2015年度における我が国のポストドクター等の延べ人数は前回調査より微減の15,910人~『ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2015年度実績)速報版』(文部科学省)
文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課及び科学技術・学術 政策研究所(所長:加藤重治) は、若手研究者を取り巻く課題を分析し、今後の研究人材の育成や支援に関する今後の施策の検討に資することを目的として、我が国の大学・公的研究機関を対象に2015年度におけるポストドクター等※の雇用及び進路に関する調査を実施しました。今回の調査では、日本国内の大学・公的研究機関1,168機関において研究に従事しているポストドクター等の総数、性別、年齢構成、国籍、分野、雇用財源、進路状況等について明らかにしました。
●本調査は、2015年度における各機関のポストドクター等の雇用状況について、2016年度に調査したものです。調査の対象となった1,168機関のうち、2017年6月末までに回答のあった機関は1,147機関(統廃合等により対象外となった11機関を除く)で、調査票の回収率は99.1%でした。また、2015年度においてポストドクター等が1人以上在籍していると回答した機関は1,147機関中305機関で、全体の26.6%でした。
●2015年度における我が国のポストドクター等の延べ人数は15,910人で、前回調査(2012年度)の16,170人から微減となっています。
●男女比率(いずれも戸籍上の性別)は、男性が約7割、女性が約3割(男性11,306人(71.1%)、女性4,602人(28.9%)、不明2人(0.0%))で、平均年齢は36.3歳(男性36.0歳、女性37.0歳)でした。
●ポストドクター等の国籍は、日本国籍の者が11,465人(72.1%)、外国籍の者が4,445人(27.9%)でした。外国籍のポストドクター等は、中国・韓国・インドなどアジア系の国籍を有する者が多く、約7割を占めています。
●ポストドクター等の分野は、理学が最も多く5,812人(36.5%)、次いで工学3,526人(22.2% )、保健2,571人(16.2% )、農学1,382人(8.7% )、人文1,229人(7.7%)、社会714人(4.5%)となっています。
●雇用財源については、競争的資金により雇用されているポストドクター等が4,057人(25.5%)、競争的資金以外の外部資金による雇用が1,853人(11.7%)、基盤的経費等の自主財源による雇用が5,195人(32.7%)となっています。
●ポストドクター等の前職は、ポストドクター等であった者が5,282人(33.2%)、博士課程学生が4,644人(29.2%)であり、博士課程学生であった者については、自機関の出身者が他機関を上回っています。
●2015年度にポストドクター等であった者の2016年4月1日における就業状況は、ポストドクター等を継続している者が11,130人(70.0%)、ポストドクター等から大学教員やその他の研究開発職等に職種変更した者が3,031人(19.1%)、不詳・死亡等が1,742人(11.0%)となっています。
●今回の調査では、2015年度における我が国のポストドクター等の雇用・進路の現状に関する基本分析を実施しました。前回の調査は、月単位の人数を調査していましたが、今回の調査より、年間の「延べ人数」での調査となりました。それに伴い、過去の調査における報告データとの比較が困難な場合があります。
●ポストドクターについては、我が国の研究活動の活性化に資する原動力となっている一方、ポストドクター後のキャリアパスが不透明で雇用が不安定な状況にあり、自立的に研究を行う環境も十分に整備されていないことが課題であると指摘されています。今後、若手研究者を取り巻く課題を明らかにし、研究人材の育成や支援に関する施策の検討に資するため、より詳細な分析を行う予定です(最終版(2017年12月頃公開予定)では数値が多少変更される可能性があります)。
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(文部科学省 http://www.mext.go.jp// 8月8日発表・報道発表より転載)