矢野経済研究所、クラウドソーシングサービス市場に関する調査結果 2014
~クラウドソーシング事業者の競争は激化するも市場の成長は続く~
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のクラウドソーシングサービス市場の調査を実施した。
1. 調査期間:2014年4月~7月
2. 調査対象:クラウドソーシング事業者
3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・E メールによる取材、ならびに文献調査を併用
<クラウドソーシングサービスとは>
クラウドソーシングサービスとは、インターネットを介在として、業務委託側である企業や団体等が、業務受託側である不特定多数の登録ワーカーに業務を委託することができるサービスをさす。
<クラウドソーシングサービス流通金額とは>
本調査では、クラウドソーシング(システム)上において、企業や団体等から依頼された仕事の金額総額(成約に至らなかった仕事の金額も含む)を、クラウドソーシングサービス流通金額規模として算出した。
【調査結果サマリー】
◆2013年度のクラウドソーシングサービス流通金額規模は、前年度比101.7%増の215億円
2012年度のクラウドソーシングサービス流通金額規模は前年度比140.5%増と高い伸びを示した。それは、東日本大震災以降、在宅ワークやテレワークへの需要が高まり、クラウドソーシングサービスを試験的に利用する企業が増加したためである。2013年度はクラウドソーシング事業者による積極的なPRの効果もあって、クラウドソーシングサービスの認知度がさらに高まり、クラウドソーシング事業者が顧客と登録ワーカーの双方を集めやすい環境が整った。そのため、事業を順調に拡大できたクラウドソーシング事業者が多く、2013年度のクラウドソーシングサービス流通金額規模は、前年度比101.7%増の215億円(仕事依頼金額ベース)となった。
◆2018年度のクラウドソーシングサービス流通金額規模は、1,820億円に達すると予測
2014年度にはクラウドソーシングサービスの業界団体である一般社団法人クラウドソーシング協会が設立され、業界全体で認知度向上や利用促進への取り組みが進むため、クラウドソーシングサービス事業を進めやすい環境がさらに整うと見込む。2015年度以降は、クラウドソーシング事業者各社の大手企業向けサービスの開発や協会の認知活動により、大手企業によるクラウドソーシングサービスの利用が進み、市場は引き続き高い伸びを示していくと予測する。一方、参入企業数の増加により、価格競争が厳しくなり、また、顧客や登録ワーカーを増やすことのできないクラウドソーシング事業者が出てくる可能性もある。
このように、市場には成長阻害要因もあるものの、全体的には拡大基調にある。クラウドソーシングサービス流通金額規模は、小規模ながらも高いペースでの成長が続き、2012年度から2018年度までの年平均成長率(CAGR)は60.5%で推移し、2018年度のクラウドソーシングサービス流通金額規模は、1,820億円(仕事依頼金額ベース)に達すると予測する。
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社矢野経済研究所 http://www.yano.co.jp/ /7月14日発表・同社プレスリリースより転載)