ニッソーネット、「外国人介護士に関するアンケート」結果発表
福祉の人材派遣および育成を行うニッソーネット(本社:大阪市北区、東京支社:新宿区 代表取締役 山下 謹吾、以下ニッソーネット)は、2008年7月から8月にかけて、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の三大介護施設※および有料老人ホーム約3,000施設に対し、自記式アンケートによる「外国人介護士についての意識調査」を実施しました。
この度、ご回答いただいた427施設の結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。
※ 三大介護施設とは:介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設をいう。
1. アンケート実施の目的
EPA(経済連携協定)を通じたインドネシア人、フィリピン人看護師・介護士の受入れが進む中、既に日本に長期間滞在している在日外国人介護士の活用を行う施設も出てきました。当社でも既にフィリピン人を中心とした在日外国人の派遣を行っており、実績も出てきております。
今回の調査は、EPAについての関心や評価、また在日外国人介護士についての雇用状況や課題などについて把握し、今後の当社のサービス向上に活かしていくことを目的として実施しました。
2. 調査期間と方法
実施期間: 平成20年7月25日〜平成20年8月8日
調査方法: 郵送自記式法(記名任意)
調査母集団: 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の三大介護施設および有料老人ホーム
3. 配布・回収の状況
配布数: 2,898票
回収数(回収率): 427票(14.7%)
内訳/ | 特養(特別養護老人ホーム) | 196 |
� | 老健(介護老人保健施設) | 81 |
� | 療養(介護療養型医療施設) | 16 |
� | 有料(有料老人ホーム) | 134 |
【 調査結果概要 】
1. EPA(経済連携協定)について
■ 「EPAについて知っているか」という設問に対し、6割近い施設が「はい」と回答。関心が高いことがうかがえる。
■ 「インドネシアからの外国人介護士を受け入れたいか」という設問に対し「はい」という回答は1割に満たない。
■ 「フィリピンからの外国人介護士を受け入れたいか」という設問に対し「はい」という回答は1割程度に過ぎない。
■ 「EPAのどの部分に不満があるか」という設問では「受入のための金額」「三年後の介護福祉士合格の義務化」「受入施設の要件」などが上位に挙がった。
2. 在日外国人介護士について
■ 約4分の1にあたる施設が、「在日外国人介護士を雇用しているか雇用したことがある」と回答。
■ 在日外国人介護士を雇用した経験のある施設に、そのよい部分・よくない部分を問う設問では、「真面目さ」と「明るさ」を評価する施設が多い一方で、問題点として「記録業務での支障」や「職員とのコミュニケーション」を挙げる施設も多かった。
■ 「在日外国人介護士を今後雇用したいか」という設問で「はい」と回答した施設は1割に満たなかった。
■ 「在日外国人介護士を雇用する場合の課題」についての設問では「コミュニケーション」「記録業務」「習慣・文化の違い」をあげる施設が多かった。
EPAに対する関心は高いものの、外国人介護士の受入を積極的に考えている施設はまだ10%程度にとどまっており、今後「受入のための金額」「三年後の介護福祉士合格の義務化」「受入施設の要件」など、不満となっている点の改善が求められる状況となっています。
在日外国人介護士についても、既に雇用経験のある施設が25%あるにもかかわらず、今後雇用したいと答えた施設は10%に満たない状況であり、まだまだ課題が多いことがうかがえます。
しかしながら、介護現場における人材不足は深刻であり、雇用条件の改善が行われるなど抜本的な対策がとられない限り、実際には外国人介護士の活用によって需要を補うことが必須であると考えられます。また、長期間日本に滞在した外国人は文化や習慣の違いも分かっており、何より新たに海外から介護士を受け入れた際に、『教育担当』としても適任です。
現在、在日フィリピン人は首都圏を中心に18万人おり、ホームヘルパー2級修了者も1,000名を超えています。在日外国人介護士を雇用した施設の90%以上がその真面目さを、70%以上が明るさを評価していることを考えても、現場での課題解決を図っていけば、貴重な人材として活用が進むと思われます。
ニッソーネットでは、まだ在日外国人介護士を雇用したことのない75%の施設に対してその有用性をご説明していくとともに、外国人介護スタッフへの教育や、スムーズな運用のためのアドバイス等を行っていくことで、在日外国人介護士の活用を促進し、介護現場への人材供給に貢献したいと考えております。
【 ニッソーネットについて 】
株式会社ニッソーサービスの子会社として1999年に設立、介護職の人材派遣やシニア派遣を行っております。またホームヘルパーや介護福祉士など資格講座「ほっと倶楽部」も運営。スタッフの資格取得から就業までをトータルにサポートし、高齢者施設を中心に安定した人材の供給を図っております。2011年1月期には、福祉の総合人材サービスとして、売上高50億円を目指します。