シニア人材活用 鍵は定年延長後の待遇
今月5日、政府は「未来投資会議」を開き、継続雇用年齢を65歳以上に引き上げる法改革を検討した(日本経済新聞より)。現在、企業には希望者を65歳まで雇用することが義務付けられているが、少子高齢化が進む中で、これまで以上のシニア人材の活用を目指す狙いだ。
シニア社員の働くモチベーションを左右するのが、60歳以降の給与や役職などの待遇だ。『日本の人事部 人事白書2018』の調査によると、定年延長した従業員の仕事が「定年前と変わらない」と回答した企業は61.4%。一方で、賃金が11%以上下がると回答した企業は約69%、31%以上下がると回答した企業は26.5%にのぼった。同じ仕事をしているにもかかわらず、大きく賃金が下がれば、仕事への意欲や会社へのエンゲージメントの低下にもつながるだろう。
レンゴー株式会社では、2019年4月に65歳定年を導入。60歳以降も給与・賞与などの処遇は59歳以前と変わらない対応とし、一律的な役職定年も設けない方針を示した。同社では、「生涯現役」を労使共通のスローガンに、各人が持てる能力を最大限に発揮できる環境づくりを目指すという。
今後はシニア人材の活用がさらに進むと予測されるが、その力を十分に発揮してもらうためにも、どのように待遇するのかをしっかりと考えることが企業には求められそうだ。
(『日本の人事部』編集部)