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ニュース 掲載日:2016/10/18

2017年のアジア太平洋地域の昇給率は5.9%と予想されるも、縮小傾向が下振れを示唆~『ウイリス・タワーズワトソン昇給率調査』:ウイリス・タワーズワトソン

グローバルにアドバイザリー業務とブローカー業務、各種ソリューションを提供するリーディングカンパニー、ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)が実施した昇給率調査によると、アジア太平洋地域全体の2017年昇給率は、5.9%と今年の5.8%からわずかに上向くものの、経済成長が鈍化する中で雇用主がコスト抑制に努めていることから、実際には同地域における昇給予算への広範な下押し圧力を反映した数字になると予想されます。

2016年の昇給率は6.4%と予想されていましたが、実績値は5.8%にとどまり、2012年以降で初めて6%を下回りました。2017年も同様の傾向が続いた場合には、実質賃金は調査対象企業の予想値である5.9%を大きく下回ると見込まれます。そうなれば、3年連続で昇給予算は縮小することになります。

 

ウイリス・タワーズワトソンの2016年昇給率調査結果レポート アジア太平洋地域版では、3%という同地域の平均インフレ率を考慮した実質ベースでの2017年の予想昇給率は2.9%となり、2016年の3.5%から縮小傾向が示されています。

本調査は幅広い産業における各種従業員グループを対象としており、今後1年間の年間基本給与を予測するための指針を企業に提供することを目的としています。調査対象の産業には、テクノロジー、金融サービス、製薬・ヘルスサイエンス、化学、エネルギー・天然資源、メディア、小売、建設・エンジニアリング、運輸、消費財等が含まれます。

本調査の対象であるアジア太平洋地域の22市場のうち、2017年における実質ベースでの基本給の上昇幅が2016年よりも拡大すると見込まれるのは、スリランカ、インドネシア、中国、カンボジア、香港、台湾の6市場にとどまっています。

 

ウイリス・タワーズワトソン アジア太平洋地域 データサービス部門リーダーのSambhav Rakyanは、「アジア太平洋地域の大半で昇給予算は縮小しています。」と述べています。また、「2012年から2013年頃には、アジアの企業は多額の給与予算を計上して給与を引き上げました。しかしながら、それに見合った増収を確保できなかったため、給与の引き上げを続けられなくなったのです。そのため今では、アジア企業は非常に慎重になっています。」とも指摘しています。

「確保できる予算が縮小する中で、企業は優秀な人材を繋ぎ止めるために、予算をこれまで以上に賢明に使う必要に迫られています。業績の高い従業員に対して予算を重点的に配分すること、また、従業員がより魅力のある福利厚生など、給与以外のインセンティブをどのように享受できているかを検証することが重要です。」(Sambhav Rakyan)

 

2017年の昇給率上位国は、パキスタン(10.2%)、バングラデシュ(10%)、インド(10%)が並びますが、実質ベースの昇給率はそれぞれ5%、4.2%、4.3%にとどまる見通しです。

インフレ率を考慮しない場合には、東アジアと東南アジアで基本給の上昇率が最も大きくなるのはベトナムの9.6%で、インドネシア(9.0%)、中国(7.0%)が続きます。一方で、日本は最も低い昇給率となります(2.3%)。

香港とシンガポールは名目ベースの昇給率はいずれも4.0%と予想されますが、香港の予測インフレ率(2.3%)はシンガポール(0.8%)よりもはるかに高いため、香港の実質ベースでの昇給率(1.7%)はシンガポール(3.2%)よりも大幅に低くなる見込みです。

本調査は、予算の制約が強まる中で、企業は高いパフォーマンスを上げている従業員に対し、昇給予算を重点的に配分している様子を示しています。昇給予算の37.6%がハイパフォーマーに配分され、残りの33.7%が「平均より上」の従業員に、29.2%が「平均」の従業員に充てられていることが分かります。

 

「データは、全従業員一律の昇給よりも、ハイパフォーマーへの見返りが一層重視されていることを、はっきりと示しています。こうした差別化を行わなければ、企業は優秀な人材を引きつけたり繋ぎ止めたりすることが困難になるでしょう。セールスやデジタル分野のような需要の高い職種や産業では、その可能性が特に高くなります。雇用主はインフレ率との関係だけではなく、支払い能力や成長見通し、従業員と企業双方の業績、具体的な才能・スキルに対するニーズなど、より細かい要素も考慮しなければなりません。」(Sambhav Rakyan)

 

一方で、ウイリス・タワーズワトソン アジア太平洋地域 タレント・リワード部門のヘッドであるMaggy Fangは、「企業にとって重要なのは、昇給に関する従業員とのコミュニケーションにおいて透明性を高めることです。そうすれば、従業員はたとえ昇給の結果に満足できなくても、少なくともそのような結果となった理由は理解するでしょう。私たちの経験上、従業員は透明性の姿勢を評価すると考えられます。」と述べています。

ウイリス・タワーズワトソンは、企業は年間基本給の引き上げが、従業員に報いる方法として最良であるかを問い直す必要があると指摘しています。従業員のニーズを満たし、また貢献を反映させる上で検討に値する、より適切な代替方法があるかもしれません。

「ここにきて、年間給与の引き上げという標準的な方法以外のオプションを模索する動きが広がっています。従業員は、自らの業績がいつどのように評価されるのかを注視しており、それと同時により柔軟な福利厚生パッケージを望んでいます。したがって、企業はこれまで以上に総合的なアプローチを採用して、キャリア開発の機会や人事評価、日常的なコミュニケーション、融通の利く勤務形態といった報酬要素を全体的に考慮しなければなりません。」(Maggy Fang)

 

本調査について:
2016年昇給率調査結果レポート アジア太平洋地域版(2016 Asia Pacific Salary Budget Planning Report)は、ウイリス・タワーズワトソンのデータサービス部門が年2回実施している調査の結果です。今回の調査は、各企業が2017年の報酬計画を策定する時期に合わせて実施したもので、幅広い産業セクターと、工場などの現場労働者から役員レベルまで様々な職階の従業員の給与配分や動向と給与審査について調査しました。

今回の調査は2016年7月に実施され、アジア太平洋地域の22ヵ国・地域の企業から約4,000件の回答が寄せられました。本調査の結果レポートの最新版の購入・お問合せは、twjpdata@willistowerswatson.com までご連絡ください。

 

◆本リリースの詳細はこちらをご覧ください。
 
(ウイリス・タワーズワトソン https://www.willistowerswatson.com/ja-jp /10月17日発表・同社プレスリリースより転載)

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