キャリアブレイン、平成20年版 全国常勤医師の平均年収試算を発表
医療・介護人材サービスを全国11拠点にて展開するキャリアブレイン(東京都港区、吉岡政晴・社長)は、同社が運営する人材紹介サービスに求人登録している医療機関の求人票をもとに、平成19年版に引き続き、平成20年版 常勤医師の平均年収を試算いたしました。その結果、年収提示が1400万円〜 1599万円に集中しており、1600万円以上の高額年収の提示が減少していることが分かりました。 【 調査結果詳細 】 < 医療機関の提示する平均年収 > ■ 株式会社キャリアブレイン人材紹介サービスに求人登録する医療機関のデータをもとに算出 ■ 有効データ数: 経験5年給与 1251件・経験10年給与 1255件 経験15年給与 728件・経験20年給与 657件 ※ 県によっては、有効データが少ないものもございます ■ データ収集期間: 平成20年8月1日〜8月29日 キャリアブレインでは、人材紹介サービスに求人登録している全国の医療機関の求人票をもとに、常勤医師の年収を試算いたしました。全国平均の年収は、1461万(経験年数11.01年目)と、昨年の1459万(経験年数11.17年目)と比較し、ほとんど変化は見られませんでした。経験年数別に見ると、経験5年目:1172万円、経験10年目:1421万円、経験15年目:1557万円、経験20年目:1695万円と、同じく大きな変化はない結果となっております。 経験年数に応じて年収が高額になっている一方、経験5年の医師に対する最低額が585万円に対し、最高額が2600万円と幅広く、経験年数の浅い医師程、金額の分布範囲が大きくなっていることが分かります。また平成18年調査の際と比較し、1400〜1599万円という給与を提示している求人数が、11.58%増加し、全体の3割近くを占めております。逆に1600 万円以上の高額年収を提示している求人が6.69%減少しております。 06年度の医業収支が赤字だった病院の割合が全体の43.02%(『「病院経営の現況調査」報告』(平成19年10月 日本病院団体協議会より)にのぼり、平成20年4月の診療報酬改定で、医師が再診時に算定できる「外来管理加算」に“5分ルール”(※)が導入されたことで、約7割の中小病院が減収などの影響を受けています。(平成20年8月 神奈川県保険医協会調査)病院の収益悪化により、高額年収の提示が難しくなっていることが考えられます。 また、72.51%の病院が医師募集を行っているものの、50.28%が「採用予定数より少なかった」、25.60%が「全く採用できなかった」と回答しており、医師の採用が極めて困難であることを示しています。更に、平成16年度以降に「病床休止もしくは返還」した病院が全病院の18.67%(521病院)、「何らかの診療科を休止した」病院は全体の15.78%(439 病院)に上り、その病院数は平成18年以降に急増していることも報告されています。(『「病院経営の現況調査」報告』(平成19年10月 日本病院団体協議会より)以前は、高額年収を支払ってでも何とか診療科や病院を存続させようという医療機関が多かったものの、医師採用の厳しさから閉鎖に追い込まれる医療機関が増加したことも理由と考えられます。 都道府県別に見ると、新潟県(1605万円)が平成18年度調査時の1位、平成19年度調査時の2位に続き、再び1位となった他、昨年と比べ大幅に増額となった大分県(1587万円 昨年比51万円増額)、徳島県(1574万円 昨年比98万円増額)が2位、3位となっております。最下位は、平成18年度、平成19年度に続き、滋賀県(1313万円)となっています。 経験年数別に見ると、平均年収が最も高いのは、経験5年目、10年目では青森県、経験15年目では徳島県、経験20年目では新潟県という結果になりました。逆に、最も低いのは、経験5年目では島根県、経験10年目、15年目では滋賀県、経験20 年目では佐賀県という結果です。 地域別平均年収は、昨年に引き続き東海地方が経験5年目、10年目で最も高額となっており、経験15年目、20年目では、北海道が最も高額となっております。昨年までは、近畿、中国、四国地方の平均年収が低く東高西低の傾向がありました。今年度は近畿、中国地方の低年収に変化はありませんでしたが、徳島県の年収増により四国地方がランクアップしており、顕著な違いは見られなくなりました。全経験年数の平均年収を比較すると、最も高い北海道(1543万円)と最も低い近畿地方(1392万円)の差は151万円となっており、昨年の222 万円と比べ、差が縮小していることが分かります。 当社を利用し転職した医療・介護従事者にアンケートをとり、241名から回答を得た結果、「転職活動をする際に重視するポイント」は、全職種の合計では『給与』、医師のみでは『勤務時間』との回答が最も多くなっております。 また、「転職先選択の最終的決め手」は、どの職種も『勤務時間・休日』との回答が最も多くなっております。「低くない年収」を提示しつつ、「適正な勤務時間」「休みが取得できる職場環境」を整えていくことが、医師採用のポイントになると考えられます。 一方、当社に登録をしている医師の平均希望年収は、1654万円(平成20年4月1日〜8月29日登録)と高額になっていることから、1600万円近い金額を提示することがマッチングの条件になってくると言えます。 (参照:7月8日配信のプレスリリース http://blog.cabrain.net/press/article/id/25769.html ) ※ 外来管理加算の“5分ルール” 今年4月の診療報酬改定で、外来管理加算の算定要件として「おおむね5分を超える診察」などが加えられた。同加算(52点、1点は10円)は、診療所と20床未満の病院で、外来での再診の際、処置や検査、リハビリ、精神科療法などがなく、診察、指導、投薬のみであった場合、医師が再診料(診療所71点、病院60点)に加えて算定できる。 詳細はこちらをご覧ください。 (キャリアブレイン http://www.cabrain.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・9月5日) |