「2025年 職場の孤独実態調査」を実施
Job総研『2025年 職場の孤独実態調査』を実施
実感過去7年で最多も “気づかれない孤独”に「諦め」の声
〜「職場外でも孤独」6割 “繋がり不足”にストレスか〜
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、576人の社会人男女を対象に「2025年 職場の孤独実態調査」を実施しました。本調査は、職場で孤独を感じた経験とその場面、孤独感の実態に加え、職場の孤独感が及ぼす影響や対策について年代別・男女別・役職別に調査したものです。
【職場で感じる孤独感】
コロナ禍を境に、職場で顔をあわせる機会の減少とともに人間関係も希薄になったと考えられます。昨今では出社回帰の流れもあり、職場における対面の機会が増加する一方で、政府が“孤独や孤立に悩む人”への支援や対策を発表するなど、社会的な孤独を感じる人が存在する実態も見えています。年齢や立場だけでなく価値観の違いも多様になっていく昨今、社会人は職場でどのような孤独を感じているのでしょうか。また、職場の孤独の傾向や影響はどのようなものになっているのでしょうか。
Job総研では576人の社会人男女を対象に、職場で孤独を感じた経験とその場面、孤独感の実態に加え、職場の孤独感が及ぼす影響や対策について年代別・男女別・役職別に調査した「2025年 職場の孤独実態調査」を実施しました。
(※1)更に詳細な集計データは別紙「2025年 職場の孤独実態調査 報告書」をご参照ください
【TOPICS】
・全体の69.2%が職場で孤独を感じた「経験あり」50代・男性で顕著 コロナ禍以降「孤独感」が増加傾向
・孤独な場面は「関係の希薄さ」を感じたとき 孤独感の中身は「年齢,性別,価値観が異なる」こと
・83.0%が職場の孤独が仕事やメンタルへ「影響」 「不安,ストレスの増加」や「帰属意識の低下」に
・職場の孤独感を拭う対策は「何もしていない」 60.1%が職場以外でも孤独を「感じる」
・全体の28.9%が職場で孤立している人が「いる」と回答 孤独軽減に必要なのは「リラックスできる場所」
【職場で孤独を感じた経験】
回答者全体の576人に、職場で孤独を感じた経験を聞くと「ある派」が69.2%で、内訳は「とてもある」が18.2%、「ある」が26.2%、「どちらかといえばある」が24.8%となりました。
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人の孤独を感じた時期を見ると、コロナ禍前の2019年では19.8%だったものが、コロナ禍に入った2020年に27.1%に増加し、2022年までは27.1~31.1%とほぼ横ばい、5類移行後の2023年で36.1%に増加したものが2024年までに微増、そして2025年では67.2%と、過去7年比で最多となっただけでなく、前年比での増加率も最大となりました。
【年代別・男女別の経験有無】
職場で孤独を感じた経験が「ある派」の年代別では50代が73.8%で最多となり、次いで30代が73.1%、20代が68.3%、40代が62.1%となりました。職場で孤独を感じた経験が「ある派」の男女別では男性が72.2%、女性が64.0%となりました。
【孤独の場面】
職場で孤独を感じた経験が「ある派」の役職別では主任クラスが80.7%で最多となり、次いで課長クラスが72.1%、一般社員クラスが67.0%、部長クラス以上が64.1%、係長クラスが63.5%となりました。職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に、職場で孤独を感じた場面を聞くと「人間関係が希薄だと気づいた時」が34.8%で最多となり、次いで「職場で雑談が少ない時」が33.6%、「上司や同僚に相談しにくい時」が28.3%となりました。
【孤独感の実態と影響】
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に職場で感じた孤独感の中身を聞くと「年齢・性別・価値観が違う」が38.6%で最多となり、次いで「頑張りが誰にも届かない」が32.3%、「自分だけ周囲と“何か”が違う」が26.3%となりました。また、職場の孤独感が及ぼす影響を聞くと「不安・ストレスを感じやすい」が40.1%で最多となり、次いで「職場への帰属意識が下がる」が38.3%、「モチベーションが下がる・転職を考えるきっかけになる」が同率で37.1%となりました。
【仕事への影響】
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に仕事やメンタルへの影響を聞くと「影響する派」が83.0%で、内訳は「とても影響する」が26.1%、「影響する」が29.3%、「どちらかといえば影響する」が27.6%となりました。また、職場の孤独感による退職・検討経験を聞くと「ある派」が66.7%で過半数を占め、内訳は「退職をした」が21.3%、「退職を検討した」が45.4%で、「ない」は33.3%となりました。
【孤独感を拭う対策と職場外の孤独感】
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に職場の孤独感を拭う対策を聞くと「特に何もしていない」が30.3%で最多となり、次いで「諦めた」が23.3%、「雑談など自ら交流を試みた」が21.6%となりました。また、職場以外でも孤独を感じるかと聞くと「感じる派」が60.1%で、内訳は「とても感じる」が15.5%、「感じる」が17.8%、「どちらかといえば感じる」が26.8%となりました。
【職場の孤独感軽減に必要なこと】
回答者全体の576人に職場で孤立している人はいるかを聞くと「いる派」が28.9%で、「いない」が30.6%、「わからない」が40.5%となりました。また、孤独軽減に必要だと思うことを聞くと「リラックスできる場所」が30.2%で最多となり、次いで「気軽に会話できる対面の場」が28.1%、「定期的な1on1面談」が21.7%となりました。
【回答者自由記述コメント】
職場で孤独を感じた場面に関するコメントが多く集まりました。
・いつもテレワークだが久しぶりに出社をした。雰囲気に馴染めず、出社の方が孤独を感じると思った
・ベテラン勢だけの独特の集団形成があったため、新人の頃は馴染めずに孤独感を感じることが多かった
・一人で完結する仕事だと孤独感が生まれやすい。横のメンバーが何をしているか分からない
・同期が早期退職したため同年代がいなくなった。若い部下との打解け方を模索するが、結局見守るだけ
・育休から復帰して時短勤務になったら、周りと雑談する暇が無くなった
※その他、職場の孤独に関するコメントは「JobQ Town」にて確認いただけます。
【調査まとめ】
今回実施した「2025年 職場の孤独実態調査」では、全体の7割が職場で孤独を感じた経験があり、特に新型コロナウイルスの5類移行後から増加傾向が見られただけでなく、2025年に入り急激に増加したことがわかりました。年代別では50代が、男女別では男性が最多となり、役職別では、中間管理職に位置する主任クラスが最多となりました。特に、職場の人との「関係の希薄さに気づいた時」や「雑談の少なさ、相談のしにくさ」などから孤独を感じることがあるようで、その要因としては、年齢・性別・価値観を含んだ「自分だけ“何か”が違う」など、周囲と比較した際に漠然と生じるものだけでなく、「頑張りが届かない」など、自ら発信しにくい内容の孤独感が挙がりました。これらの孤独感から「不安・ストレスの増加」や「帰属意識・モチベーションの低下」など、仕事やメンタルへの影響も見られます。しかし、孤独感を感じたとしても「特に何もしていない」人が多数であり、その背景には諦めの気持ちもあるようです。その結果「転職を考えるきっかけ」にもなるなど、職場の孤独感は退職検討理由にもなる一方で、職場には孤立していることに”気づいてもらえない人”がいることも明らかになりました。
さらに、職場で孤独を感じる人はプライベートでも孤独を感じやすいのか、また職場で感じる孤独感がプライベートにも影響しているのかなどの、傾向を深掘る余地も見えました。また、孤独感の軽減には「リラックスできる」「気軽に会話できる対面」の場が必要との回答が多かったことからも、気持ちの入替えをするための”1人になれる空間”づくりに加え、対面でカジュアルにコミュニケーションを図る機会を増やしていくことが大切と考えられる調査結果となりました。
【調査概要】
調査対象者:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年5月9日〜5月14日
有効回答数:576人
調査方法 :インターネット調査
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(パーソルキャリア株式会社/6月9日発表・同社プレスリリースより転載)
- 参考になった0
- 共感できる0
- 実践したい0
- 考えさせられる0
- 理解しやすい0
無料会員登録
記事のオススメには『日本の人事部』への会員登録が必要です。