産労総合研究所、「介護人材Q&A」アンケート調査
介護施設(特養・老健)における人事・労務管理の課題を探る
〜人事考課・給与・定着・年休取得の現状と課題
少子高齢社会の進展や世帯の変化、生活の多様化などにより、介護ニーズも多様化、高度化している。これらのニーズに対応する介護人材の質と量の充実が求められている。しかし、介護現場では “一時の人を募集しても応募がない”という状況は緩和されているものの、依然として必要とする人材の離職率は高いと聞く。このような中、介護施設の皆さまに人事労務管理に関するお考えをアンケート調査により伺い、その内容を分析して今後のより良い介護現場の方向性を考えることとした。なお、本調査の各項目について、社会保険労務士の矢崎哲也氏と小澤薫氏に解説とコメントをお願いした。
【 調査結果の概要 】
設問項目 | 回答の概要 | ||
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回答のあった特養、老健のうち約6割が人事考課制度を実施している。 |
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「他施設と比べて賃金水準が適切かどうかを知りたい」と約6割が回答している。 |
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「管理職やリーダーを育成するための教育研修ができていない」と約6割が感じている。 |
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「定着率はよく、特に問題となっていない」と4割が回答している。 |
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「申請どおり取得させており、特に問題と思うことはない」と6割が回答している。 |
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「非正規職員をすでに有効に活用しているので、特に問題はない」と約6割が回答。 |
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「法令の基準どおりに運営できており、特に問題と思うことはない」と約6割が回答。 |
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「ほかに優先すべき業務が多く、じっくりと取り組む余裕がない」と5割前後が回答。 |
回答のあった特養、老健のうち約6割が人事考課制度を実施している。
「他施設と比べて賃金水準が適切かどうかを知りたい」と約6割が回答している。
「管理職やリーダーを育成するための教育研修ができていない」と約6割が感じている。
「定着率はよく、特に問題となっていない」と4割が回答している。
「申請どおり取得させており、特に問題と思うことはない」と6割が回答している。
「非正規職員をすでに有効に活用しているので、特に問題はない」と約6割が回答。
「法令の基準どおりに運営できており、特に問題と思うことはない」と約6割が回答。
「ほかに優先すべき業務が多く、じっくりと取り組む余裕がない」と5割前後が回答。
● 解説&コメント 矢崎経営人事コンサルティング事務所 矢崎哲也氏:設問1〜4担当
株式会社ヒューマン・プライム 小澤 薫氏:設問5〜8担当
調査要領 調査対象: 本誌読者から任意抽出した特養・老健1,300施設
調査時期: 2010年7月20日〜8月10日
調査方法: 郵送によるアンケート方式
集計方法: 集計締め切りまでに回答のあった369施設(回答率28.4%)
集計施設の内訳は別表1〜6のとおり
【 アンケート総括 】
回答していただいた多くの施設では、年次有給休暇の取得に育児介護休業制度の運営、非正規職員の活用については問題がない一方、リーダーの育成や人事考課制度、賃金制度については課題を持ちながらも、ほかの優先業務に押され解決に取り組む余裕がない、という全体的な姿が浮き彫りになったと思います。人材育成と職員の働きがいの向上こそが、介護事業を成功させるための必須条件であることを改めて認識したいものです。(矢崎)
介護施設においては、限られた資源の中で、いかに従業員のモチベーションをあげ、サービスの向上につなげていくかといった点に苦慮されている様子がうかがえました。今後、ますます進展が予想される少子高齢化社会にとっては、介護事業はなくてはならない分野となってくるでしょう。課題解決は容易なものばかりではありませんが、法令順守を基本に働く人にとって、やりがいを感じられ、夢が持てる職場としていくことが重要です。(小澤)
本調査は、定期刊行誌「介護人材Q&A」2010年11月号に掲載しています。
◆ 本リリースの詳細はこちらをご覧下さい。
産労総合研究所 http://www.e-sanro.net/ /同社プレスリリースより抜粋・11月11日