地方企業の人手不足と人材獲得に関する分析レポート
首都圏企業と地方企業では副業人材受け入れ状況に差異なし、地方企業は人材不足解消に加えて事業推進のメリットも実感
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、「兼業・副業に関する動向調査2022」(調査期間:2023年1月21日~2023年1月22日)と「中小・中堅企業の事業課題・人事課題に関する調査」(調査期間:2024年3月19日~2024年3月25日)をもとに、企業の所在地および副業人材が住んでいるエリアに注目して分析をしました。以下、分析結果の概要をご報告いたします。
※本レポートにおける首都圏企業とは、埼玉・千葉・東京・神奈川の一都三県に本社を置く企業を指し、それ以外の企業を地方企業と定義しています。また、首都圏人材とは、埼玉・千葉・東京・神奈川の一都三県に居住する方を指し、それ以外の地域に居住する方を地方人材と定義しています。
地方企業の人手不足と人材獲得に関する分析レポート
エグゼクティブサマリ
【1】地方企業の副業人材受け入れ状況
・約半数の企業が副業人材を受け入れており、首都圏企業と地方企業で受け入れ状況に差異はない
・特に地方企業は副業人材を受け入れで人材不足を解消し、事業推進上のメリットを実感している傾向
【2】首都圏人材の「ふるさと副業」への意向
・首都圏人材の6割以上が「ふるさと副業」へ興味を持っており、自身の経験や能力を地方企業で生かしたいと感じている
ほか、UIJターンのきっかけにも
・今後、地方企業と首都圏人材のマッチングの可能性が高い業務領域は「マーケティング、プロモーションや営業強化」「組織開発や採用強化」「新規事業創出」
【3】2024年3月の最新データから見る人材不足の現状
・構造的な人材不足により、企業の所在地に関わらず約6割が人材不足に対応する必要性を感じている
・地方企業は新卒採用と若手層の中途採用に苦戦。求人募集をしても応募がない状況に
解説者:株式会社リクルート『サンカク』グループ責任者 古賀 敏幹(こが としき)
新しい採用手法などのトレンドをいち早くキャッチできる首都圏企業のほうが副業人材の受け入れが進んでいるのではないかという仮説のもと、首都圏と地方という切り口で比較をしました。その結果、首都圏と地方とで副業人材の受け入れ割合に大きな差はなく、さらに、地方企業にとっては副業人材が人材不足解消策の一つとなっていることが分かりました。そのほか、「社内人材にはない知識やスキルを持った人材を確保することができた」「イノベーションの創発や新規事業開発につながった」など、事業推進上のメリットを感じている地方企業が多く見られました。
また、首都圏人材の6割以上が地方企業で副業として働く「ふるさと副業」への興味を持っており、これまで培ってきたスキルを地方企業で生かしたいと考える方が多いことが分かりました。全国的な人材不足で特に地方企業が新卒や若手層の採用に苦戦している中、首都圏からの副業での人材・労働力供給が地方企業の人材不足解消の手段の一つとなります。人材不足感を抱いている地方企業の皆さまは、副業人材の採用を検討してみてもよいのではないでしょうか。ただし、副業人材と企業が初めて仕事を進めていくときには注意が必要です。受け入れる企業側がプロジェクトマネジメントの意識を持って目標や計画の設定、定例ミーティングの実施など、「カイゼン」のサイクルを回し続け、着実に成果を積み上げていくことを意識して推進していきましょう。
■調査概要
「兼業・副業に関する動向調査2022」
調査方法:インターネット調査
調査対象:企業に勤める正社員の方
有効回答数:企業人事担当者1,648人 個人2,072人
調査実施期間:2023年1月21日~2023年1月22日
調査機関:インターネットリサーチ会社
「中小・中堅企業の事業課題・人事課題に関する調査」
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の事業責任者(人材採用・人材活用、事業戦略の策定・検討、事業の収支に責任者として関わっている、もしくは中心的な立場として関わっている人を事業責任者と定義し、調査対象とした。企業の従業員規模および企業所在地で割付を行った。従業員規模については、従業員規模5~300人未満を中小企業、300~2,000人未満を中堅企業と定義した。)
有効回答数:4,072人(中小企業2,775人/中堅企業1,297人)
調査実施期間:2024年3月19日~2024年3月25日
調査機関:インターネットリサーチ会社
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社リクルート /9月12日発表・同社プレスリリースより転載)