テレプレゼンス
テレプレゼンスとは?
「テレプレゼンス」とは、遠隔地にいながら、対面で同じ空間を共有しているかのような臨場感を味わえる技術の総称のこと。「Tele(遠隔)」と「Presence(面前、存在)」からなる造語です。通常のテレビ会議と異なる点は、息遣いまでわかるような高品質な音声や、高解像度な映像と等身大サイズで映し出せるディスプレイなど、高度な技術によって、同じ空間で対面しているような感覚を演出できる点にあります。採用面接や研修、社内イベントなど、さまざまな活動がオンライン化されるなかで、より効果的にコミュニケーションを実現する技術として注目されています。
高品質な映像と音声で
心の距離を縮めるテレプレゼンス
テレワークの拡大により、採用面接をオンラインで実施することが一般的になりました。しかし、オンライン会議ツールでの面接では、従来のような対面での面接ほどの情報量はなかなか得られません。オンライン会議システム上に入室してから退出するまでの候補者の様子は見えても、対面のときのように、ノックをして席に着くまでの挙動や何気ない素振り、他の候補者との自然なやりとりは見ることができません。
オンラインでは、候補者や面接者のコミュニケーションも多少異なります。情報量に限界があるため、相手の発言に対してややオーバーにリアクションをしたり、話すスピードを落としたりするなど、私たちはコミュニケーションでカバーしています。
これを、対面の状態に近づけようとしたのがテレプレゼンスです。対面とオンラインの違いは、まず相手の大きさ。いくら大きな画面のディスプレイを使っていても、画面の小窓に映る相手は実物大よりは小さくなってしまいます。音声に関しても、パソコンから聞こえる声は相手の肉声とは程遠く、機械から聞こえている音という域を出ません。
しかし、巨大スクリーンに等身大サイズの相手が表示され、息遣いまでわかるくらいの高品質な音声だとしたらどうでしょう。円卓にスクリーンを並べ、それぞれが目線をあわせられるような機能もあれば、まさに会議室で繰り広げられているかのようなコミュニケーションが可能になりそうです。
このようにテレプレゼンスを使って臨場感を演出することによるメリットは、仕事や面接におけるコミュニケーションの情報量が増し、身近さを感じられること。雑談や意味のない会話は、相手との心理的距離を縮める最適な方法です。ツールの品質が上がれば、顔を見ただけで「最近疲れてない? しっかり休んでね」などと相手をねぎらうことができたり、リモートによる孤独感を減らせたりするかもしれません。
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