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パートが定着する上司、定着しない上司

アイデム人と仕事研究所 研究員

古橋孝美

ホメる上司は信頼される

また、上司への信頼感は、上司から「褒められているかどうか」でも異なります。上司に信頼感を「持っている」パート・アルバイトの割合は、「上司から褒められたことがない」パート・アルバイトでは45.1%なのに対し、「上司から褒められたことがある」パート・アルバイトでは74.1%と、1.6倍も高くなっていました。

人間誰しも、“認められたい”という承認欲求があります。自身の働きぶりを“見ていてくれた”“認められた”という思いは、ただ単に嬉しいという自己満足の気持ちだけではなく、それをしてくれた人間―上司に対しても、信頼感を呼び起こすもののようです。

■図4:「職場の上司への信頼感」と「上司から褒められたことの有無」との関係
図4:「職場の上司への信頼感」と「上司から褒められたことの有無」との関係

ここまではパート・アルバイトの意識についてまとめましたが、実際にパート・アルバイトとの信頼感の醸成や、褒めることに取り組んでいる企業の実感値はどうでしょうか。企業側の調査結果を見ても、パート・アルバイトから「信頼されている」と自認する企業では、パート・アルバイトが「定着している」企業割合が86.2%に上り、「信頼されていない」企業の74.0%よりも12.2ポイント高くなっていました。また、パート・アルバイトを「褒めている方だ」と自認する企業でも、パート・アルバイトが「定着している」とする企業割合が86.4%と、「褒めていない方だ」とする企業の76.6%よりも約10ポイント高くなっています。

これらの結果からは、パート・アルバイトとの“信頼感の醸成”や“褒めは、定着に一定の効果があることがうかがえます。

■図5:「パート・アルバイトに信頼されているか」と「定着度合」の関係
図5:「パート・アルバイトに信頼されているか」と「定着度合」の関係
■図6:「パート・アルバイトを褒めているか」と「定着度合」の関係
図6:「パート・アルバイトを褒めているか」と「定着度合」の関係

パート・アルバイトが定着するためには、最低限の労働条件のマッチングはもちろんですが、職場環境を左右する“上司”も重要な要素です。職場のコミュニケーションを良好にし、パート・アルバイトとの信頼を育み、働きぶりを褒めてモチベーションを上げる……、どれも上司の働きかけが不可欠なものです。パート・アルバイトの定着を図るためにも、あらためて上司のチカラを見つめてみてはいかがでしょうか。

<パート戦力化に関する取材記事は、人と仕事研究所WEBサイトで検索・閲覧できます>
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アイデム人と仕事研究所は、求人媒体を発行する株式会社アイデムの研究部門です。アイデムは1970年に創業して以来、「人材採用」の側面から、企業経営のサポートをしてまいりました。そうした活動のなかで人と仕事研究所は、「採用後の人材を活かし、企業力を高めていただく」ための、各種情報・サービスの提供を行い続けてきています。 パート・アルバイトの活用を目的に調査・分析を行う「パートタイマー白書」や、人事マネジメントの成功事例記事、募集時賃金を集計し、その動向を伝える各種レポートなど。いずれの情報・サービスも、求人媒体事業を通じ、大手企業とは異なる“中小企業の「人」に関する課題”をつかむアイデムならではの、実践的な内容を旨としています。
詳細はこちらをご覧ください→アイデム人と仕事研究所

●文/古橋孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動。「パートタイマー白書」、新卒採用・就職活動に関する調査等のアンケート調査を担当。雇用の現状や今後の課題について調査を進めている。2015年出産に伴い休職、2016年復職。

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