調達を活用したワーク・ライフ・バランス等推進事例も紹介~『民間企業における調達を活用したワーク・ライフ・バランス等推進の加速に関する調査研究報告書』(内閣府男女共同参画局)
内閣府男女共同参画局は、4月19日、『民間企業における調達を活用したワーク・ライフ・バランス等推進の加速に関する調査研究報告書』を公表しました。
<民間企業における調達を活用したワーク・ライフ・バランス等推進の加速に関する調査研究報告書―民間調達におけるワーク・ライフ・バランス等評価の導入手法―>(一部抜粋)
【趣旨】
本調査研究においては、民間企業の調達におけるワーク・ライフ・バランス等推進の取組の加速を図ることを目的として、有識者からなる企画委員会を設け、CSR調達などに取り組む企業・業界団体等へのアンケート調査とともに、先進的な取組を行っている企業・業界団体に対するヒアリング調査を実施した。さらに、持続可能な調達に関する国際的な動向についても調査を行い、これらの調査結果について、企画委員会で3回にわたり調査審議を進め、本報告において、持続可能な調達の国際的な動向、民間企業における調達・CSR調達の状況、調達におけるワーク・ライフ・バランス等を評価することの課題や導入方策の方向性等を取りまとめた。
【報告概要】
民間企業の調達におけるワーク・ライフ・バランス等の評価の現状と課題(第3章)
(1)民間企業の調達におけるワーク・ライフ・バランス等の評価の現状
調達基準の策定やCSR調達を行っている企業は、アンケート回答企業126社のうち80社。この80社について、取引先企業に求める項目は、大きく3グループに分かれ、品質、価格、納期、技術力、環境、法令遵守などはほとんどの企業が求めており、次に、人権・労働慣行、児童労働・強制労働・非人道的な扱い・差別の排除などを半数強の企業が求めており、長時間労働の抑制やワーク・ライフ・バランスに関する項目を求める企業はまだ少ない状況にあり、調達基準などでの取組み状況も段階的になっていることがわかる。
ワーク・ライフ・バランス等の要素を評価した効果として、「外部ステークホルダーによる自社の評価の向上」「外部評価機関による評価の改善」「社内の意識向上」「品質向上」「取引先の意識向上」「納期厳守率の向上」「リスクの明確化や低減」「取引先企業との信頼関係の構築」等が挙げられており、ワーク・ライフ・バランス等の評価についても一定の意義・効果があるものと考えられる。
(2)民間企業の調達におけるワーク・ライフ・バランス等の評価導入にあたっての課題
アンケート調査の結果、ワーク・ライフ・バランスの推進等を調達で考慮していく予定 については、回答企業 126社のうち、約5割が、「同業他社、業界団体の動向を踏まえ検討する」としており、政府の取組同様積極的に評価する企業は5%、CSR調達の一環として取り組む企業が11%、いずれ対応する予定である企業が12%、まず自社が取り組んでから対応する予定の企業が13%。
調達においてワーク・ライフ・バランス等を評価するにあたり、課題があると回答した企業は38%。
具体的には、「評価基準や評価の手法がわからない」、「事務負担が増大するおそれ」、「導入のメリットが不明」、「調達コスト増加のおそれ」、「取引先企業の選択肢が少なくなる可能性がある」という 課題が挙げられた。
ヒアリング調査の結果、自社の製品やサービスに直接影響する財・サービスの調達については技術力等により取引先企業が限られる場合や、ワーク・ライフ・バランス等に関する要請などにより関係性の悪化に対する懸念等もあり、既存の取引先企業に対しては新たにワーク・ライフ・バランス等推進を求めることは難しいという声もあった。一方で、取引先企業への要請や取得状況を調査することや、取引先企業とのえるぼし認定取得の取組事例の共有などは可能という声もあった。
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概要版[PDF形式:507KB]
調達を活用したワーク・ライフ・バランス等推進事例集
1/2[PDF形式:1.44MB]
2/2[PDF形式:1.76MB]
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(内閣府 男女共同参画局 http://www.gender.go.jp// 4月19日発表・報道発表より転載)