回答者の74%が、テクノロジーによって「自分の仕事がより効率的にできるようになる」と回答。87%が、今後5年間のうちに自分の仕事の一部が自動化されるだろうと予想~『アクセンチュア最新調査』:アクセンチュア
アクセンチュア(NYSE: ACN)は、最新調査レポート「Harnessing: Revolution: Creating the Future Workforce(未来のワークフォース:人材の活用と革命)」を発表しました。本レポートは、急速にデジタル化が進む時代において、企業経営者は将来にわたって適応していけるよう、率先して社員のスキルの再学習に取り組み、変化に適応できる人材の育成が急務であるとの警鐘を鳴らしています。企業経営者は、人材を最優先かつ変化の中心に据え、未来のワークフォースを創り出していくことが求められているのです。
スキルの再学習を行うことは、企業だけでなく、そこで働く従業員や社会全体にも大きな影響を及ぼすものと捉える必要があります。リーダーシップ力、クリティカル・シンキングをはじめとする思考法や創造力などのスキルと合わせて、心の知能指数(EQ)も高めていくことで、業務の自動化が進展することよって職を失うリスクを大幅に減らすことができます。日本を含む世界10ヵ国で働く10,527人を対象とするアンケート調査および計量経済モデルによると、今後、労働者が従来までの2倍の速度で適切なスキルを習得していくことで、2025年の米国において業務の自動化が進展することによって職を失うリスクを、10%から4%に低減することが示されています。また、英国およびドイツにおいても同様のペースで適切なスキルを取得すれば、そのリスクはそれぞれ9%から6%、15%から10%に低下します。
アクセンチュアの最高人事責任者であるエリン・シュック(Ellyn Shook)は次のように述べています。「変化の時代にあっても、リーダーシップ力や創造力など、人によってのみ発揮されるスキルは今後も不可欠であることに変わりありません。これからの競争を勝ち抜いていける組織とは、テクノロジーによって人を排除する組織ではなく、テクノロジーで人材が持つ潜在力を高めることができる組織です。我々は、デジタルの進展がもたらす将来を楽観的にとらえていると同時に、自身が新たなスキルを身に付けなければならないことを理解しています。デジタルを活用して日々の学習を日常業務の中に組み込むことで、その効果を加速させることができます。また、デジタルによって学習がいわば生活の一部となり、働く人々や組織の競争力向上につながることでしょう。」
日本をはじめ、米国、フランス、ブラジル、インドなど、今回調査を行った10ヵ国ではいずれも、人々はデジタル技術が職場に与える影響について驚くほど前向きにとらえています。事実、回答者の84%はデジタルが自分の仕事に与える影響を楽観的に考えています。回答者の3分の2以上(74%)がロボットやデータ アナリティクス、人工知能(AI)といったテクノロジーによって「自分の仕事がより効率的にできるようになる」と考えており、また「新たなスキルを学ぶ」(73%)、「仕事の質を高める」(66%)ことができるようになると答えています。
回答者の87%は、今後5年間のうちに自分の仕事の一部が自動化されるだろうと予想しています。その割合はミレニアル世代が93%と最も高く、ベビーブーム世代では79%でした。この先5年間で自動化が自分の仕事に与える影響については、自動化が進むと予想した回答者のうち80%が、困難よりもチャンスが広がる可能性の方が大きいと回答しています。また、アクセンチュアの追加調査によると、人工知能の影響だけに限ってみても、2035年には、人工知能は先進12ヵ国の経済成長率を倍増させ、労働生産性を最大40%高める可能性がある結果が出ています。
さらに、今日の労働者は組織のリーダーに対して、これまでとは異なる報酬や福利厚生、サポートを求めていることが明らかになりました。アクセンチュアとギャラップ社が実施した指標調査によれば、幸福度やエンゲージメント、生活の質といった金銭以外の要素が収入や手当と同様またはそれ以上に重要視されていることが示されています。
アクセンチュア・ストラテジーのグループ・チーフエグゼクティブであるマーク・ニックレム(Mark Knickrehm)は次のように述べています。「今やすべてのCEOは未来のワークフォースを創り出す責任を負っています。人材育成を企業戦略の最優先課題として捉え、その緊急性を理解している組織のリーダーこそが、今後の成長やイノベーションの利益を享受していくでしょう。」
未来のワークフォースを形成していくにあたり、本レポートは組織のリーダーに対して次のように提言しています。
●スキル再学習の加速: 本調査では、働く人々の85%が、今後6ヵ月間に自分の時間を使って新しいスキルを学習するつもりであると回答しています。こうした現実をうまく活かし、幅広いキャリアレベルで専門スキルおよびヒューマンスキル(創造力や判断力など)に投資すべきです。デジタル技術を活用することでスキルの再学習をより効率化させることも可能です。例えばスマートグラスなどのウェアラブルデバイスを着用して、業務中にリアルタイムで技術的な助言や情報提供を可能にすることや、インテリジェント・ソフトウェアを活用してトレーニングをカスタマイズし、一人ひとりに合わせたアドバイスで生涯学習をサポートすることなどが考えられます。
●人の能力を最大限に発揮できるよう仕事を見直す:多様な仕事や柔軟な雇用形態を求める労働者の要求を満たすために、役割に応じてプロジェクトベースで仕事をする仕組みを創出すべきです。広範なリソースやサービスを提供できるようなプラットフォームを構築し、社員やフリーランスなどの雇用形態に関わらず、優れた人材をつなぎとめられるような魅力的なコミュニティを創造することが求められます。
●人材の供給源からのパイプライン強化を図る: 業界全体に広がるスキル不足の問題に対しては、組織の垣根を超えた長期的な取り組みが求められます。幅広い範囲のスキル構築に対応できるよう、官民連携による研修体制を構築することや、教育機関と協力することで人材サプライチェーンの上流で適切なスキルが身に付けられるようなカリキュラムを考案するなどの解決策が考えられます。
<調査方法>
アクセンチュアは、定量調査、定性調査を組み合わせて、「俊敏で責任あるリーダーシップ」がどのように未来のワークフォースを作り上げていくことができるのかの分析を行いました。本調査プログラムは、アンケート調査、計量経済モデル、労働者価値指標の3つを柱に構築され、補足調査として多方面にわたる二次調査ならびに大学、スタートアップ企業、大企業、政府機関などの有力な専門家に対する個別インタビューを実施しました。
アンケート調査はインターネットを通じて行われ、日本のほか、米国、ブラジル、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、イタリア、インド、トルコの計10ヵ国で、さまざまなスキルレベルや世代に渡る10,527人の労働者から回答を得ました。調査期間は2016年11月26日~12月9日です。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(アクセンチュア株式会社 http://www.accenture.com/jp /2月2日発表・同社プレスリリースより転載)