毎日コミュニケーションズ
「2010年新卒採用予定および採用活動に関する企業アンケート」結果発表
就職情報サイト「マイナビ2010」を運営する毎日コミュニケーションズ<以下、マイコミ>(東京都千代田区、中川信行・社長)は、2010年新卒学生の採用予定および採用活動に関する企業アンケートの調査結果を発表しました。
本調査は、企業の新卒採用に対する意識や採用活動全体の動向を把握することを目的に、2001年(2002年新卒採用予定調査)以来、毎年実施しているものです。調査結果の概要および全体傾向の総括は以下の通りです。
■ 「2010年新卒採用予定および採用活動に関する企業アンケート」調査概要
調査名: 「2010年新卒採用予定および採用活動に関する企業アンケート」
調査方法:
1)回答用紙を郵送、Faxにて返信
2)人事担当者向け情報サイト「採用サポネット」のWebアンケートフォームから入力
調査期間: 2009年1月30日(金)〜3月6日(金)
対象: 新卒採用実績のある国内企業 8,000社
有効回答数: 1,215件
回答の内訳
(1)『上場企業 』253社:『未上場企業』962社
(2)『製造業』429社:『非製造業』786社
※ 調査結果の詳細は、採用サポネットで公開しています
■ 《採用予定者数》大学生、大学院生の各カテゴリーにおいて、「増やす」「前年並み」が前年度より減少、「減らす」が前年度より増加するなど全体的に採用人数は縮小の傾向に
2010年新卒学生の採用予定者数に関して、大学生(文系・理系)と大学院生(文系・理系)においては、昨年度(09卒)と比べ「増やす」「前年並み」と回答した割合が全てのカテゴリーで減少し、採用人数は縮小傾向を示す結果となった。しかし、この縮小傾向の中、採用意欲の非常に高かった昨年度並みに採用を維持するという企業の割合(「前年並み」と回答)は、依然各カテゴリーで最も高い数値を示しており、新卒採用については底堅さもうかがえる。
見送り(中止):2010年採用活動当初は採用予定があったが、途中で採用なしになった場合
なし:2010年卒採用では、当初から採用予定がなかった場合
■ 《新卒採用実施の理由》1位「組織の維持存続と強化(活性化)」、2位「将来の幹部候補・コア人材の確保」、3位「年齢等人員構成の適正化」
企業が新卒採用を実施する理由について聞いたところ【複数回答】、1位「組織の維持存続と強化(活性化)」(71.5%)、2位「将来の幹部候補・コア人材の確保」(61.2%)、3位「年齢等人員構成の適正化」(59.9%)と昨年度(09卒)と同様の理由が上位を占めた。上位の結果は、上場/未上場、製造/非製造のカテゴリー別でみても、すべてに共通している。
特に今年度(10卒)は、「組織の維持存続と強化(活性化)」が前年度より8.4ポイント増、「年齢等人員構成の適正化」が前年度より14.4 ポイント増と顕著な伸びを示している。企業は、採用抑制傾向ではあるものの、バブル崩壊後の新卒採用の縮小が人事面に大きなひずみを残したことの反省から、一定水準の新卒採用は継続したいという意向が反映したと推測される。なお、「経営状態の好転・既存事業の拡大」(09卒:31.9%→10卒:15.9%)は、大きく数値が下がっており、現在の景況感を反映する結果となった。
■ 《評価基準・採用方針》昨年度(09卒)と比べ、採用基準を「厳しくする」との回答割合が約3倍に大幅増。「質・量の優先度」については、「徹底して質」を重視する傾向が高まる
企業が学生を採用する際の評価基準については、昨年度(09卒)では「前年並み」が80%強と突出していたが、今年度(10卒)は、同じく「前年並み」が55.3%と1位となるも、その割合は大幅に減少しており、逆に「厳しくする」の割合が約3倍になるなど大きく伸びた(09卒:15.1%→10卒:44.6%)。上場/未上場、製造/非製造のカテゴリー別でみてみると、上場企業においては、「前年並み」(48.9%)より「厳しくする」(51.1%)が上回った。
また、「質・量の優先度」については、「徹底して質」と回答する割合が、大学院生(文系・理系)、大学生(文系・理系)ともに昨年度(09卒)よりも10ポイント前後増加している。各企業とも、限られた採用人数の中で、採用基準をより「厳しく」し、より「質の高い学生」を確保したいという意向がうかがえる結果となった。
◆ 「徹底して質」を重視
大学院(文系)47.8% 前年度より8.5ポイント増
大学院(理系)47.2% 前年度より10.2ポイント増
大学 (文系)45.1% 前年度より12.2ポイント増
大学 (理系)44.2% 前年度より13.2ポイント増
■ 《採用環境》採用活動の見通しは、「前年並み」が約半数を占めたものの、学生を「採用しやすくなる」との回答割合が採用が「厳しくなる」を上回る結果に
今調査より追加した設問「今年度(10卒)の採用環境は、昨年度(09卒)と比べてどのようになるか」に関しては、文系/理系採用ともに、「前年並み」との見方が全体のおよそ半数を占めた(文系採用46.3%、理系採用53.6%)。次いで、学生を「採用しやすくなる」(「非常に採用しやすくなる」+「採用しやすくなる」)との回答が、文系採用で35.2%、理系採用で25.1%と続き、採用が「厳しくなる」(「非常に厳しくなる」+「厳しくなる」)は、文系採用18.5%、理系採用21.3%という結果となった。
なお、「採用しやすくなる」と回答した理由としては【複数回答】、「社会的な採用手控え」が83.5%とトップで、突出している。今年度は、採用抑制に動く企業も多いことから、昨年度までの学生売り手の環境とは異なるという認識を持っているようだ。
■ 《採用活動スケジュール》企業の情報提供は例年通りスタート。その後の選考フェーズは後ろ倒し傾向となり、採用活動は早めの終了を予定。選考の短期化がすすむ
企業の採用活動スケジュールをみると、昨年度(09卒)同様、10月に採用情報の公開、12月にオープンセミナーの実施という、企業認知のための情報提供が定着しつつある。しかし今年度(10卒)は、以降の各個別企業の会社説明会やセミナーの開催、面接や筆記試験の実施、内々定出しといった選考フェーズのいずれも開始時期に後倒し傾向が見られた。これは、採用活動早期化是正への企業側の対応が影響していると思われるほか、経済環境の変化により、新卒採用に関する各企業の意思決定が後ろ倒しになったことでスケジュールに影響が出たことなどが要因として推測される。
なお、採用活動終了までの採用活動期間については、「前年並み」が60.2%でトップだが、今年度は「短期化する」との回答が昨年度の約3倍となっている(09卒:10.1%→10卒:27.6%)。これは上場/未上場、製造/非製造のすべてに共通するが、特に上場企業(09卒:9.6%→10卒:35.9%)において顕著な結果となった。
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毎日コミュニケーションズ http://www.mycom.co.jp/同社プレスリリースより抜粋・4月8日