イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021
株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:張士洛、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、2020~2021年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計2,068名に対し、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関するアンケート調査「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021」を実施しました。今回は、2021年の調査結果からみる「イマドキ新入社員(Z世代)の特徴」について一部抜粋してお知らせします。
調査の結果、イマドキの新入社員、特に入社1〜2年目のZ世代が受けた新入社員研修の約65%がオンライン主流だったことがわかっています。テレワーク制度が整っている企業ほど、会社への帰属意識が高く、在宅勤務やフリーアドレスが進むことは約75%が歓迎、また、ワーケーションなどへの利用意向も約72%と世代別で比較して最も高い結果となりました。これは「仕事環境の心地よさ」を重視する人が上司や先輩と比較して2.2倍であることなどが影響しているといえます。なお、コロナ禍の影響もあると思いますが、新入社員の段階で約42%が主な勤務先が「自宅(在宅勤務)」であることもわかりました。働く場所の自由度を重視している一方で、70%が対面での報告・連絡・相談を希望し、ポストコロナの働き方としては約55%が「できる限り出社したい」と回答しており、「自宅(在宅勤務)」と「出社」を使い分けるハイブリッドな勤務を求めていることもわかりました。約59%が「個人裁量」よりも「チームワーク」を重視した会社や職場を好むことからも、人との繋がりを求めているといえます。
成長意識としては、約55%が「挑戦よりも、無理のない範囲で業務に取り組みたい」と思っており、プライベートも大切にして人生の充実度を高める傾向があります。指導育成に関しても約59%が「上手くいかない経験を通じた学びが効果的である」と思いつつ、具体的な指導スタイルとしては、「指摘するよりも褒めてもらいたい(70%)」、「納得感のある説明が欲しい(62%)」と考える新入社員が多いこともわかりました。
<調査概要>
調査方法: インターネット調査 調査時期: 2021年6月 調査地域: 全国
有効回答: 2,068名。2020~2021年に入社した新入社員1,020名、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員1,048名
(新入社員は、例年比較のため企業規模501名以上の大卒の686名に母数を絞って集計)
調査結果(一部抜粋)
■Z世代(入社1~2年目)の特徴
新型コロナウイルス影響下での採用・入社となった2021年の新入社員。社会全体でコロナ禍の影響が続く中、新社会人となった彼らはどのような意識や行動をとっていたのか。2019・2020年入社者との比較を交え、「成長」「意識」「指導育成」「コミュニケーション」「仕事環境」の切り口でその実態をご紹介します。
【成長】オンライン主流で育ったイマドキ若手社員は、無理のない成長と働く場所の自由度を求める
【テレワークの整備が進む企業に働き続けたい】 新入社員研修からリモートが主流だったイマドキ新入社員にとって、企業姿勢としてリモートワークの推奨など整備が進んでいる会社を好む傾向がありました。成長においては、無理なく業務に取り組みたいという意識が強く、程よく、自分のペース(距離感)を保つことが新入社員にとって重要だとわかります。
【意識】他人の評価が気になり、失敗したくないという意識が強い
【上手くいかない経験から学びたいが、失敗はしたくない】 半数以上が「試行錯誤をしながら、上手くいかない経験を通じて学ばせてもらうほうが効果的」と思っているものの、実際は失敗への恐れが強く、挑戦や成功体験を積みづらい状態になっています。
【自分に自信はないが、人生は充実している】世代別に見ても、新入社員の「失敗への恐れ」「他人の評価が気になる」という回答は圧倒的に高い結果となりました。一方で、人生の充実度はとても高く、自分のやりたいことを大切にして人生を楽しみたいという気持ちがうかがえます。
【指導育成】経験を通じて学びたいが、褒めてもらいたい、納得感のある説明が欲しいと考える
【指導者には厳しく、自分には優しくが基本】指導に関しては例年同様「できている点を褒めてもらいたい」の回答割合が多くなりました。また、人からどのように思われているかをとても気にする世代であることもうかがえます。その一方で、指導者側には「感情よ
りも論理的な指導」を期待していることがわかりました。
【コミュニケーション】オンライン主流の働き方に課題を感じている人も多い
【対面での接点機会も欲しい】70%近くの新入社員が対面での報告・連絡・相談の有効性を感じ、直接的なコミュニケーションが減少することは困るとも感じています。そのような影響もあってか、入社1~2年目社員の「コミュニケーションがとりづらいために生じるストレスは増した」という回答割合が70%以上となりました。また、コロナ禍前(2019年)に比べ「上司・先輩と良い関係が築けない」ことを課題や不安に感じる割合も大幅に上昇しました。
【仕事環境】公私の棲み分けが明確。環境のいい場所で無駄なく仕事をしたい
【働く環境はとても大事】新入社員が「仕事に求めている条件」は、「1位自分らしい生活を送る」「2位仕事環境の心地よさ」「3位お金を多く稼ぎよい生活を送る」でした。特に「仕事環境の心地良さ」は上司・先輩のランキング結果と比べて大きな違いがあり、新入社員がいかに仕事環境の心地よさを求めているかが分かります。
【働き方の多様化は歓迎。しかし、出社や対面は増やしたい】コロナ禍の影響もあり、新入社員の段階で41.7%が主な勤務先が「自宅(在宅勤務)」であることがわかりました。在宅勤務やワーケーションなど、働き方が多様化することは歓迎している一方で、ポストコロナの働き方としては54.4%が「できる限り出社したい」と回答。また、58.7%が「個人裁量」よりも「チームワーク」を重視した会社や職場を好むなど、人との繋がりを求めていることが伺えました。
【総括】新入社員(Z世代)の特徴を理解し、成長支援の仕組みづくりを再定義することが必要
本調査を継続的におこなっている傾向からみる限り、新入社員(Z世代)の特徴はコロナ禍前後で大きな違いは無く、「自分のことを認めてくれる環境で、無理なく、無駄なく成長したい」という特徴があります。しかし、社会全体で働く空間や時間に変化が生じ、ニューノーマル時代の働き方にシフトチェンジする中で、従来のような現場指導を通じた成長支援(OJT)が成立しなくなる可能性があります。その意味でも新入社員(Z世代)に見られる特徴を理解し、成長支援の仕組みづくりを再定義することが求められているといえます。
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
( 株式会社日本能率協会マネジメントセンター/10月27日発表・同社プレスリリースより転載)