「幸福度ランキング」1位はノルウェー 順位アップの鍵は男性の育休取得?
国連は世界155の国と地域における幸福度をまとめた、「世界幸福度報告書2017」を発表した。幸福度のランキングではノルウェーがデンマークを抑えてトップ、日本は51位だった。幸福度を測る上で指標となったのは、一人あたりの実質国内総生産(GDP)に加え、他者への寛容さや人生を選択する自由、頼れる相手がいること、健康寿命など。
幸福ランキング上位の北欧諸国は男性の育児参加率が非常に高い傾向があり、今回1位となったノルウェーでは男性の育休取得率が90%を超えている。育休取得の大きな後押しとなったのは、1993年に導入された「パパ・クォータ制度」。夫婦に付与される育休のうち一定が父親に割り当てられ、取得しない場合には全体の育休期間が短くなったり、権利が消滅してしまったりするため、導入前には数%だった男性の取得率が飛躍的に向上した。
一方、日本の男性の育児休暇の取得は、あまり進んでいないのが実状だ。厚生労働省が2016年7月に発表した「平成27年度雇用均等基本調査」によると、育児休暇を取得した男性の割合は2.65%。平成8年度の調査開始以来最高とはいえ、未だ取得率は低いと言えるだろう。
この状況を受け、日本でも男性の育休取得促進に向けて、育児・介護休業法改正案が今年10月に施行される。改正後は企業に努力義務として、従業員に子どもが生まれることがわかった場合、個別に育休を勧めることが課される。
今回の制度改革によって男性の育休取得率が向上し、男性の育児参加が進めば、日本人の「幸福度ランキング」のアップにつながるかもしれない。今後発表されるランキングが気になるところだ。
『日本の人事部』編集部