目指せ、肥満症撲滅 企業で進む多様な取り組み
今月7日、日本肥満学会をはじめとする医学系23学会は、「神戸宣言2018」を採択。肥満症の撲滅に向けて、各分野の連携を進めると発表した。「肥満症」とは、BMI25以上の肥満状態であることに加え、それに関連した病気を引きおこしているなどの理由で、治療を必要とする状態のこと。
肥満症になり、状態が悪化すれば、仕事の能率低下や就業が困難な状態にも陥りかねない。こうした状態の従業員を減らすため、肥満対策を行う企業も増えている。
日本航空株式会社では、「脱!メタボ塾課外授業」として、BMI25.0以上の社員を対象にダイエット施策を実施。ダイエット食品を使った食事の置き換えの推奨や、管理栄養士によるメールでのアドバイスを行っている。参加者は、平均3.7kgの減量に成功しているという。また、ロート製薬株式会社では「Wellness Challenge(通称:ウェルチャレ)」として、部署ごとに健康を競う取り組みを実施。参加する従業員のデータを開示し、競争意識を高めることで、健康を意識する雰囲気を醸成した。参加者の中には、体重11.5キログラム・体脂肪7.7パーセント減に成功した従業員もいたという。
人手不足が深刻化する中、従業員に健康な状態で長期間働いてもらうことは、企業にとって重要な課題だ。肥満状態にある従業員を減らすための取り組みは、ますます多くの企業で進むだろう。
(『日本の人事部』編集部)