大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社
経営企画部 人事課 次長 中川隆弘さん、人事課 南 泰介さん
これから先、世界で圧倒的に伸びる市場はアジアであり、とりわけ中国、香港を中心とした中華圏経済が大きな注目を集めています。グローバルな競争環境の下、大和証券キャピタル・マーケッツが勝ち残っていくためには、アジアを中心とした中華圏でのプレゼンスの向上が必要不可欠です。同社では、本格的な戦いに備え、香港を第二本社と定め、アジアを代表する投資銀行というステータスの獲得を経営課題として取り組んでいます。現在に至るまでに、香港を中心とする海外拠点では優秀な社員を多数獲得し、グローバル展開本格化への布石を打ってきました。その上で、東京本社として取り組むべき課題として上げられたのが、語学力の向上です。言葉はコミュニケーション、ビジネスの基本です。何より、中華圏を含むアジアでビジネスを進めていくには、一定レベルの「中国語」の習得が大きなメリットにつながります。そして、多くの社員に中国語を習得させるにあたり、コスト面や場所、時間などの制約から、eラーニングが最良の選択肢だと判断し、中国語の研修を2010年4月からスタート。約200人の受講者に対して、高い学習修了率を記録するなど、大きな成果を上げることができました。本インタビューでは、株式会社WEICのeラーニングを活用した、大和証券キャピタル・マーケッツの中国語研修への取り組みを紹介していきます。
- 中川 隆弘
- 大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社
経営企画部 人事課 次長
(なかがわ・たかひろ)早稲田大学商学部を卒業後、大和証券に入社。高松支店にて個人向けセールスを経験し、2002年大和証券SMBC(現・大和証券キャピタル・マーケッツ)にて法人向けのセールスを経験。2007年より経営企画部にて、人事業務に従事。グローバル人材育成のための各種社内研修を企画するなど、アジアNo.1の投資銀行を目指す同社の人材育成に注力している。
- 南 泰介
- 大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社
経営企画部 人事課
(みなみ・たいすけ)慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、現場を重んじる経営学に興味を持ち、大和証券キャピタル・マーケッツに入社。新入社員研修後、企業提携部門においてM&A案件の実務を経験。2010年より経営企画部にて人事業務に従事し、人事データ管理とその業務効率化に取り組む傍ら、新人研修をはじめ、社内の各種研修や人材育成に注力し、現在に至る。
なぜ、中国語研修に取り組むのか?
最初に、貴社のグローバル展開の状況と、グローバル人材の育成に関する考え方についてお聞かせください。
中川: グローバル戦略に関しては、圧倒的な成長の見込まれるアジア・マーケットが次の成長エンジンと位置付けられます。そこで大きな目標として、アジアを代表する投資銀行というステータスの獲得を第一に挙げています。そのため、グローバル人材の育成が不可欠な条件となっているのです。ただし、グローバル人材といっても、何をもってグローバル人材というのか、いろいろな定義があります。
当社では社員がグローバルに活躍するためには、「語学の習得」は必須条件であると考えており、実際英語に関しては、社員の英語力は上昇していると感じています。特に、ここ数年の新卒採用者のTOIECの平均点は800点台です。
しかし、今後最も成長が期待される経済圏は中華圏を含むアジアであり、そこで仕事を進めていく上では、中国語の習得が大きなメリットにつながることは言うまでもありません。「英語プラスもう1ヵ国語を話せないと、激化するアジア市場での競争に勝ち残ることはできない」と言っても過言ではありません。これが、中国語の研修を始めた大きな理由です。
グローバル人材を育成していくに当たり、語学力が重要な要素と感じました。
中川: 仕事をする上で、言葉は非常に重要です。グローバルに展開していく中、仕事だけを考えれば、英語のみで事足りる部分はあります。ただ、香港や中国で仕事をする場合、実務レベルでの仕事は英語でもいいのですが、例えばお客様との会食などにおいても、中国語を使う機会が出てきます。そうした際に、簡単な内容は中国語で直接コミュニケーションを取ることができれば、相手の受け取る印象が大きく違ってきます。「郷に入れば郷に従え」ということわざもありますが、本当に現地の文化や慣習になじみ、信頼を得るには、現地の言葉の理解が必要です。
実際、当社も第二本社を香港と位置づけている以上、多くの社員が自己紹介を中心とした基本的なことは中国語でできた方がいいと考えています。
南: 人事としては、ビジネスで支障のないレベルの英語力を期待しています。しかし、中国語では、同様のレベルは、今は求めていません。中国語検定で言えば、4級から3級相当、簡単な会話が中国語で出来るレベルと考えています。ビジネスの中心は英語なので、当然英語を習得しなくてはなりません。現在、中国語はプラスアルファとしての位置づけですが、今後、中国が世界的な超大国になることを考えれば、それなりのレベルが必要となってくると考えています。
中川: アジアのマーケットに対して、当社は本気でビジネスを展開しています。事実、海外拠点にて1,000億円の資本増強を行い、1,000人の社員を雇用しています。そこに加えて東京本社の社員における中国語の語学力向上は、より強力にアジアビジネスへの展開を後押しにするのではないでしょうか。
なるほど。言葉が話せるということは、相当の意味を持つわけですね。
中川: これからは、仕事はできるけれど語学ができない人、あるいは語学はできるけれど仕事ができない人のどちらかでは、必ずしもグローバル人材としての理想的な状態とは言えません。その両方が備わってこそ、真のグローバル人材として活躍できるのではないでしょうか。その語学が、英語プラス(アジアであれば)中国語ということになってきたわけです。
eラーニングを活用した理由とその成果
中国語の習得は、どのようなステップで行ってこられたのですか。
中川: 平成19年の上期、まずは集合研修でスタートしました。人数は40人ほどで、対面での研修です。その後、しばらくは行われず、再開したのが平成22年のWEIC社のeラーニング、超速中国語です。その間、実施しなかったのは、英語の研修に力を入れていたからです。グローバル展開を強く謳ったからには、まずは英語能力のボトムアップが必要でした。そしてある程度、英語人材の土台ができてきたので、中国語の研修を再開したというわけです。
なぜ、eラーニングを利用されたのですか。
中川: 実は、以前行った集合研修が必ずしもうまくいったわけではなかったからです。1クラス20人で進めましたが、それだけの人数がいると話す機会は少ないし、1人の先生で20人の生徒は見きれません。何より、週に1回2時間しかないので、効率が良くありませんでした。それでもしばらくは続けたのですが、個人が自分の都合のよい時間に自分のペースで学べるeラーニングの良いコンテンツがあればと思い、調べていました。そんなときに、たまたまWEICから連絡をもらったのです。WEICが対象とするのは、ゼロスタートの人たち。まさに、当社が受講させたいと考える人たちと合致していました。
南: eラーニングというのは、やりっ放しややらせっ放し、というケースが多いように思うのですが、WEICでは月に2回、メールマガジンを送ってくださる、フォローをしっかりと行うなど、何とか最後まで受講してもらおうとするサポート体制が充実していました。
WEICに決めた理由には、どのような点があったのでしょうか。
南:WEICの『超速中国語シリーズ』は、全くのゼロレベルからでも活用することができ、大手メーカーの赴任者研修や選抜型研修で既に実績がありました。また、1人あたりのコストもリーズナブルであったため、導入を決めました。
実際にスタートしてみると、WEICの中国語eラーニングは、単なるシステムを販売するだけではなく、学習者への進捗確認、面白いメルマガ、学習フォローアップなど、学習修了までのしっかりしたサポートがついているサービスであるところがよかったと思います。
中川: とにかく、学習者を飽きさせず、「修了しよう」と思わせるような内容になっています。発音にしても、自分で実際に問題に答えて、各課のテストに合格しないと終わらないカリキュラムです。何より内容が、学習者目線で、楽しみながら学習することができます。良い意味で、遊びの感覚があり、ゼロレベルでも「学びやすい」という印象を持ちました。
WEICのeラーニングの特徴について教えてください。
南:WEICの提供するコンテンツ『65時間超速中国語』は、中国語を全く知らない人が最短65時間で、中国語検定4級に受かるくらいのレベルまで、引き上げる内容となっています。受講期間は4ヵ月。この間、人事は進捗状況の遅い人に対して連絡するなど、フォローを行いました。
修了できない人もいましたが、それはごく少数でした。(eラーニングを含め)自主学習型の研修では、修了率が3割から5割が一般的だと聞いていますから、当社の場合は高い修了率であったものと評価しています。
中川: このような成果が出たのも、経営トップが中国語を学ぶことの必要性を、ポイント、ポイントで口にしているからです。また、受講の申込みは、総合職以外にも職制に関係なく多くの人からありました。
100%修了が望ましいけれど、今回の高い修了率は合格点として評価できると思っています。ただ、WEICの「65時間超速中国語」のプログラムでは当初4ヵ月だった受講期間が、日々の仕事に忙しく時間がなかなか取れないなどの実務上の問題から、5ヵ月へと受講期間を伸ばしたことも、関係しているかもしれません(笑)
今回、集合研修は全くお考えにならなかったのですね。
中川: ある程度上のレベルに行けば、またやってもいいと考えています。例えば、中国語検定で2級の人を1級にもっていく。あるいは、中国の拠点にマネジメント層を送る際、自己紹介ができるだけでなく、もう一歩踏み込んで、ビジネスレベルで会話ができるなど。そういうレベルの人材を育成するには、対面での研修もいいのではないでしょうか。
現在は、そこまでの人材とするよりは、多くの人材が最低限のレベルの中国語を話せるような組織へと持っていきたいと考えています。ですから、しばらくの間はeラーニングが最適だと思っています。
実際のところ、中国語が必要となるのは、どのくらいの割合なのですか。
南: 正直なところ、中国語が必要となる人数を目標として明確に定めているわけではありませんが、多くの社員が最低限のコミュニケーションを中国語でとることができれば、当社のビジネスにとって大きくプラスに働きます。受講者は第1回目が約200人、次が約100人です。そのうち、第1回目から継続している人が65人ほどいます。全体として2~3割の社員が研修を受講しており、これも、中国語を学ぶことに対する、社内での意識の高まりがあるからです。
受講者からの反応
受講者からは、どのような反応がありましたか。
中川: 全くできなかった人が、4ヵ月で果たして話せるようになるのかと、疑問に思っていた人もいたようです。しかし、実際にある程度話せるように上達したことで、とても驚いたという声が多かったですね。私のところにも、「中国語検定4級に受かった」というメールが、何通か来ています。
南: ある程度中国語ができる人には、簡単な内容だったかもしれません。最初、ゼロレベルでの研修から200人がスタートしたわけですが、その研修を修了した中の65人は、昨年12月から初中級レベル『超速ビジネス中国語STEP』のeラーニング研修を4ヵ月の日程で行っています。レベルとしては、中国語検定の3級から4級の間くらいです。
WEICのコースでは、ゼロレベルからの『65時間超速中国語』の後に、上級レベル(初中級、中級)の超速ビジネス中国語(STEP、JUMP)があるなど、体系的に整備されており、この点が良かったと思っています。また、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」でも、当社のeラーニングによる中国語研修の内容の一部が紹介されました。
大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社 矢島裕介氏
会社がアジア・中国ビジネスを本格化する方針を打ち出したということもあり、今後の自分のキャリアには英語だけでなく、中国語も必須になると考え『65時間超速中国語』を受講しました。
仕事が忙しく、語学学校に通うことが難しいので、場所と時間を問わず自分のペースで学習できるeラーニング講座は最適でした。私の場合は、主に平日夜と週末の時間に学習をしました。中国語に関しては、全くのゼロレベルだったので、始めはなかなか単語が覚えられず、文章を打ち込む練習で苦戦しました。しかし、全20課の半分くらいまで進んだ頃には、学習した単語やフレーズが自然に頭に入るようになりました。受講期間中に、特別復習をしたというわけではないのですが、学習した単語が先の課でもバランスよく出てくるので、気がついたら覚えていたのだと思います。その後は文章入力もスムーズになり、中国語力の伸びを実感し、楽しんで学習することができました。
学習期間中に送られてくるサポートメルマガでは、中国の現地で流れるニュースや動画が紹介されていたのですが、途中からはその内容も聞き取れるようになり、それは中国語の伸びを最も実感できた瞬間です。さらに、メルマガで自分が受講しているコースに合わせて、理想の進捗が随時送られてくるのも、ゴールするまでの学習ペースの目安になって良かったです。
WEICの65時間超速中国語は、中国語が身についていることが実感でき、本当に便利で楽しいeラーニングなので、超速ビジネス中国語のコースもぜひ学習したいですね。