財団法人労務行政研究所、ビジネスパーソンの冬のボーナス予想
民間調査機関の労務行政研究所 ジンジュール編集部では、ビジネスパーソンの冬のボーナス予想に関する調査結果をまとめました。
- 冬のボーナスが「支給される」と予定する人は68%
- 昨冬と比べ支給額が「変わらない」と予想する人は45%
- 予想支給額は「30万〜50万円未満」が34%
■ 冬のボーナスの支給予想
民間調査機関の(財)労務行政研究所(東京都港区、矢田敏雄・理事長)ジンジュール編集部では、このほど「ビジネスパーソンのお金と節約術についてのアンケート」を実施し、ビジネスパーソンの今年の冬のボーナスの支給予想についてまとめた。
冬のボーナス支給のシーズンが近づいてきたが、ビジネスパーソンにボーナスの支給の予定について聞いたところ、「支給される」67.8%、「支給されない」17.3%、「わからない」14.9%となった。支給される人が多数だが、「支給されない」と「わからない」人の合計が約3割を占めている。上場企業を中心に業績の改善が見込まれているが、ビジネスパーソンのボーナスへ反映されるタイミングは先になりそうだ[図表1]。
さらに、「支給される」と回答した人(309人)に対して、昨年の冬のボーナスとの増減を予想してもらったところ、全体の44.7%が「変わらない」と回答。「増える」とした人は13.6%にとどまった。逆に「減る」と回答した人は32.7%で、「増える」人の2.4倍に上っている。
日本経団連が発表した「2010年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」(第1回集計結果)によると、平均妥結額は77万6949円で昨年の冬に比べ3.76%増と、初回集計としては3年ぶりに増加に転じたが、個々のビジネスパーソンの実感としてはボーナスが増える人は少数派といえる。
■ ボーナスの予想支給額
ボーナスが「支給される」と回答した人に、実際にいくらぐらい支給されそうか予想額を聞いたところ、最も多かったのが「30万〜50万円未満」で34.0%を占めた。以下、「50万〜70万円未満」16.8%、「10万〜30万円未満」15.5%となっている[図表2]。
3人に1人が「30万〜50万円未満」に集中しており、全体の傾向をみると約2人に1人(54.7%)は50万円未満となっている。
ちなみに、男女で年代別に予想支給額をみたのが[図表3]である。男性の50代を除き、男女ともに最も集中しているのが「30万〜50万円未満」であることが分かる。男性の場合は、年代が上がるほど予想支給額が高いほうにシフトしているが、女性の場合は、各年代とも70万円未満に集中している。
そんな中、この冬のボーナスで小遣い(自分で自由に使えるお金)が確保できそうと予想している人は、全体で56.0%と過半数を占めている[図表4]。
男女別にみると、「確保できそう」という割合は、女性66.9%に対して、男性は47.7%と19.2ポイントの差が開いており、女性のほうがボーナスを消費や自己投資に回す人が多いことを裏付けている。
■ ボーナスの使い途
ボーナスが「支給される」と回答した人に、その使い途(複数回答)を尋ねたところ、 全体でみると、最も多かったのは「預貯金」で73.1%となった。以下「生活費の補てん」34.6%、「ローンや借金の返済」23.3%、「国内旅行・レジャー」21.0%、「家電製品」15.9%、「洋服・靴」14.9%と続く[図表5]。商品やサービスを購入するよりは、将来に向けた備えや生活のための補てんや返済に充てる人が多いことがうかがえる。
男女別にみると使い途の傾向が異なる。男女の差を項目別にみると、男性に比べて女性のほうが割合が高い項目(図表5の女性の赤い棒グラフ)は、「洋服・靴」「美容代」「バッグ・カバン」「国内旅行・レジャー」「海外旅行・レジャー」「外食費」などとなっており、女性はファッション、旅行、食事への志向が高いことが分かる。
逆に、男性は、「ローンや借金の返済」「生活費の補てん」「家電製品」「株式や証券、投資信託などで資産運用」などの項目が女性よりも高くなっている(図表5の男性の青い棒グラフ)。男性の場合は、“一家の大黒柱”として、ボーナスは“使う”よりも“貯める・返す”ほうのウエートが高い。男女でみると、生活スタイルの違いや好みの差が反映された結果になっている。
財団法人労務行政研究所 https://www.rosei.or.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・11月22日