日系企業の社長の総直接報酬水準の中央値は8,853万円。役員の総直接報酬は上昇傾向にあるが、依然諸外国より低い水準~『役員報酬サーベイ-MERCER EXECUTIVE REMUNERATION GUIDES 2017』:マーサージャパン
世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社は、日本における役員報酬に関する市場調査「Mercer Executive Remuneration Guides (以下MERG) 」の2017年版レポートを発表した。
マーサージャパン組織・人事変革コンサルティング部門の亀長尚尋は、 「『コーポレートガバナンス・コード』が、2015年の施行以降、初めて改訂されたほか、『投資家と企業の対話ガイドライン』が定められるなど、持続的な企業価値の向上にむけた改革が進んでいる。本サーベイにおいても多くの企業に参加頂いており、政府の方針や市場の動向に対する関心の高さを表していると考えられる」と述べている。
実際に、政府や関連機関の出す指針への対応に取り組んでいる企業も多い。例えば、2017年に経済産業省が策定した『CGSガイドライン』における、相談役・顧問に就任している者の人数、役割、処遇等について、外部に情報を発信するといった取り組みを積極的に行うことを期待する、といった提言を受け、多くの企業が相談役・顧問制度の改廃や課題整理対応に追われたことは記憶に新しい。
同部門の栄立土志は、「企業にとっては、これまで検討してきたことのない未知の領域・テーマについて、毎年取り組まねばならない状況が続いている。自社のガバナンスの実質性の深化に向け、もう一段踏み込んだ取り組みの検討・実行が必要であり、市場のプラクティスや他社事例などは、その際の一助となる。役員報酬サーベイでは、報酬データだけでなく、ガバナンスに関する企業の対応状況やサクセッションプラン(後継者計画)の策定・運用等、時流を踏まえて項目を毎年アップデートしているので、ぜひ活用して頂きたい」と述べている。
■調査結果ハイライト
1.参加企業数は過去最多の283社(前年比19社増加)
2.社長の総直接報酬水準(基本報酬+短期インセンティブ+中長期インセンティブ)の中央値は8,853万円
3.報酬決定ポリシー「あり」と回答した企業が約50%、うち多くの企業がベンチマーク
企業群における50%ileを自社の報酬水準のターゲットとして設定
4.日系企業は「役位」を基準に報酬水準を決定する傾向
5.日系企業の中長期インセンティブ導入率が約60%にまで到達。日系参加企業の約40%が譲渡制限付株式報酬を導入し、かつ21%の企業が譲渡制限付株式報酬の「導入を検討中」と回答
6.日系参加企業における任意設置の諮問委員会(報酬・指名)の設置状況は、報酬委員会が58%、指名委員会は48%となっており、一般的になりつつある
7.日系企業では、約40%がサクセッションプランを導入済み、約30%が導入を検討
8.約60%の日系企業が相談役・顧問制度を設置している一方、そのうちの約30%は廃止もしくは今後の方向性を検討中である
■マーサー役員報酬サーベイ(MERG)について
・ヨーロッパで500社以上の参加企業を持つ20年以上の実績のある役員報酬サーベイであり、日本では2013年から調査を開始
・役員報酬に必要なデータ(基本報酬・手当・短期インセンティブ・中長期インセンティブほか)を網羅的に提供
・本調査はグローバル統一基準で設定されている調査項目に加え、日本独自の質問項目(任意の諮問委員会の設置状況、中長期インセンティブの動向、サクセッションプランの実施状況等)も設け、グローバル多国籍企業の報酬マネジメント、日本特有の役位等いずれにも対応
・役位ベースでの比較に加えて、職務(CEO, CFOなど)や、役割の大きさを反映したグローバル共通のジョブザイズ(PC: Position Class)を用いた比較も可能
<本件に関するお問い合わせ>
マーサージャパン株式会社
広報
Tel: 03 6775 6639 E-mail: pr.japan@mercer.com
組織・人事変革コンサルティング部門 役員報酬プラクティス
Tel: 03 6775 6511 E-mail:hcas.japan@mercer.com
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マーサージャパン株式会社 https://www.mercer.co.jp/ /7月5日発表・同社プレスリリースより転載)