保育士不足 働き方の改善で就労推進を
共働き世帯の増加などにより、保育所不足は恒常的な問題になっている。同時に、保育の質を支える保育士の待遇にも注目が集まっている。
東京都を中心に認可保育所などを運営するグローバルキッズは、働く人に選ばれる職場づくりを目指し、短時間勤務制度の内容を変更した。未就学児を育てる社員に限っていた制度の対象者を、小学校卒業前の子どもを育てる社員まで拡大。さらに、勤務時間を実働6時間、6時間30分、7時間、7時間30分の四つから選択できるようにした。始業と終業時間も個別に協議して決める。この制度は、要介護状態の家族がいる社員も利用できる。
野村総合研究所が全国の保育士資格を持つ女性7,210人を対象に就労状況や就労意向を尋ねた調査(2018年10月発表)によると、保育士資格を持っているが保育士として働いていない潜在保育士が回答者の67.1%を占め、その過半数(56.1%)は働いていなかった。このうち、60.5%が「今後保育士として働いてみたい」と答えている。また、保育所で働くうえで最も重要視する項目として、保育士への就労意欲がある非就労の潜在保育士の64.9%が「金銭的報酬(給与・賞与や手当など)が高いこと」以外を挙げている。このうち、54.2%が「勤務時間や勤務日など希望に合った働き方で働き始められること」を最も重視していた。
2019年10月に保育・幼児教育が無償化されることから、保育需要はさらに増えるとも言われている。新たな保育士を確保するためには、報酬だけでなく、働き方にも目を向ける必要があるだろう。
(『日本の人事部』編集部)