産労総合研究所、「2008年 春季労使交渉にのぞむ
経営側のスタンス調査」の結果を発表
格差と貧困の問題で揺れに揺れた2007年の日本社会。その余熱を引きながら、2008年の春季労使交渉がスタートしました。民間のシンクタンク機関である産労総合研究所(東京都千代田区、高橋邦明・代表)では、毎年、賃金交渉にさきがけて「春季労使交渉にのぞむ経営側のスタンス調査」を実施し、自社の賃上げ予測と主な人事・賃金課題を明らかにしてきました。このほど、2008年の労使交渉に向けた調査結果がまとまりましたのでご報告いたします。 【 調査要領 】 ■ 調査名: 2008年 春季労使交渉にのぞむ経営側のスタンス調査 ■ 調査機関: 産労総合研究所 ■ 調査対象: 全国1・2部上場企業と過去に本調査に回答のあった当社会員企業から任意に抽出した約2,500社 ■ 調査時期: 2007年11月中旬〜12月下旬 ■ 調査方法: 郵送によるアンケート調査方式 ■ 回答状況: 回答のあった165社について集計 【 調査結果のポイント 】 “賃上げを実施する”企業は85.5% 賃上げ率は1.4〜1.9%程度 ◆ 2008年の自社の賃上げは、9割近い85.5%の企業が「実施する」と回答。一方、「賃上げは実施せず賃金を据え置く」予定の企業は、2007年の15.5%から4.8%に激減した。 ◆ 2008年の自社の賃上げ率は、「2007年と同程度」が最も多く70.2%で、予想賃上げ率は平均1.8%(2007年調査も同じ1.8%)。次いで「2007年を上回る」が9.2%で、予想賃上げ率は1.9%。「2007年を下回る」が5.7%で、予想賃上げ率は1.4%である。 ◆ 「定昇制度がある」企業は75.2%。そのうち賃上げは「定昇のみ実施予定」が最も多く70.2%を占める。ただし、「定昇・ベアとも実施予定」の企業は、2007年の13.6%からさらに増えて16.1%になっている。 ◆ 2008年の賃上げ相場に対する予測は、「昨年と同程度」が51.5%で最も多い。一方、「昨年を上回る」と回答した企業は、2007年の35.8%から24.2%に減少しており、原油高など景気の先行きに不安を覚える担当者が多いようだ。 ◆ 業績向上による成果配分は、「賃上げよりも賞与原資にまわしたい」と考える企業が65.5%を占めている。経営側の「賞与重視」は、このところますます強まっている。 ※ 本調査は『賃金事情』にて実施 (産労総合研究所 http://www.e-sanro.net /同社プレスリリースより抜粋・2月12日) |