毎日コミュニケーションズ、2010年卒対象
「大学生就職人気企業ランキング」調査結果発表
人材と出版の総合サービス企業、毎日コミュニケーションズ<マイコミ>(東京都千代田区、中川信行・社長)は、1978年以来毎年実施している「大学生就職人気企業ランキング」において、2010年卒業予定者の調査結果、文系ランキング(総合・男子・女子)と理系ランキング(総合・男子・女子)各上位100社を発表しました(有効回答数:22,077名)。
≪文系≫
総合1位:JTBグループ(2年連続)
男子1位:三菱東京UFJ銀行(3年連続)/女子1位:JTBグループ(2年連続)
≪理系≫
総合1位:ソニー(6年ぶり)
男子1位:ソニー(6年ぶり)/女子1位:資生堂(15年連続)
※ 100位までのランキングおよび詳細はこちらでご確認いただけます。
【 調査概要 】
I. 調査対象: 2010年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生
I I. 調査期間: 2008年10月1日〜2009年1月31日
I I I. 調査方法:
(1)当社発行の就職情報誌にアンケートを同封し、郵送で回収
(2)就職サイト「マイナビ2010」上の入力フォームによる回収
(3)「マイナビ就職EXPO」等、各イベント会場にてアンケートを配布・回収
■ 人気企業ランキングは5社連記方式
■ 選社理由は1社につき2項目を選択する複数回答
IV. 有効回答: 22,077名
【 全体概況 】
■ 採用市場の変化に伴い学生意識も変化。「安定」「業界上位」がランキングに影響
5年9ヵ月続いた景気拡大*1も2007年末から陰りを見せはじめ、米国のサブプライムローン問題を背景とした世界金融危機や輸出減退、円高等により2008年9月以降、国内経済は深刻な不況に突入した。劇的な経済環境の変動に追随するかたちで、2010年卒の新卒採用市場は数年続いた売手市場から大きく様相を変えつつある。
企業側は、かつてバブル経済崩壊後の新卒採用数抑制・採用停止の結果、後年、年齢構成比の歪みが生じた経験があり、加えて今後の若年労働力人口の減少を鑑み「できるかぎり採用を継続させたい」という意向を持ちつつも、全体的には採用数自体は減少傾向、または例年より採用予定人数決定時期が遅れている状況にある。
学生の意識も昨年度と比べると急激な変化がうかがえる。約9割の学生が「自分たちの就職は厳しくなるだろう」(昨年は1割強)という不安を抱え就職活動をスタートし、1人当たりのエントリー社数の増加や年内から企業セミナーに参加する割合が増加した*2。内定取り消し報道などの影響から、熱心かつ冷静に「企業を見極めよう」とする学生の動向や、企業選択のポイントにおいて安定要素の比率が高まっていることも今年の特徴と言える*3。
この様な環境下で2010年卒対象「大学生就職人気企業ランキング」は、文系トップ5が前年と変わらず、理系はトップ10全てに順位変動が起こる結果となった。
*1:内閣府 学識経験者による「景気動向指数研究会」による
*2:マイコミ学生就職モニターアンケート10月(2010卒対象)による
*3:マイコミ学生就職モニターアンケート12月(2010卒対象)による
【 文系概況 】
■ 文系総合:『JTBグループ』が2年連続トップ。2位から5位も不動の順位に
文系総合の1位から5位までのランキングは昨年と変わらず、改めて景気の好不況に左右されない上位企業群の人気の根強さが鮮明になる結果となった。総合トップ5企業の選社理由は、当社のモニターアンケート等で常に上位を保っている会社選択のポイント「業界上位」「安定している」「やりたい仕事ができそう」と合致しているほか、各企業がプラスアルファの魅力で学生の心を掴み続けていると言える。
なかでも、『JTBグループ』は2005年度(2006年卒対象)〜2009年度(2010年卒対象)の5年間で4度目の首位という堅調な人気振りを示した。常に業界のトップであり続けていることが「業界上位である」という選択肢への投票行動に反映され、加えて、地域別・事業別にグループ各社が募集を行っていることで、仕事内容がより明確に伝えられており「やりたい仕事ができそう」との選社理由にもつながっていると考えられる。男女別では、文系男子は2位(昨年3位)にランクアップし、トップ堅持の後押しをした。文系女子も2年連続トップで幅広い層に支持されていることがうかがえる*4。
2年連続文系総合2位の『資生堂』は業界上位であることに加え「企業イメージが良い」「広告宣伝がうまい」といったブランドイメージの強さが働き、3位以下を大きく得票数で引き離した*5。募集職種ごとの仕事イメージがわきやすい空運業界では、3位に『ANA(全日本空輸)』、5位に『JAL(日本航空)』がランクインし、「国際的な仕事ができる」「やりたい仕事ができそう」な企業として学生に支持された。
メガバンクで唯一順位を維持した、4位『三菱東京UFJ銀行』は「福利厚生」「給与待遇遇」といった制度面の充実度とそこから生じる「安心感」「安定感」が学生の選社理由として挙げられた*6。
*4:JTBグループ/選社理由 やりたい仕事ができそう=24.3%、業界上位である=21.1%
*5:資生堂/選社理由 業界上位である=23.0%、企業イメージが良い=15.6%、広告・宣伝がうまい=10.3%
*6:三菱東京UFJ銀行/選社理由 業界上位である=29.2%、安定している=20.5% 給与・待遇が良い=7.8%、
福利厚生制度が充実=4.8%
■ トップ100位では、サービス・鉄道・エネルギー・食品業界の躍進
そのほか、好業績の波に乗る7位『オリエンタルランド』(昨年10位)や学生に人気の旅行各社に代表されるサービス各社の伸びが目立った。100位以内に9社ランクインしているが、その全ての企業が前年より順位を上げているか維持しており、その人気を裏付けている。
同じく業界的な区分で見てみると、8位に大きくランクアップした『JR東日本(東日本旅客鉄道)』(昨年19位)に代表される鉄道およびエネルギー各社も、100位までにランクインした7社中6社が大幅に上昇している。また、10位に食い込んだ『サントリー』(昨年11位)に代表される食品各社も12社中10社が上昇と、目覚しい躍進を示している。
サービス各社は「やりたい仕事ができそう」、鉄道・エネルギーは「安定している」「社会的貢献度が高い」という理由で支持を得た。食品業界の選社理由は総じて「商品企画力がある」「やりたい仕事ができそう」に集まる傾向にある。
モニター調査でも浮上した「安定性重視」「社会貢献に対する高い意欲」「やりたい仕事を楽しく」の選社傾向が浮き彫りとなる文系総合ランキングの概況となった。
【 理系概況 】
■ ソニーが6年ぶりにトップに。トップ10全てで順位変動が起きる
理系総合では『ソニー』が6年ぶり(2003年度以来)にトップに返り咲いた*7。選社理由としては「業界上位である」が最も多く、エレクトロニクスをはじめ、エンターテイメント分野などの、学生にとって身近で強力なグループ総合ブランド力がその背景にあると推測される。また、2008年初頭に「新世代光ディスク規格競争」において統一規格となったブルーレイディスクの先導的立場だったことにも象徴されるように、自主規格に対する強いこだわりと、常に最先端の技術開発にチャレンジする社風などが、「技術力が高い」「実力主義・能力主義である」といった選社理由につながっているようだ*8。
理系総合2位には、2008年10月に社名変更をした『パナソニック』(昨年8位)が入り、6年連続トップ10入りを果たし根強い人気を呈している。「安定している」「業界上位である」「将来性がある」といった安定軸項目において全項目が平均的に高く、抜群の安定性を学生が感じ取っているようだ*9。
3位には文理男女あまねく支持基盤を持つ『資生堂』がランクイン。4位のサントリー(昨年7位)はその自由闊達といわれる社風が「社風が良い」「企業イメージが良い」「やりたい仕事ができそう」に、また好調のビール事業も「安定している」といった投票行動に一役買ったと推測される*10。
5位の『味の素』(昨年11位)は、理系男子15位(昨年28位)の順位アップが理系総合順位に大きく影響している。
*7: ソニー/理系総合順位 2003年=1位・2004年=2位・2005年=4位・2006年
=8位・2007年=20位・2008年=3位
*8: 同上/選社理由 業界上位である=25.9%、技術力が高い=19.3%、実力主義・能力主義である=3.1%
*9: パナソニック/選社理由 安定している=11.8%、業界上位である=21.7%、将来性がある=8.8%
*10:サントリー/選社理由 やりたい仕事が出来そう=13.7%、企業イメージが良い=13.5% 社風が良い=12.4%、安定している=11.9%
■ 文系と同じく鉄道・エネルギー・食品が高評価。化学・薬品メーカーも学生からの支持増
理系総合トップ100位までを俯瞰すると、文系総合と同じく、鉄道・エネルギー各社や食品各社が躍進している。理系総合独自の特徴としては、8位にランクアップした『旭化成グループ』に代表される化学業界が6社揃って前年を上回り、人気を集めた。また薬品業界も、9社中5社が上昇するなど躍進を見せている。
業界各社の平均的な選社理由として、化学業界は世界でも通用する「技術力が高い」ことが、薬品業界は「社会的貢献度が高い」ことが投票行動に反映されていることがうかがえる。
理系においても文系同様、「安定性重視」という意識が強くありつつ、自分の専門性を生かせる業界がないかどうかを模索している姿勢が見て取れる結果となった。
※ 本リリースの詳細はこちらをご覧ください。
毎日コミュニケーション http://www.mycom.co.jp/同社プレスリリースより抜粋・3月13日