クイック、「企業のメンタルヘルス対策への取り組み」実態調査を実施
この度、総合人材サービスを提供するクイック(大阪市北区、和納勉・代表取締役社長)は、企業のメンタルヘルス対策への取り組みについて首都圏・関西圏の企業133社に対して実態調査を行いましたので、その結果をご報告いたします。
【 調査概要 】
調査目的: 景気後退にある中で、心の病への企業の取り組みの実態を把握するため
調査対象: 首都圏・関西圏を中心とした民間企業(アンケート調査)
調査期間: 2009年2月10日〜2009年3月13日
回答社数: 133社
実施主体: 株式会社クイック
【 考察レポート 】
昨年秋以降の金融危機による不況の影響により、企業で働くビジネスパーソンの労働環境は大きく変化し、職場での「心の病」の問題がさらに深刻化しています。業務が原因で精神障害になったとして、労働基準監督署に労災補償を請求する例は全国的にも増加し、今後さらに増加するのではないかと思われます。こうした中で、この問題に対する企業の取り組みは急務であるといわれております。
こうした背景をふまえ、企業がメンタルヘルスケアに対してどのように取り組んでいるのかを実態調査いたしました。今回の調査結果をみると、心の病による退職者や休職者の傾向は、従業員500人以上の企業では約60%が増加傾向にあると答えたのに対し、500人未満の企業では約25%という結果で、大手企業ほど深刻な問題となっていることが伺われます。
しかし、メンタルヘルスへの対策のほとんどは、カウンセリングの窓口を設置したり、ラインケアのための管理職研修や一般社員へのセルフケア研修で、企業としての最低限の施策にとどまっているという結果に。また、その対策効果については、60%が満足または概ね満足と回答している半面で、40%は不満足または不明という結果でした。こうした背景から企業の今後の関心は、「心の病」の早期発見や生産性向上などに移っていくと考えられます。
メンタルヘルス対策が、受身の姿勢から、予防対策を行い、モチベーションアップや生産性向上を目指す積極的な対策を求めるように変化してきているのではないかと予測できます。
【 調査サマリー 】
■ メンタルヘルス対策は人事・総務部門が行っているケースがほとんどだが、4社に1社はメンタルヘルス対策を行う担当部署が決まっていない。
■ メンタルヘルスへの関心が低い企業は30%で、実に70%もの企業が何らかの問題を感じている。
■ メンタルヘルス対策の主な方法は、「カウンセリングなど相談窓口の設置」「マネージャーに対する研修」「一般社員に対する研修」が上位を占めた。
■ メンタルヘルス対策の効果は、半数以上の企業が概ね満足と答えているが、成果に不満を持っていたり、効果がわからないという企業も40%にのぼる。
■ 今後の必要と思われる対策としては、
1位:メンタル不全の社員を早期発見できる
2位:従業員のモチベーションと生産性の向上
3位:メンタル不全の社員に適切な対応ができる
が上位を占めており、このあたりがカウンセリング窓口設置や管理職や一般社員への研修だけでは解決できない問題点とも言える。
■ 対策予算については、65%が不明と回答し、明確な目標や成果の見えにくさとの相関が予測される。
■ 社内コミュニケーションの活性度について課題を感じている企業は全体の17%だが、活性化していると回答した企業も20%で、人事部門のこの問題に対する関心度の低さを現しているともいえる。
■ 心の病が増加傾向に感じるという企業は、全体の約35%。規模別にみると500 人以上企業では約60%が増加傾向にあると答えたのに対し、500人未満の企業は約25%と中規模以上の企業での課題感が強い。
■ 心の病の発生が多いと思われる部署は開発設計部門が14%と最も多く、続いて営業部門(9%)、管理部門(5%)となった。しかし、32%が特定の部署に偏って発生していないと回答しており、特定の部門に多発しているとは言いにくい。
■ 復職率についても、50%以上の復職率と回答した企業が7%であるが、不明としている企業が80%もあり、復職の実態についても公表したくない企業が多いのではないかと予測される。
■ 心の病による求職者の休職期間は、6ヵ月未満が22%と最も多いが、不明と回答した企業も61%である。
※ 本リリースの詳細はこちらをご覧ください。
クイック http://919.jp /同社プレスリリースより抜粋・4月17日