男女計の賃金は前年比0.6%増の306,200円。男性は0.6%増の337,600円、女性は0.6%増の247,500円~『平成30年賃金構造基本統計調査』(厚生労働省)
厚生労働省では、このほど「平成30年賃金構造基本統計調査」の結果を取りまとめましたので公表します。
「賃金構造基本統計調査」は、全国の主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにすることを目的として、毎年6月分の賃金等について7月に調査を実施しています。
今回公表する内容は、全国及び都道府県別の賃金について、調査客体として抽出された78,203事業所のうち有効回答を得た56,651事業所から、10人以上の常用労働者を雇用する民間事業所(49,399事業所)について集計したものです。
なお、当調査では、長年にわたり、統計法に基づき総務大臣が承認した調査計画と異なる取り扱いをしておりました。国民の皆様、統計に関わる皆様にご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。詳しくは、平成31年1月28日の公表資料に掲載しています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03423.html)
本事案に関連し、1月30日の統計委員会では、「十分な情報提供があれば、結果数値はおおむねの妥当性を確認できる可能性は高い」との指摘がなされており、一定の留保がついていることにご留意ください。また、本事案については総務省行政評価局による調査が行われ、その調査・検証結果は3月8日に「賃金構造基本統計調査に関する緊急報告」として公表されています。(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/107317_180521_00003.html)
厚生労働省としては、緊急報告の指摘も踏まえ、毎月勤労統計をめぐる事案と併せて、国民視点に立って、統計に対する姿勢を根本から正し、再発防止を徹底してまいります。
また、平成31年調査の適正な実施に向け、調査計画の変更申請を行ったところであり、現在、統計委員会においてご審議いただいております。
<調査結果のポイント>
※平成30年調査から、労働者の定義を変更しています。詳細は、別添概況35ページをご参照ください。
1.一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の賃金(月額) (注)
(1)男女計の賃金は306,200円(前年比0.6%増)、男性では337,600円(同0.6%増)、女性では247,500円(同0.6%増)となっている。これは、人手不足等を背景に、男女ともに運輸業,郵便業、建設業、宿泊業,飲食サービス業、女性では製造業、医療,福祉等で、年齢別には25歳未満の若年層や55~64歳の高齢層で賃金の伸びが大きくなっていること、男女ともに勤続年数が伸びていることなどが要因と考えられる。
(2)正社員・正職員は323,900円(前年比0.7%増)と増加しているのに対し、正社員・正職員以外は209,400円(同0.7%減)と減少している。この要因としては、所定内実労働時間数の減少のほか、正社員・正職員以外の中で比較的賃金の高い層が正規雇用化又は高齢者層では短時間労働者に移行、若しくは引退したためと推察される。
2.短時間労働者の賃金(1時間当たり) (注)
男女計1,128円(前年比2.9%増)、男性1,189円(同3.0%増)、女性1,105円(同2.9%増)となっている。
これは、人手不足を背景に、運輸業,郵便業、宿泊業,飲食サービス業等での賃金の伸びが大きくなっていることなどが要因と考えられる。
(注)6月分として支払われた所定内給与額の平均値(1は月額、2は時間額)。
※1 総務大臣が承認した調査計画とは異なるが、調査方法は郵送調査を基本としている。
※2 また、総務大臣が承認した調査計画とは異なるが、調査範囲からバー,キャバレー,ナイトクラブを除外している。
<問い合わせ先>
政策統括官付参事官付賃金福祉統計室
室長 中原 慎一
室長補佐 山口 美春
賃金第一係
(電話代表) 03(5253)1111 (内線 7656、7634)
(直通電話) 03(3595)3147
(FAX) 03(3502)2797
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ /3月29日発表・報道発表より転載)