大企業89.4%、中小企業85.6%が賃上げ 「モチベーションアップ」「従業員の引き留め」を期待
人材不足が続く中で、賃上げを行う企業の動きが活発化している。
東京商工リサーチが発表した調査によると、2018年度に賃上げを予定している中小企業(資本金1億円未満)は85.6%、大企業は89.4%にのぼることが分かった。賃上げによって期待する効果としては、1位が「従業員のモチベーションアップ(69.5 %)」、次いで「従業員の引き留め(20.6%)」となった。
では、「賃上げ率」はどうなっているのか。ソニーは、15年ぶりに、月給のうち基本給に当たる部分を2%引き上げる方針を明らかにした。年間一時金6.9ヵ月分も含めると、年収では約5%の賃上げになる。また、ヤマト運輸は2018春闘で月額1万1000円の賃上げ実施で合意。平均3.6%の賃上げを実施する(日本経済新聞より)。
一方、連合が発表した18年の春季労使交渉の回答集計を見ると、賃上げ率は平均2.13%にとどまっていることがわかる。前年同時期の調査に比べて0.08ポイント上昇したものの、安倍政権の目指す3%の賃上げには及ばない。今後、企業の人材獲得競争が一層激化する中で、賃上げの動きはどこまで進むのか、動向が注目される。
(『日本の人事部』編集部)