広がる留学生採用 定着の壁克服を
海外進出企業やインバウンド需要を狙う企業の間で、外国人留学生の採用競争が続いている。
日本学生支援機構によれば、日本にいる外国人留学生は年々増加し、2018年5月1日時点で29万8,980人に上る。また、2017年の調査では、外国人留学生の64.6%が日本での就職を希望していた。一方で、マイナビの調査では外国人留学生の離職は入社後2~5年の間が36.8%で最も多く、課題になっている。
コンビニ大手のファミリーマートは、多様な人材の獲得を狙って外国人留学生を採用。定着のための工夫として、内定・入社後に日本語研修を実施し、外国人社員をメンターに付けている。寸法自動測定装置・計測システムなどの開発・製造を手掛ける中央電機計器製作所は、海外営業と日本本社の橋渡し役になってもらおうと留学生採用を開始。社長が社員の出身国を訪れた際は家族を訪ねるなど、中小企業の規模を生かした家族ぐるみの付き合いで定着を促している。(経済産業省)
5月末には出入国管理法の告示改正があり、これまで実質的にホワイトカラーに限られていた日本で大学や大学院を修了した外国人留学生の就職先が、飲食店や製造業などにも広がった。多くの企業で採用意欲が高まる中、留学生の気持ちに寄り添った定着、活躍支援が採用の成否を分けそうだ。
(『日本の人事部』編集部)