大学生の就職活動に関するアンケート調査比較
コロナ禍で、「内々定後に周囲に相談する就活生」が増加。なかでも、「家族・親戚」の影響力が強まる
人材の“採用”から“定着”、その先の“活躍”までを支援する人材サービス事業を展開する株式会社ヒューマネージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齋藤 亮三、以下ヒューマネージ)は、今春入社した2023年卒の大学生・大学院生10,154名に実施した「2023年卒 就職活動に関するアンケート」の結果を発表した。
内々定が出てから承諾まで、「誰にも相談せずに決めた」就活生は
コロナ前→コロナ禍で、約10pt減。他方、「家族・親戚」に相談した就活生は、約10pt増
ヒューマネージでは、毎年、企業の内定者に対し、就職活動に関する大規模なアンケート調査をおこなっている。コロナ禍が、就職活動生の意思決定にどのような影響を及ぼしたか、アンケート結果の4ヶ年比較を実施した。
コロナ前の就活生(2020年卒)と、コロナ禍の就活生(2021年卒~2023年卒)について、「就職活動全般について相談した相手」と「内々定が出てから、承諾の意思を決めるまでに相談した相手」をみる。まず、「就職活動全般について相談した相手」は、それほど変化がみられないが、唯一、「企業に就職している卒業生(リクルーター含む)」の割合が2023年卒のみ大きく減っている点が目を引く(2020年卒:46.8%→2021年卒:48.5%→2022年卒:47.6%→2023年卒:35.1%)。
一方、「内々定が出てから、承諾の意思を決めるまでに相談した相手」は、コロナ前の就活生(2020年卒)と、コロナ禍の就活生(2021年卒~2023年卒)で明確な違いがみられる。「誰にも相談していない」の割合が、コロナ禍になった途端10ポイントほど減り(2020年卒:36.6%→2021年卒:27.5%→2022年卒:25.3%→2023年卒:25.8%)、「家族・親戚」の割合がコロナ禍になってから10ポイントほど増えている(2020年卒:53.5%→2021年卒:62.1%→2022年卒:64.1%→2023年卒:63.3%)。
文系学生は「家族・親戚」「キャリアセンター」、理系学生は「教授・教員」を重視
2023年卒の結果について、文系学生・理系学生の結果を比較すると、「家族・親戚」「大学のキャリアセンター」「教授・教員」で特に差がみられた。また、内々定が出てから承諾まで「誰にも相談せずに決めた」割合は、文系:19.3%、理系:32.5%と10ポイント以上の差がみられた。
<弊社の考察>
コロナ前の就活生(2020年卒)と、コロナ禍の就活生(2021年卒~2023年卒)の比較について、まず「就職活動全般について相談した相手」は概ね変化がないなか、唯一「企業に就職している卒業生(リクルーター含む)」の割合が2023年卒のみ大きく減っていました。これは、2023年卒の就活生は、大学2年次になった途端にコロナ禍に突入したため、サークルやゼミ活動を通じて、のちに相談相手となる先輩との関係が築きづらかったことが影響していると考えられます。
一方、「内々定が出てから、承諾の意思を決めるまでに相談した相手」は、「誰にも相談していない」の割合が、コロナ禍になった途端10ポイントほど減り、「家族・親戚」の割合がコロナ禍になってから10ポイントほど増えているという明らかな変化がみられました。コロナ禍という誰にとっても想定外の事態がおき、企業や業界がそれぞれ大きな影響を受けている状況では、ひとりで進路を決断することは難しく、最も身近な社会人である「家族・親戚」の影響力が増したことが窺えます。
新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、日常が少しずつ戻りつつあるとはいえ、「先が見通せない」体験は私たち一人ひとりのなかに深く刻まれています。採用する企業側には、そのような厳しい環境下でも日々真摯に事業に取り組んでいるという営みも含め、自社の等身大の情報を開示し、候補者が納得して決断できる手助けをおこなうことが求められるといえそうです。
【調査概要】
内容:就職活動に関するアンケート
対象:ヒューマネージが提供する採用管理システム「i-web」ご利用企業様の内定者の方々
有効回答数:2020年卒:8,407名 2021年卒:7,310名 2022年卒:8,545名 2023年卒:10,154名
調査期間:2019年6月~2023年2月
調査方法:以下の項目についてWEBアンケートを実施し算出 就職活動全般について相談した相手/内々定後に相談した相手(どちらも複数回答可)
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ヒューマネージ / 6月1日発表・同社プレスリリースより転載)