2021年新入社員の意識調査
フルリモート勤務者は、会社への帰属意識が低いが、早期離職意向は約1/2の割合に。コミュニケーションはテキストツールより対話、オンラインより対面を好む傾向。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:中川信行)が運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』は、2021年に新卒入社した男女(新入社員)800名を対象に行った「2021年新入社員の意識調査」の結果を発表しました。今回は、コロナ禍での就活を経て入社した新入社員に対して、勤続予定年数、人間関係の悩み、コミュニケーションの傾向などについて調査しました。
≪TOPICS≫
- 2021年の新入社員のうち現会社を「3年以内に退職予定」は28.3%、「10年以内に退職予定」は51.0%でともに前年と比べて横ばい。「定年までいたい」は16.6%で前年とほぼ同数
- 男性と比べて女性の方が今の会社で長く働くイメージを持っていない。女性は男性よりも結婚や出産などのライフステージの変化に合わせた働き方を望む
- フルリモート勤務者は帰属意識が低い一方で、早期離職意向は低い結果に
- 上司や先輩とのコミュニケーションは、テキストツールよりも対面での対話を好む傾向。ただし、有給休暇申請はテキストツールを希望
【調査結果の概要】
2021年の新入社員のうち現会社を「3年以内に退職予定」と回答したのは28.3%(前年比0.3pt増)、「10年以内に退職予定」は51.0%(前年比0.7pt増)で、ともに前年と比べて横ばい傾向。「定年までいたい」は16.6%で前年とほぼ同数となった(前年比1.3pt減)。
男女別に見ると、「3年以内に退職予定」と回答した男性は22.5%、女性は34.0%で女性のほうが今の会社で長く働くイメージを持っていない結果に。また、10年以内に離職を考えている理由は、男性1位が「転職でキャリアアップしていきたいから」。女性1位は「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから(結婚・出産など)」だった。
「会社・組織の一員であると意識することはあるか」の質問に対して「意識している」と回答した割合は、調査時点でフルリモート勤務している人が58.9%で、全体の68.1%に比べ低い結果となった。一方で、フルリモート勤務者で「3年以内に退職予定」と回答した割合は全体(28.3%)の約2分の1の14.7%で、早期退職意向は低い結果となった。
オンラインの打ち合わせと対面の打ち合わせのどちらが気軽かを聞いたところ、「対面」は50.9%、「オンライン」は19.3%、「どちらでもいい」は29.9%。在宅頻度が高いほど、オンラインでの打ち合わせを希望する割合は高くなる傾向が見られる。
上司、先輩とのコミュニケーションに関しては、メールやチャットなどのテキストツールよりも対面での対話を好んでいる。一方で、有給休暇申請だけはテキストツールでのコミュニケーションを希望している。
【総評】
2021年度の新入社員は、選考過程でオンライン面接を経験しているコロナ禍就活第一世代であり、入社時には企業においてもオンライン会議やオンライン研修の環境がある程度整っていた、オンラインネイティブ世代とも言えるでしょう。
とはいえ、上司や先輩とのコミュニケーションはテキストツールより対面での対話を望むなど、関係構築にはやはり、リアルでの対話が欠かせないようです。
今後もしばらく感染症対策などリアルなコミュニケーションが限定される状況が予想されます。新入社員の定着には、相談や慣れない業務の指示は対話でキャッチボールをしながら進め、ある程度固定化した指示や報告はテキストツールを利用するなど、状況に応じて適切な方法で、密なコミュニケーションを心掛けていくことが大切です。
【調査概要】マイナビ転職『2021年新入社員の意識調査』
調査期間:2021年6月25日(金)~6月28日(月)
調査方法:2021年卒の新入社員を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:22歳~23歳の男性400名、女性400名)
※グラフの内訳は端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社マイナビ/8月4日発表・同社プレスリリースより転載)