ミレニアル世代の女性は、どの世代よりも自信にあふれ意欲が高い
PwCの最新調査結果が、女性と仕事に関するこれまでの通説を払拭
PwCでは2015年3月8日(日)の「国際女性デー(International Women's Day)」に合わせ、世界75カ国のミレニアル世代(1980年から1995年の間に生まれた世代)の女性8,756名を対象に、仕事観とキャリアに関する調査を実施しました。
●最も魅力を感じる企業の特長として、昇進の機会がトップに
●入社間もないミレニアル世代の女性の49%が、現在の職場で自らがトップレベルまで昇進できると想定
●ミレニアル世代の女性の86%が共働き、そのうち66%の収入がパートナーや配偶者と同等またはそれ以上
●しかし、ほぼ半数が、社内の昇進機会において企業は男性偏重であると回答
●また71%が、機会は全員に均等に与えられていないと回答
本調査報告書「ミレニアル世代の女性: 新たな時代の人材 (The female millennial: A new era of talent)」によると、ミレニアル世代の女性は現在の職場でトップレベルまで昇進できると考えており、入社間もない女性では特にその傾向が強いことが明らかになりました(49%)。
ミレニアル世代の女性が魅力を感じる企業の特長として一番に挙げたのは昇進の機会(53%)で、この世代の女性は、その上の世代よりもキャリアに自信があり、意欲的です。
自らのキャリアに自信があると回答したミレニアル世代の女性の割合は、ブラジル(76%)、インド(76%)、ポルトガル(68%)で高く、それと対照をなすのが日本(11%)、カザフスタン(18%)、ドイツ(19%)です。
配偶者やパートナーを有するミレニアル世代の女性の86%が共働きで、そのうち42%が配偶者やパートナーと同等の収入を得ています。また、約4分の1(24%)が主たる稼ぎ手として家計を支えています。
ダイバーシティに関しては、ミレニアル世代の女性の86%がダイバーシティ&インクルージョンと機会均等において実績のある企業を求めていますが、71%の女性が企業はダイバーシティをうたってはいるものの、実際には機会は均等に与えられていないと感じています。
さらに、ミレニアル世代の女性の43%が、社内の昇進に関して企業は男性偏重であると感じており、2011年の調査から14%増えています。
企業が男性偏重であると考えるミレニアル世代の女性の割合は、スペイン(60%)、フランス(58%)、アイルランド(56%)で高く、マレーシア(16%)、フィリピン(11%)では低くなっています。
プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナル会長のデニス・M・ナリー(Dennis M. Nally)は、次のように述べています。「本調査から、ミレニアル世代の女性は新たな時代の人材であることが明らかになりました。これまでのどの世代よりも高学歴で就労人口も多いという特徴があります。しかし、違いはそれだけではありません。キャリアに関してこれまでとは異なる考え方をもった労働力であるといえます」
ミレニアル世代に属する就労年数12年の34歳の女性と、仕事を始めたばかりの22歳の女性では 経験に大きな差があるため、本報告書では就労年数3年以下のキャリアスターター(career starter)、4~8年のキャリアディベロッパー(career developer)、9年以上のキャリアエスタブリッシャー(career establisher)に分けて、その考え方や願望を調査しました。
PwC Global Diversityのリーダーであるアグネス・フシェール(Agnès Hussherr)は、次のように述べています。「収入を得る力や形態という意味で、ミレニアル世代の女性は間違いなく先駆的であるといえます。共稼ぎのうち、パートナーや配偶者と同等またはそれ以上の収入を得ている女性は66%を占めます。女性側が職務経験を積んでいるほど、主たる稼ぎ手として家計を支える傾向が高く、勤務経験9年以上の場合には31%が主たる稼ぎ手となっている一方、3年以下では18%、4~8年では24%であることが調査から明らかになりました」
さらに、「この調査結果は、女性が家庭をもつために退職するといったような、一部の誤った通説も払拭するものです。ミレニアル世代の女性が退職した一番の理由は家庭をもつためではなく、昇進の機会が与えられなかったことでした。企業は、この世代の女性がキャリアを歩みだす1日目から、その自信と意欲が生かされるようなインクルーシブ(受容的)な組織文化と人材戦略に取り組む必要があります」との見解を示しました。
本報告書のその他の要点は以下の通りです。
・ミレニアル世代は組織文化に前例のないような変化を起こすと思われる。ワーク・ライフ・バランスと柔軟性を求める声は男女とも非常に高く97%に上る。
・ミレニアル世代の女性は、将来を意識した内容の濃いフィードバックをリアルタイムで求め、重要なフィードバックについては、テクノロジーに精通しているにもかかわらず対面で行われることを好む。
・女性が国際経験を求める傾向はかつてなく強まっており、71%がいずれかの時点で海外勤務を希望している。しかし、実際に海外赴任している女性の割合は20%にすぎない。
・ミレニアル世代の女性は、業界のイメージと評判を理由に金融サービス、防衛、石油・ガス業界を避ける傾向がある。
・退職すると仮定して、考えうる理由を尋ねたところ、家庭をもつことや家庭での時間を大切にすることを理由に挙げたミレニアル世代の女性は19%、男性は18%で、男女共に退職理由としては6番目であった。
PwCでは3回目となる「働く女性インデックス(Women in Work Index)」もあわせて発表しています。このインデックスはOECD加盟27カ国の女性の経済的エンパワーメントを示す5つの主要指数―男性同等の賃金水準、職場での女性の割合(絶対値および対男性比)、女性の失業率、正規雇用者に占める女性の割合―を総合的に測定し、ランキングしたものです。
※本プレスリリースは、2015年3月4日にPwCが発表したプレスリリースの翻訳です。英語の原文と翻訳内容に齟齬がある場合には原文が優先します。
The female millennial: A new era of talent[English][PDF 1,482KB]
International Women's Day 2015[English]
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(PwC Japan http://www.pwc.com/jp/ja/ /3月12日発表・同社プレスリリースより転載)