仕事への満足度(エンゲージメント・スコア)下位 75%の企業ではシニアマネジメント層の満足度に男女差:ボストンコンサルティンググループ
経営コンサルティングファームのボストンコンサルティンググループ(以下、 BCG)は、2002年以降蓄積してきた、世界各国におけるアンケート調査のデータなどを基に、従業員の意欲や仕事への満足度を測る「エンゲージメント・スコア」を男女別・階層別に分析し、レポート「 The Rewards of an Engaged Female Workforce」にまとめました。
エンゲージメント・スコア下位75%の企業では、女性シニアマネジメント層の満足度は男性より低い
全体的に、職階が上がるとともに、エンゲージメント・スコアが上昇する傾向が見られました。エンゲージメント・スコア上位 25%の企業では、スタッフ層からシニアマネジメント層に至るエンゲージメント・スコアの上昇率は男性で 5%、女性で 7%と、職階による男女の満足度・意欲レベルの上昇率や全体的な満足度に大きな差が見られませんでした。しかし、それ以外の企業 (下位 75%)では、スタッフ層からシニアマネジメント層への満足度・意欲レベルの上昇率は、男性が 12%に対し、女性では 4%と明らかな差異がありました。下位 75%企業における満足度の男女差はシニアマネジメント層で最も顕著でした。
「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」に課題
エンゲージメント・スコアの分析は、「仕事への評価」「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」「メンターシップ、スポンサーシップ、上司との強いつながり」「報酬、昇進の機会」「業務への貢献」「企業全体の目標や価値観」という七つの領域について行いました。
エンゲージメント・スコア下位75%企業の、領域別エンゲージメント・スコアのスタッフ層からシニアマネジメント層への変化率を見ると、女性従業員では「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」で満足度が低下していることが分かりました。
BCGピープル・チームのリーダーで、本レポートの共著者であるシニア・パートナーのマット・クレンツは、「組織内の人材の満足度は企業全体のパフォーマンスとも関連するため、シニアマネジメント層に見られる満足度の男女間のギャップは、大きな課題です。しかし、上位企業が示すように、このギャップは解消できるはずです。女性シニアマネジメント層に働きやすい環境を提供するためには、経営チームはこの課題を優先課題と位置付け、今目の前にある問題に取り組む必要があります」とコメントしています。本レポートでは企業がこの男女の満足度のギャップの解消に向け、どのようなことに優先的に取り組むべきか、先進企業の事例とあわせて解説しています。
■調査レポート「The Rewards of an Engaged Female Workforce」
■調査概要
BCGでは、女性が活躍できる組織づくりに継続的に取り組んでいます。今回、この取り組みの一環として、女性の採用に多くの投資を行っている企業が多い一方で、社内の女性人材、特にシニア層の女性人材に対して十分に投資をしているか、というポイントについて調査を行いました。 BCG社内の二つのデータベース―― 2002年以降蓄積してきた Engaging for Result (EFR)調査、2014年に行った Decoding Global Talent調査――に加え、ワークライフ・バランスに関しては InHerInsightのデータを使って分析しています。エンゲージメント・スコアとは、従業員の意欲や仕事に関する満足度を測る指標です。具体的には、「仕事への評価」「ワークライフ・バランス」「同僚との協力、良好な関係」「メンターシップ、スポンサーシップ、上司との強いつながり」「報酬、昇進の機会」「業務への貢献」「企業全体の目標や価値観」の七つの領域につき、自身の満足度を1(非常に不満)から5(非常に満足)までの5段階で評価するアンケート調査の分析により算出されています。
■本件に関するお問い合わせ
ボストンコンサルティンググループマーケティング 嶋津・直江
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333、Mail: press.relations@bcg.com
◆ 本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(ボストンコンサルティンググループ http://www.bcg.co.jp/ /10月28日発表・同社プレスリリースより転載)