かります。
ただし、実際に雇用主からワクチン接種を求められた人は全体の4分の1にとどまっています。その割合が最も多かったのはアジア、最も低かったのは南ヨーロッパでした。しかし、圧倒的多数(75%)が、仕事に必要であれば喜んで接種を受けると答え、半分以上(56%)が、ワクチン接種は雇用機会の拡大につながると考えていました。これは、世界中でワクチン接種が開始される重要な時期に、ビジネスが大きな役割を果たすことを示しています。
オフィスの再開を切望
現時点ではオフィス勤務が不可能なことから、多くの人が、孤独感、健康的なワークライフバランスが保てないこと、人と会えないことを挙げました。実際に全体の52%が同僚と会って話せないのが寂しいと答え、18歳から24歳の3分の1以上が孤独を感じると答えました。孤独を感じると答えた人の割合が最も大きかったのはこの年齢層でした。
こうした課題から、78%(日本では65%)がオフィス復帰を望んでいますが、回答者は必ずしもコロナ危機前と同じ働き方を求めているわけではありません。54%(日本では48%)が、働く場所を選べる混合型の勤務形態を好んでいました。
雇用主が従業員の将来的な要望を把握し、公衆衛生ガイドラインに合わせて方向転換し、オフィス再開計画を立てるには、従業員が雇用主からのサポートを実感できるよう速やかに行動することが欠かせません。最も効果的な方法として回答者の4分の1(27%)が挙げたのは、適切なワークライフバランスを維持するための労働時間ルールの改善でした。
世界の労働者は将来を楽観視、しかし日本は慎重
さまざまな制限やロックダウンが始まって1年が経った今、世界の労働者はこの状況に慣れてきているだけでなく、2021年の今後に希望を抱いています。過半数(54%)が雇用市場の改善を見込んでいますが、日本においては低い数値(34%)となり、あまり楽観視していないことがうかがえます。また、新型コロナウイルスの感染拡大に大きな打撃を受けてきた女性労働者はそれほど希望を持っていないようです。
2021年中の雇用機会拡大を確信
南北アメリカ 63%
アジアパシフィック 63%
東ヨーロッパ 49%
北西ヨーロッパ 51%
南ヨーロッパ 43%
グローバル 54%
日本 34%
雇用機会について楽観的な見方がある一方で、回答者の52%がコロナ危機下の労働体験をきっかけに、現在の雇用主の下で長く働きたいという気持ちが高まったと答えました。実際に約30%が、この1年間、現在の雇用主の下で働いたことで自身の生産性が改善したと答えています。しかし、日本においては、現在の雇用主の下で長く働きたいと答えた割合が31%と世界平均から20%も低い結果となりました。
ランスタッド・カナダCEO兼グローバル人材担当マネージング・ディレクターのマーク・エティエン・ジュリアン(Marc-Etienne Julien)は次にようにコメントしています。
「労働者が健康的かつ安全に働けるという確かな見込みを持てるよう、経営陣や人事担当者はコロナ危機後の労働環境の未来像を示さなければなりません。オフィス内のソーシャルディスタンスを実現する勤務形態、ワクチン接種を促進するインセンティブ・プログラム、多様なサポートを提供する従業員支援プログラムなどがこれにあたります。ただし、世界の労働者の大半がワクチン接種を受けたとしても、人々がこうした大きな変化に順応するには時間がかかるでしょう。」
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ランスタッド株式会社/6月29日発表・同社プレスリリースより転載)