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【ヨミ】アンガーマネジメント アンガーマネジメント

アンガー(anger)とは、怒りやいら立ちといった感情のこと。衝動にまかせて怒りを爆発させるのではなく、上手にコントロールして適切な問題解決やコミュニケーションに結びつけることを、「アンガーマネジメント」といいます。自分自身の怒りやイライラと向き合い、その要因や傾向を客観的に把握することで、衝動性が高まっても自分で抑制できるように習慣づけることがアンガーマネジメントでは重要です。職場の人間関係のトラブルなどを背景に、企業からの注目が高まり、社員研修などへの導入も広がっています。
(2013/10/28掲載)

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アンガーマネジメントのケーススタディ

パワハラを意識して叱れない上司が急増
怒らない努力より“適切に怒る技術”を

日本における「アンガーマネジメント」の認知度は、まだそれほど高くはありません。米・ニューヨークに本部を置く世界最大規模のアンガーマネジメントの国際団体「ナショナルアンガーマネジメント協会」の日本支部として、国内での普及・啓発やプログラム開発などに取り組む「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会」のホームページによると、怒りやイライラといった感情と向き合うアンガーマネジメントは、1970年代に米国で始まった心理教育の一種と紹介されています。アメリカではすでに広く定着し、ビジネスパーソンをはじめ、政治家や弁護士、医師、スポーツ選手、俳優など、さまざまな職業に従事する人がよりよい生活や仕事、人間関係を手に入れるために、怒りと上手に付き合う技術――アンガーマネジメントを学び、習得しているといわれます。いいかえれば、それだけストレスフルで、ともすると人々の怒りや不満が暴発しやすい社会環境にあるということかもしれません。

日本のビジネスシーンでも三井物産や大塚商会といった企業が研修に取り入れるなど、注目が集まり始めていますが、その背景にはやはり、長時間労働や行きすぎた成果主義の弊害によって働く人々のストレスが増大し、「不機嫌な職場」に代表されるような職場のコミュニケーション不全が深刻化している現状があると指摘されています。しかも最近は職場でキレやすい人が増える一方で、パワハラなどを意識し過ぎるあまり、上司が部下の言動に不満を感じても叱れない、どう叱っていいかわからないなど、怒りの感情に対して萎縮する風潮も目立ってきました。

アンガーマネジメントを学ぶ上で重要なポイントの一つは、“怒りと上手に付き合うこと”は“怒らなくなること”や“怒りを否定すること”と決して同義ではないということです。先述した協会HPでも、「怒りは人にとってごく自然な感情であり、怒ること自体はまったく問題ない」と強調しています。むしろ問題なのは、自分にとって怒るべきことと、怒らなくてもよいことの線引きができていないこと。そうした価値観の線引きを自分の中できちんと意識していれば、怒りやいら立ちを誰かのせい、何かのせいにして人やモノに当たったり、反射的に感情を爆発させたりすることなく、いったん立ち止まって、自分の怒りを主体的にコントロールすることができる――それがアンガーマネジメントの考え方です。

職場の人間関係のトラブルやハラスメントには感情がからむケースが少なくありませんが、抱え込むばかりではかえって事態を悪化させます。怒りに振り回されず、いかに適切に怒りを伝えるか。職場に真の共生と競争を実現するためにも、粘り強い取り組みが求められるでしょう。

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