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意欲の高い人材を社会全体で育てるために何をすべきか? 成長と安定の新しい雇用の形、無期雇用派遣サービス「ミラエール」の可能性【後編】

[前編を読む]

人手不足が一段と顕著になっている現在、派遣スタッフに対する産業界の期待には大きなものがあります(前編参照)。そうした中、派遣スタッフの雇用を安定させ、キャリアアップを図るために、株式会社スタッフサービスでは、事務職の無期雇用派遣サービス「ミラエール」を提供しています。「ミラエール」が立ち上がった背景と社会的な意義、今後の展開とは。「前編」に引き続き、スタッフサービス執行役員の平井真さん、日本大学准教授の安藤至大さんに、語り合っていただきました。

プロフィール
井 真さん(ひらい・まこと)
井 真さん(ひらい・まこと)
株式会社スタッフサービス 執行役員 東京オフィス事業本部 本部長

2002年、スタッフサービスに入社。事務職派遣の営業職を経たのち、技術者派遣のオフィス長を7年間務める。2013年、技術者派遣領域のユニット長として近畿エリア全体を統括し、2015年4月事務職派遣部門の東京事業本部長に就任、現在にいたる。

安藤 至大さん(あんどう・むねとも)
安藤 至大さん(あんどう・むねとも)
日本大学総合科学研究所 准教授

1976年東京生まれ。1998年法政大学経済学部卒業。2004年東京大学博士(経済学)。政策研究大学院助教授などを経て、現在は日本大学総合科学研究所准教授。専門は、契約理論、労働経済学、法と経済学。規制改革会議(2007~2010年)、雇用仲介事業等の在り方に関する検討会(2015年~2016年)などの委員を務める。新聞・雑誌への寄稿(日本経済新聞「経済教室」欄など)のほか、著書には『ミクロ経済学の第一歩』(有斐閣・2013年)『これだけは知っておきたい働き方の教科書』(ちくま新書・2015年)がある。また、NHK(Eテレ)の経済学番組「オイコノミア」やBSジャパン「日経FTサタデー9」の講師として活躍するなど、雇用問題に関する分かりやすい解説には定評がある。

育成型の派遣を目指し、事務職に無期雇用派遣サービスを導入

無期雇用派遣サービス「ミラエール」を開発した経緯をお聞かせください。

平井:「ミラエール」の一番の特徴は、スタッフサービスが無期雇用し派遣をしているという点。だからこそ長期的に派遣スタッフのキャリアに伴走ができ、そのスキームがしっかりとセットされていることです。これまで事務職の無期雇用派遣という形式は、大手の派遣会社でもほとんどありませんでした。当社では2014年に立ち上げましたが、派遣スタッフ、派遣先企業からご好評をいただいています。

そもそもの発端は、ポテンシャル(意欲・コミュニケーション力)があっても「事務の経験がないと、事務職に就くことができない」といった若年層の雇用課題を受け、それを何とか解決する方法がないかと考えたことです。当社では技術者派遣事業が急成長しています。未経験の人材を当社が常用型派遣社員として採用し、派遣先企業にも伴走していただきながら、協力して育成・評価を行い、技術職としての戦力化を図っています。このスキームを応用できないかと考えました。また、派遣という雇用形態に対するネガティブなイメージの払拭。この二つの課題についての解決策を考え、導き出したのが無期雇用派遣「ミラエール」です。

 具体的には、どのようなものでしょうか。

平井:当社が無期で雇用した※「ミラエール」社員を、企業に派遣するシステムです。「ミラエール」社員は当社に無期雇用されている人材なので、派遣先との契約期間が終了した後も雇用が保障されます。直近のデータでは、「ミラエール」社員は全国で約2600人、平均年齢は26歳。前職は「販売・サービス業」が57%と最も多くなっています。

20代の女性は結婚・出産を意識しますが、販売・サービス業はシフト制で土日に出勤することがあり、連休もなかなか取りづらいのが実情です。体力や、仕事とプライベートの両立の限界などを感じ、「このまま今の仕事を続けてもいいのか」と考え始めるのが、20代半ばから後半の時期。そうした女性が事務職へとキャリアチェンジしたいと考えても、経験がなければなかなか受け入れ先がありません。そのニーズに対応するのが「ミラエール」というわけです。20代女性をメインターゲットとし、事務職の経験のない人たちのキャリア支援をセットしたうえで、事務職として派遣します。

 事務職未経験の人をいきなり派遣するのではなく、一定のトレーニングを行った後で派遣する、ということですね。

平井:はい。「ミラエール」社員は中途採用者と同じような位置づけでも、当社が数週間かけ、徹底して研修を行います。事務職未経験者には、コピー機の扱い方からビジネスメール、敬語の使い方など、基本的なビジネスマナー研修を行い、研修担当が細かくチェックします。さらに、excel、wordといったOA研修やマナー講座なども積極的に提供しています。

また当社はもちろんですが、職場でも一緒に育てていくことの大切さを理解していただいた企業様に派遣しているのが、一つのポイントと言えます。当社が派遣する人材には事務職の経験がありませんが、適性検査や本人との面談を行う中でポテンシャルの高い人材であることを明確にし、派遣先企業にコミットしています。

その際、「最初は職場でスキル面の育成も必要ですが、業務と適性マッチングをしたうえでご紹介をするので1年後にはスキル・モチベーションともに向上しています」と伝え、人材育成の価値に賛同していただける企業様に対して、派遣するという仕組みです。

安藤:お話を聞いて、高卒者の就職活動と似ているように感じました。大卒者の就職活動は個人ベースで行われますが、高卒者の場合は基本的に1社推薦。学校の就職支援担当の先生と面談したうえで、一つの会社に推薦され、内定が出れば入社が決定します。学校の先生が生徒に寄り添い、本人に合う仕事に就けるようサポートするわけですが、就職後のキャリアについても伴走することが多いようです。「ミラエール」のように自分を育てる道筋を立ててくれるのは、働く側としては非常に有難い仕組みです。

リーマンショックの後、派遣切りがあったこともあり、派遣という働き方は非常に不安定なものだという考え方が広まりました。しかし、未経験の事務職希望の人たちが「ミラエール」によって安定した仕事に就けるのであれば、多くの方が応募されるのではないでしょうか。さらにそこで、ポテンシャルのある人材を事前にスクリーニングし、教育・研修なども行ってから送りだすわけですから、派遣先企業にとっても人材不足や採用難を解消するための有効な手段の一つだと言えます。

平井:実際、ご利用いただいている企業に満足度をうかがってみたところ、93%が「満足」と回答されています。その中で、一番満足している項目は「定着」です。非常に高い評価をいただいており、リピーターも多い状況です。

安藤:「ミラエール」のような働き方は、私が考える「新しい安定」の一つの姿だと思います。かつて安定した仕事といえば、「大企業に正社員で入社して、定年まで保障される」といった類のものでした。ところが現在は、大企業であっても一気に経営が傾き、長期雇用を維持するのがなかなか難しい。このような時代には、「もし今の仕事が無くなった時に、どうするか」ということを、誰もが考えなくてはなりません。例えば「会社を変わる」「同じ会社でも仕事内容を変える」など、さまざまな労働移動が起きるでしょう。それでも「収入が下がらない、途切れない」ことを実現できるのは、これからの安定の一つとして望ましい姿だと思います。

 「ミラエール」社員の処遇は、どのようになっているのでしょうか。

平井:「ミラエール」社員は基本給がベースにあり、その上に「職務給」が適用され、クラス制を用いています。このような処遇体系は技術職の派遣では当たり前なのですが、事務職の女性では珍しいものです。正直、クラスアップする制度がどれだけフィットするのか、最初の頃は心配でしたが、実際には肯定的に捉える人が大勢いました。クラスアップについては、企業の評価と本人の自己評価をセットし、最後は雇用主である当社が評価を行い、給与に反映させます。また、派遣先企業に直接雇用されることに対しても支援しています。約2600人の「ミラエール」社員がいますが、2年半の間で、約100人が直接雇用にいたっています。

「ミラエール」社員にはキャリアカウンセラーが付き、評価をする過程の中で、これからの人生(キャリア)をどうするのか、といったカウンセリングを行います。「ミラエール」社員のまま事務職のスキルを高めていきたいという人もいれば、派遣先企業の社員として働きたいという人もいます。「ミラエール」社員の意向を引き出したり、時には適切なアドバイスをしたりとキャリアに伴走し、派遣先企業に交渉できるのも「ミラエール」の特徴です。目の前の業務だけではなく、3年後どうなりたいのか、そのためにいまなにが必要なのかを、一緒になって考えます。「ミラエール」という仕組みを“踏み台”として活用し、本人たちの望む将来になるよう支援していきたいと考えています。

安藤:これは理想的な姿ですね。「ミラエール」社員として活躍し、本人の望む形で卒業していく。つまり、この就業スタイルを活用すれば、自分の意図するキャリアパスが続いていくことが見えてきます。これは働く側にとって良いだけでなく、派遣元企業にとっても悪くない仕組みです。なぜなら「ミラエール」社員が自身のキャリア形成に成功すると、また新たに優秀な人材が「ミラエール」社員で働こうとする、まさに好循環が生まれます。

平井:成長意欲が高く、動機付けされた人たちを派遣していますから、派遣先企業からの評価も非常に高いですね。たとえば、年金関係の書類を作成しているセクションに「ミラエール」社員を派遣したとき、本人はそれまで年金関係の事務処理は全く経験がなかったのですが、仕事をしていくうちに業界に対して強い関心を持つようになりました。そこで、関連する資格を取るための支援を行ったところ、無事資格を取得し、派遣先企業からも高い評価を得て、2年後には直接雇用となりました。このように「ミラエール」という就業スタイルは仕事の枠を超え、「もっと学びたい」「吸収したい」という向上心も醸成するものであり、本人と派遣先企業がともに満足できるものとなっています。

安藤:「ミラエール」の就業スタイルは、マッチングの手法として非常に有用であり、新たな可能性を感じます。これまで派遣と言うと、採用などを含む人事労務管理の外注手法であって、契約期間が終われば簡単に終了することができる、あるいは総人件費にかかるコストを抑えることができる、という見方が主流でした。確かにそうしたメリットもありますが、「ミラエール」に象徴される無期雇用派遣という働き方は、従来の派遣の活用方法のように、総人件費を抑えつつ労働者の成長を促すことができるため、より「良い」人材を戦力化できる新しい採用手段だと言えます。

平井:「ミラエール」社員の派遣には、採用を代替している部分と、研修を担っている部分があると思います。一般的に、企業は新卒社員には手厚く研修を行いますが、中途採用者に対してはOJTを中心とした教育が中心です。しかし、「ミラエール」社員には徹底して研修を行うほか、業務の棚卸をして現状となりたい姿を可視化するなど、定期的にキャリア面談を行っています。

安藤:新卒社員をゼロの段階から育てるのには、コストも時間も多くかかります。「ミラエール」のように、その間をつなぐようなサービスがあれば便利ですね。基礎的な教育訓練を終えているけれど、仕事は派遣先で働きながら覚える。このような人たちが、いろいろな場所で活躍できるようになると、より「ミラエール」の認知も高まっていくのではないでしょうか。

平井:実は「ミラエール」社員一人に対して、担当が二人付くことを基本スタイルとしています。一人は先ほど紹介したキャリアカウンセラーで、もう一人は営業担当です。営業担当は派遣先企業と交渉する役割、キャリアカウンセラーは本人のキャリアパスに伴走する役割です。最近の若者は「さとり世代」などと言われ、バブル経済崩壊後に生まれて不況しか知らずに育ってきたためか、高望みをせず安定志向という特徴があります。上司に言いたいことを言えず、自分の中に悩みを抱え込み、ある日突然辞めてしまうことが少なくありません。このような若者に、キャリアカウンセラーと営業担当が付くことにより“クッション材”の役割を果たしています。

安藤:大切なのは双方にとって、納得感のある関係を作り出すことができるかどうか。そのために、エージェントが間に入ってくれるのは、非常に大事なことです。直接雇用されている社員の場合でいうと間に入るという機能は労働組合にあたるかと思います。その機能をこれまで担ってきた労働組合の組織率が近年、大きく下がってきているという話もありますが。企業と労働者側が団体交渉する際に、一対一で行うのは物理的に難しい。そこで、労働組合がその役割を代行してきたという長い歴史がありました。無期雇用派遣である「ミラエール」社員に二人の担当が付き、いろいろなチャネルを使って、悩みを聴いたり、待遇改善や条件交渉を代行したりするというのは、派遣社員にとっての労働組合のような存在でもあるのかもしれません。

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「ミラエール」に期待される、大企業の「人事部」としての機能

 今後、「ミラエール」という派遣の新しい就業スタイルを、どのように展開していこうとお考えでしょうか。

平井:企業にとっての採用代替としての役割、先生がおっしゃるような労働組合のように交渉する機能の一部を担うこと、そして個人がキャリアを形成するうえでの支援機能となること、こうした部分をもっと充実させていきたいと考えています。

安藤:無期雇用派遣に関していろいろとお話をうかがって、私は大企業の「人事部」のようだと思いました。大企業ではなぜ雇用が安定するのかというと、大企業にはいろいろな部署があり、いろいろな仕事があるから。仮にどこかの部署での業績が落ちてきたら、業績の良い部署に人を異動させます。人事部が新卒者を大量に採用し、景気の動向や経営戦略を見ながら、配置転換を行い、適材適所を実現することで、大企業の正社員は雇用が安定しているのです。ただしその裏返しとして、働き方の自由度が低く、長時間労働となる場合もありますが、結果的に雇用の安定を得ることができます。

これに対して、世の中の大多数を占める中小・零細企業で働く人が、雇用の安定を得ようと思ったら、一つの会社に留まるのではなく、会社をまたがって移動せざるを得ません。そうした時に、経営がしっかりした派遣元企業に無期で雇用してもらうことのメリットは非常に大きいと思います。この仕組みなら、大企業の人事部のように途切れることなく仕事とマッチさせて、適材適所を実現させる機能を果たすポテンシャルがあると思います。

「しっかりした派遣元企業に無期で雇用されることが安定雇用の一つのカタチである」といった評価を働く人に持ってもらうことが、派遣業界にとって非常に重要だと思います。そのためには、長期的に仕事・キャリアが途切れない、待遇が向上する、能力・スキルが身に付く、といった無期雇用派遣のポジティブなメッセージをいかに効果的に打ち出していくかが重要なポイントとなるでしょう。

平井:「ミラエール」社員の場合、出産・育児休業の取得者も多くなってきました。ワークライフバランスの観点からも、非常に働きやすい、また働き続けることのできる就業スタイルだと思います。

安藤:無期雇用で安定しているからこそ、心配なく出産・育児休業が取得できる、ということですね。自分の生活やキャリアに対しての配慮とサポートがあることによって、働く側も会社に対してロイヤリティを持つようになり、その結果、モチベーション高く仕事に取り組むようになる。まさに、会社と労働者双方にとって、Win-Winの良い関係につながる取り組みとなることが期待されます。会社と個人の良い関係が築きにくくなっている近年、「ミラエール」は社会的にも非常に大きな意義のあることだと思います。

※「ミラエール」社員・・・「ミラエール」で就業中の派遣社員の通称
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