エメットの法則
エメットの法則とは?
「エメットの法則」とは、仕事を先延ばしにすると、そのタスクにかかる以上の時間とエネルギーが必要になる法則のこと。経営コンサルタントのリタ・エメット氏が著書『The Procrastinator's Handbook(邦題:いま、やろうと思っていたのに…)』で提唱しました。エメットの法則は、二つの要素から構成されています。一つ目は、先延ばしにすることでさらに余計な労力がかかること。もう一つは、完璧主義が先延ばし癖を引き起こすこと。頭の中で壮大なプランを練るより、大ざっぱでもまずは着手することが先延ばしへの有効な手だてとなります。
先延ばし癖はメンタルにも悪影響!
「すぐやる人」になるためのヒント
エメットの法則は、職場や日常生活のさまざまな場面で見られます。資料作成やメールの送信、会議の設定など、すぐにやれば早く済むものをつい後回しにしてしまう。帰宅してすぐにシャワーを浴びればいいのに、一息つこうとしてソファに腰を下ろすともう立てなくなってしまう。ひとたび何かを先送りにすると、簡単には着手できなくなるものです。
先延ばし癖のデメリットは、効率性や生産性が下がること。打ち合わせをしてすぐに資料を作成すれば、記憶がフレッシュな分、素早く作業が完了します。先延ばしにすると、打ち合わせを思い出しながら資料を作成するので、効率が下がります。
先延ばし癖は、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすことも。人は完了した事柄より、未完了の事柄のほうが記憶に残りやすい性質を持っています。頭の中に未完了のタスクが残り続けることで、「これもやらなきゃ、あれもやらなきゃ」と緊張感が増加。リラックスできないばかりか、タスクの難易度をより高く感じて、着手するハードルが高くなってしまうのです。
それでも、先延ばしをやめられない――そんな人は、取り組むべきタスクをマイクロタスクに分割するのがおすすめです。1時間かかるタスクであれば、六つに分割して一つを10分のタスクにする。そして、すぐに最初のタスクに取り掛かります。実際に手を動かすことでタスクの難易度を理解できるので、仕事に着手する心理的ハードルが下がります。
エメットの法則では、完璧主義の人ほど先延ばし癖があることも示されています。品質にこだわって行動できないのは本末転倒。マイクロタスクに分解し、「完璧」よりもまずは「完了」を目指すのが「すぐやる人」への第一歩です。
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