JILPT、『壮年非正規雇用労働者の仕事と生活に関する研究報告』
~就職氷河期から「20年後」の政策課題~
バブル経済の崩壊により就職氷河期が到来し、若年非正規雇用労働者の増加が大きな社会問題となりました。しかし、それから約 20年が経ち、その時期に学校を卒業した人は、いまや 40歳前後となっています。そして実際に、もはや若年とは呼べない、 35~44歳層(壮年)の非正規雇用労働者が増加しています。このような背景のもと、労働政策研究・研修機構(JILPT)では、 2012年度より「壮年非正規労働者の働き方と意識に関する研究」に取り組み、彼らの仕事と生活についての実証研究を進めています。
今般、一連の研究における 4冊目の報告書を刊行しました。この資料では、国民各層における政策論議の活性化に寄与することを目的とし、これらの報告書に基づいて研究の背景と目的、研究の経過、これまでの研究成果、政策含意の要点を紹介します。
[ポイント]
●壮年(35~44歳)非正規雇用労働者数は、2014年時点で149万人。(有配偶女性を除く)
●壮年非正規雇用労働者には、若年(25~34歳)非正規雇用労働者と比べ、不本意な理由で非正規雇用に就いている者、相対的に生活水準が低い者が多い。(有配偶女性を除く)
●壮年非正規雇用労働者の半数程度は、20歳代前半~半ばには正規雇用で働いていた。
●正規雇用で働いた経験がある非正規雇用労働者の場合には、職業資格の取得が正規雇用への(再)転換確率を高める。ハローワークの利用も正規雇用への転換に有効。
◆ 本調査の詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(独立行政法人労働政策研究・研修機構 http://www.jil.go.jp/ /10月13日発表・同機構プレスリリースより転載)