【4社合同調査レポート】”未来の働き方を考える調査"結果
完全テレワークになったら住みたい都道府県1位は「東京都」、ワーケーションで行ってみたい都道府県1位は「北海道」という結果に
アステリア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長/CEO:平野洋一郎、以下 アステリア)、サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久、以下サイボウズ)、ZVC Japan株式会社(本社:東京都千代田区、社長:佐賀文宣、以下Zoom)、レノボ・ジャパン合同会社(本社・東京都千代田区、代表取締役社長 デビット・ベネット、以下 レノボ)は、初の緊急事態宣言発令から2年が経ったことを契機に、全国の20~60代のフルタイムで働く就業者2,000名を対象に「これからの働き方を考える」というテーマで、4社合同の調査(以下 本調査)を実施しました。
本調査では、多くの人がこの2年間のテレワークの体験から自由な働き方ができる未来を描くようになっていることが判明すると共に、いくつかの課題も顕在化しました。
- テレワーク制度は大企業ほど浸透している。小規模企業ほどテレワークに懐疑的な意見が多い。
- テレワークに対し一般社員よりも管理職の方が社内コミュニケーションの課題を感じている。
- オフィスが必要な理由「資料やデータを保管する」が上位。「コミュニケーションの場」は意外にも下位。
- 創業後若い会社はワーケーションや移住などへの希望が強く、コミュニケーションへの懸念も少ない。
- 完全テレワークなら住みたい都道府県、大都市圏が強く、ワーケーションでは一部の観光地も上位に。
また、リモートワーク、ワーケーションにあたって人気がある都道府県も調査し、地域経済活性化の手段として期待されるリモートワークが現時点でどの地域と相性が良いかを可視化しました。
1. テレワーク体験の有無によって、働き方選択の二極化が進んでいる?
テレワーク制度のない会社の社員ほどテレワークに懐疑的な傾向が。
まず本調査に参加した全国の2,000名に、テレワークの実施状況を聴取しました。新型コロナ流行前は、テレワーク実施率(※1) は7.1%であったのに対し、2020~2021年の新型コロナ禍の緊急事態宣言中には29.5%と上昇しました。2022年現在では緊急事態宣言中に比べると、やや減少傾向が見られるものの、全国の就業者の約4分の1がテレワークで働いています。
テレワークの意向について聴取したところ、本調査に参加した全国の2,000名のうち41.7%が”テレワークを選択できる働き方をしたい”と回答しています。その内訳をみると、テレワークできる職種で、「テレワーク経験がある人」では実に7割以上が“テレワークを選択できる働き方をしたい”と回答しています。一方で、「これまでにテレワーク経験がない人」の回答は32.5%で、テレワーク経験の有無でテレワークへの意向に大きな差が見られました。
一方で2022年現在、「テレワークできる職種だが、テレワークは導入されていない」と回答した方が8.9%いるという結果も明らかになっています。
テレワークを利用しにくい、または利用できない理由としては、”職場以外だと部屋・机・椅子など物理的環境が整っていない”、”職場がテレワーク環境に設備投資できていない”という「ハード面」と、”社内・社外関係者とコミュニケーションがとりにくい”、”テレワークの業務ルールが整っていない”という「ソフト面」の2軸において、課題が存在していることがわかります。
また、2022年現在のテレワーク実施率※を企業規模別にみてみると、従業員数300名未満の企業(17.5%)、300~2,999名の企業(29.1%)、3,000名以上の企業(44.2%)と、企業規模が大きくなるにつれて、テレワークが実施されている現状が明らかになりました。
一方で、テレワークできる職場に好感を持つ人は、従業員数300名未満の企業(36.6%)、300~2,999名の企業(44.3%)、3,000名以上の企業(53.1%)と、こちらも企業規模が大きくなるにつれて、テレワークができる職場への好意が上がっていることがわかりました。これらのことから、テレワークの実施率が低いとテレワークに懐疑的な意見が増える傾向が読み取れます。
(※1)本リリースでは、「月平均で2回以上、テレワークで働いている」と回答した人の割合を指しています。
2. 調査結果から見直す“オフィスの存在価値”
テレワークにおける社内コミュニケーションの課題をクリアにするのはオフィスではない?
テレワークの普及に合わせて“オフィスの存在価値”についても、この2年間で見直されました。調査対象となる会社員・団体職員1,435名に対し、テレワークも選択できる働き方ができる場合の「働く場所」について尋ねたところ、約6割が“今後もオフィスはあった方が良い”と回答しています。また、年代別にみてみると、“今後もオフィスはあった方が良い”と回答した20代が55.9%なのに対し、60代は69.6%と、13.7ポイントの差が見られました。“若者のオフィス離れ”の傾向が、調査結果からは読み取ることができます。
今後もオフィスがあった方がいいと思う理由として、”業務に使用する機器がある”、”資料やデータを保管する”などが上位にあがっており、自宅や外部にはない事務効率を高めるためのシステムや機能がオフィスの存在価値を維持していることがわかりました。
一方で、テレワークによって業務成果への悪影響があると回答した529名に「テレワークで働くことによって、仕事の成果が悪くなる理由」について尋ねたところ“社内関係者とコミュニケーションがとりにくい(30.4%)”が、最多回答としてあげられました。
しかし、グラフ8をみるとテレワーク下でのオフィスの魅力としては、”職場の仲間が集まる場所がある”や”会って議論をすることで業務効率が上がる”といった社内コミュニケーションに関する要素は上位にあげられておらず、現状のオフィスをテレワーク制度下での「社内コミュニケーション活性化の場」として活用できている例はまだまだ少ないと推察できます。
「理想のオフィス」の条件を尋ねたところ、最も多く挙げられたのは”無料の社内食堂・カフェ”で約4割。続いて”心身共に癒される空間”、“業務に集中できる小会議室がある”が続いています。オフィスデザインを重視した「オシャレな空間」については、20代の約2割が選択していますが、30代以上の支持が少ないという結果も見られました。
3. 社員の働き方意向には企業文化・風土が影響している?
20代、若い会社に勤めている人は特に、ワーケーションや移住など、大きく働き方を変えたい傾向が。
テレワークが導入されている企業・団体に勤める624名に、「テレワークで働くか・出社して働くか、あなた自身で決めることができるか」という質問をしたところ、管理職・経営者・役員の75.5%が“自分で決めることができる”と回答した一方で、一般社員では47.7%という結果が出ており、役職によって27.8ポイントも差がありました。
また、「テレワークを利用していない理由」として、「社内関係者とコミュニケーションがとりにくい」という回答を役職別にみると、一般社員では24.9%という結果だったのに対し、管理職・経営者・役員では39.3%と、実に4割近くが社内コミュニケーションをテレワークの課題として挙げています。役職によって希望する働き方には差があり、管理職・経営者・役員の希望だけで全社的に出社ルールを統一することは、一般社員には望まれていないことがわかります。
また、本調査に参加した2,000名に、「働く場所を選ばない職種・働き方になったら、どのようなことをしたいか」を質問したところ、“住まいを変えたい(23.6%)”、”ワーケーションがしたい(21.8%)”、“移住(海外移住、地方移住、Uターン)をしたい(21.7%)”、“多拠点居住・二拠点生活がしたい(20.5%)”と、現在の生活から大きくライフスタイルを変化させたいと思っている人が約5人に1人以上がいることが分かりました。さらに、年代別でみてみると、住み替えやワーケーション、移住、多拠点居住のすべての項目においても、20代が6.9ポイントほど、平均より高く、若い人ほど、働き方の変化を望んでいることが明らかになりました。
また、創業年数が古い企業ほどテレワークにより社内関係者とコミュニケーションがとりにくくなると回答している傾向がみられることからは、伝統ある会社ほどテレワークによるコミュニケーション不足を懸念していることがわかりました。
4. 完全テレワークになった場合住みたい県は、1位「東京都」、2位「神奈川県」、3位「北海道」人気なワーケーション先は、1位「北海道」、2位「沖縄県」、3位「東京都」という結果に!
本調査に参加した全国の2,000名に、「今後出社がなく全てテレワークで働くことになり、住むところを自由に選べるとしたら、どこで暮らしたいか」という質問をしたところ、第1位は”東京都(27.3%)”、次いで”神奈川県(19.1%)”、”北海道(16.6%)”という結果になりました。
東京都や神奈川県を選んだ理由として、両者とも”交通の便が良いから(東京都:54.4%/神奈川県:42.5%)”、”買い物やショッピングに困らない(東京都:50.7%/神奈川県:40.9%)”、”いざとなったら職場に通える距離(東京都:26.7%/神奈川県:25.5%)”が上位にあがっています。“東京都”を選択した人の内訳をみてみると、東京都在住が30.9%と最も多く、続いて神奈川県在住が15.2%、千葉県在住が10.7%となっていて、大都市に隣接している県の在住者は、完全テレワークの場合でも大きな移動を好まない傾向があることが明らかになりました。
また、「今後ワーケーションで働くことができるようになり、自由にワーケーション先を選べるとしたら、どこに行きたいか」という質問に対しては、第1位は”北海道(27.0%)”、次いで”沖縄県(23.1%)”、”東京都(15.6%)”という結果が明らかになりました。
”北海道”を選んだ理由としては、”(温泉、食事などで)リラックスしながら仕事ができそう(50.4%)”、”自然の近くで働けそう(41.1%)”で、”沖縄県”を選んだ理由としては、”気候がよさそう(41.8%)”、”(スポーツ、アクティビティなどで)リフレッシュしながら仕事ができそう(37.9%)”が上位にあがってきました。また、第3位の“東京都”は、” ワークスペースやネット環境が整ってそう(25.7%)”、” 自分の家から行きやすい(20.6%)”など、都心ならではの魅力も理由として挙げられています。テレワークの場合は、現在のライフスタイルを基準に、より現実的な場所を選択している一方で、ワーケーションに関しては特に観光地に求める要素を重視していることがわかりました。
<調査概要>
・調査地域:全国
・調査対象:20~60代のフルタイム勤務の就業者2,000名
・調査時期:2022年3月9日(水)~3月11日(金)
・調査方法:インターネット調査
・調査機関:株式会社クロス・マーケティング
・調査企画:サイボウズ株式会社、ZVC Japan株式会社(Zoom)、アステリア株式会社、レノボ・ジャパン合同会社
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(アステリア株式会社/ 4月7日発表・同社プレスリリースより転載)