職場における外国人活用とコミュニケーションに関する実態調査
外国人活用の目的は「人手不足の解消」が4割でトップ
一方で、外国人と一緒に働いたことのある人の3割が「職場の多様性を感じられた」と回答。8割弱が今後も一緒に働きたいと前向きに考えている
人材総合サービスを全国で展開する株式会社スタッフサービス・ホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:阪本耕治)は、20歳~69歳までの外国人と一緒に働いている(働いたことのある)ビジネスパーソンの1,467人(管理職、一般社員)を対象に、「職場における外国人活用とコミュニケーション関する実態調査」を実施しました。
現在、人口減少や少子高齢化の進行に伴い、人手不足が深刻化している中、注目をあびているのが、「外国人の雇用」です。政府も、外国人労働者を積極的に受け入れる制度を整えており、2024年1月の厚生労働省の発表によれば、2023年10月末時点での外国人労働者数は2,048,675人で前年比225,950人増加し、初の200万人超えとなり、過去最高を更新しました。
スタッフサービスグループでは、「外国人労働者」を巡る環境が目まぐるしく変わる中、実際に外国人と一緒に働く人々(働いたことのある人々)の実態や意識の変化を見出すため、調査をおこないました。スタッフサービスグループは、経営理念「チャンスを。」のもと、一人ひとりの価値観や意識の変化を捉え、“より良い働く”の実現を目指します。
<調査結果のポイント>
- 一緒に働いている(働いたことのある)外国人の出身の1位は中国、2位はベトナム、3位はフィリピン。
- 職場で一緒に働いている(いた)外国人は5人以下が半数以上。
- 外国人を活用する理由は、「人手が足りない」が1位(39.6%)。「出身国は問わず人材採用をしている(26.0%)」職場も多く、全体的に「人手不足」が感じられる結果に。
- 一緒に働く外国人に求める理想的な日本語レベルは、「会話」、「読み書き」両方ともに高めな結果に。「会話」と「読み書き」を比較すると、「会話」を重視する傾向。
- 求める日本語レベルは高いが、職場で外国人が日本語を学べる制度・機会は少ない。
- 外国人と一緒に働いている(いた)時、コミュニケーションで困ったことが「ある」と答えた人が45.8%、難しいと思うのは「言葉の問題」、「日本語力不足」、「日本のビジネスマナー・商習慣の知識不足」
- 外国人と仕事をすることで心がけていることは「分けへだてなく接すること」、「平易な日本語で話すこと、書くこと」、「あいまいな表現を避け、具体的に伝えること」。
- 一緒に働いている外国人に仕事上で期待していることの1位は、「今の職場に長く勤めてほしい」。
- 「雇用して良かった点」、「一緒に働いて良かった点」は、「人手不足の解消」だけでなく、「多様性」を感じられたこと。
- 「今後も外国人を活用したい」という管理職クラスの人が8割以上、「今後も外国人と一緒に働きたい」と答えた一般社員クラスの人も8割弱、という結果に。
<調査結果詳細(一部抜粋)>
●外国人を活用する理由は、「人手が足りない」が1位(39.6%)。「出身国は問わず人材採用をしている(26.0%)」職場も多く、全体的に「人手不足」を感じられる結果に
業種別にみると、「外国語が必要な仕事があるから」という理由が「卸売業・小売業」では36.0%、と「その他サービス業」では29.0%と、1位に。また、「製造業・オフィス勤務」では、「高い技術をもっているから」という理由が30.0%で、1位となった。人手不足だけではなく、外国人だからこそ採用したいという理由も高くなっている。
その他では、「卸売業・小売業」では、24.0%の人が、「その他サービス業」では25.0%の人が「多様性を促進したいから」という理由を挙げている。
●一緒に働く外国人に求める理想的な日本語レベルは、「会話」、「読み書き」両方ともに高めな結果に。「会話」と「読み書き」では、「会話」を重視する傾向。
●求める日本語レベルは高いが、外国人が日本語を学べる制度・機会は少ない。
「会話」については「日本人と同じように日本語で会話することができる(29.9%)」が最も高くなった。「読み書き」についても同じく「日本人と同じように日本語で読み書きすることができる(22.4%)」と最も高くなったが、「会話」に比べて7.5ポイント低い結果に。さらに「日本語で読み書きする力は問わない」と答えた人が12.1%となった。
外国人と一緒に働いている(いた)時に、あなたの職場では外国人が日本語を学べる制度・機会はありましたか? という質問に対して、「はい」と回答した人が31.8%、「いいえ」と答えた人が53.4%となった。
●外国人と一緒に働いている(いた)時、コミュニケーションで困ったことが「ある」と答えた人が45.8%、難しいと思うのは「言葉の問題」、「日本語力不足」、「日本のビジネスマナー・商習慣の知識不足」
外国人と一緒に働いている(いた)時、コミュニケーションで困ったことが「ある」と答えた人が45.8%、「ない」と答えた人が54.2%で「ない」と答えた人の方が上回った。
「ある」と答えた人が、コミュニケーション上、難しいと思うことの1位は「言葉の問題で意思の疎通がしづらいこと(57.3%)」で、6割近くの人が「言葉の問題」と回答した。2位が「日本語力の不足からミスや誤解が起きること(32.3%)」3位が「日本のビジネスマナーや商習慣を知らない・実践できないこと(30.4%)」という結果となった。
●「雇用して良かった点」、「一緒に働いて良かった点」は、「人手不足の解消」だけでなく、「多様性」を感じられたこと
管理職クラスの人に「外国人を雇用して良かった点」について聞いたところ、「人手不足を解消できた(40.1%)」が1位となったが、2位が「多様性を促進できた(26.7%)」、3位が「社内が活性化した(20.7%)」となった。
一般社員クラスの人には、「外国人と一緒に働いて良かった点」について聞いたところ、「人手不足を解消できた(34.3%)」が1位となったが、2位が「多様性を感じられた(31.0%)」となった。
<総括>
深刻な人手不足により、外国人の活用が進んでいます。今回は、実際に外国人と一緒に働いている人、これまで一緒に働いたことのある人に絞って外国人労働者の日本語力や職場のコミュニケーションについて調査しました。多くの人が「外国人を活用する理由」について、「人手不足の解消」を挙げていますが、「雇用して良かった点」、「一緒に働いて良かった点」について聞いてみると、「人手不足の解消」だけでなく、「多様性」を感じられたことを挙げる人が多い傾向がみられました。
また、一緒に働く外国人に求める理想的な日本語レベルは、「会話」、「読み書き」両方ともに高めな結果となりましたが、外国人が日本語を学べる制度・機会は半数以上がないと少ない状況で、外国人を受け入れる際の体制づくりについては、改善の余地がありそうです。
外国人とのコミュニケーションについては、困ったことが「ある」と答えた人が45.8%で、「ない」と答えた人を下回りましたが、「ある」と答えた人は、「言葉の問題」、「日本語力不足」、「日本のビジネスマナー・商習慣の知識不足」について難しさを感じているようです。一方で、困ったことが「ない」と答えた人が54.2%おり、外国人と円滑なコミュニケーションできている現状もうかがえます。
最後に、「今後も外国人を活用したい」と答えた人が管理職クラスでは8割以上、「今後も外国人と一緒に働きたい」と答えた一般社員クラスの人も、8割弱という結果となり、多くの人が外国人と一緒に働くことを前向きに捉えていることがわかりました。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年3月9日(土)~2024年3月12日(火)
調査対象:全国在住20歳~69歳男女(外国人と一緒に働いている、働いたことのある人)
※本調査リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、必ず【スタッフサービス・ホールディングス調べ】とご明記ください。
※構成比の数値は四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社スタッフサービス・ホールディングス / 3月26日発表・同社プレスリリースより転載)