高校新卒採用についての動向調査21年(3月)
高校生の就職を支援するジョブドラフトの運営と企業の高校新卒採用支援を行う株式会社ジンジブ(本社:大阪府大阪市、代表取締役:佐々木 満秀)は、新卒採用担当者向けに2021年卒の振り返り、2022年卒の募集人員の増減や採用活動、入社後のフォローに関する調査を実施いたしました。
(調査期間:2021年3月19日~2021年3月25日、有効回答数:519人、うち高卒採用実施は276人)
<調査結果サマリー>
- 22卒の高校新卒募集人数「前年より増やす」17%、「前年と同じ」41%と半数以上がコロナ禍でも採用に意欲。
- 21卒採用活動で上手くいったこととして、47%が「職場見学」と回答。その中でも「オンラインでの職場見学や面接が良かった」など、高卒採用活動の変化が見て取れる意見も多数。一方で、上手くいかなかったこととして、「採用戦略」29%「新型コロナでの活動の制限」など、コロナショック下の先行きの不透明さを表す声も多数。
- 入社後のフォローに4割がメンター制度を導入。定着の取組は研修、コミュニケーション、面談などを実施。
- 複数社応募については「複数社応募の導入に賛成」が44%、「応募時期は一人一社、複数社応募できる時期を早める」が32%など、見直しを求める意見が75%以上を占める。
<調査背景>
2021年卒の高校生の新卒採用市場は、求人数は約37万人(昨年同期比20.7%減少)、求人倍率は2.43倍(同0.32ポイントの減少)(※1)と、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け求人数が減少しました。一方1月末現在の就職内定率は93.4%(昨年同期比1.4ポイントの増加)(※2)です。休校による進路指導の遅れや、内定を得るまでの時間の長期化、希望の業種・職種を変更や、職場見学をせずに就職先を決めたなどの影響がありました。また高校生の就職活動は一人一社ずつの応募や短期間での応募先確定など学校を介して行われる学校斡旋が一般的で、高い内定率を誇る一方、リクルートワークス研究所の調査によると高校生は「1社だけを調べ見て、1社だけを受けて、1社に内定した人」が55.4%と、半数以上が1社だけを見定めて就職活動をしている状況があります。(※3)
本調査では、新卒採用担当者に向けて21年度の高校新卒採用に関する採用活動の実態や入社後のフォロー、22年度の採用計画についてのアンケートを行い、コロナ禍での新たな高卒採用のあり方を考察します。
注釈参照データ:
※1 令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」 厚生労働省
※2 令和3年3月「高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和3年1月末現在)」文部科学省
※3 「高校卒就職当事者に関する定量調査」リクルートワークス研究所
※4 「平成30年学校基本調査 高等学校卒業後の進路」文部科学省データより算出
<調査概要>
【調査期間】1.2021年3月19日~3月21日 2.2021年3月18日~3月25日
【調査方法】1.インターネット調査法 2.メールによるアンケート回収
【調査対象】新卒採用ご担当者
【有効回答】N=519人(うち高卒採用実施は276人)
<アンケート調査結果を受けて>
本アンケート調査によると、21卒の高校新卒採用の募集結果は「充足した」が43.1%、「充足していないが採用活動を終えた」が27.4%、「充足しておらず採用活動を続けている」が25.9%、「充足しておらず採用活動を続けるか検討中」が3.6%でした。22卒の高校新卒採用の募集人数は「前年より増やす」が17%、「前年と同じ」40.9%、「前年より減らす」16.8%と、半数以上が採用に意欲を示しており、コロナ禍でも若年層を採用したいという企業意欲は、過去から継続して根強いものがあることが分かります。
21卒の採用活動で上手くいったフェーズを質問すると「職場見学」が46%と最多で、「職場見学を実施したことでミスマッチを防げた」など、例年と変わらず職場見学に価値を感じる回答と同時に、「オンラインでの職場見学に効果があった」、「WEB面接の導入により、遠方からの面接希望の受け入れが可能になった」「オンラインでの採用活動が良かった」などの、例年通りの採用活動の中身がオンライン導入により変化していることを表す声も多数ありました。対して、上手くいかなかったフェーズについて質問をすると「採用戦略」が29%と最多で「新型コロナによる活動の制限」などの声が多数寄せられました。コロナ禍でも変わらないもの、変えるべきものが、コロナウイルスによって明確になり、高卒採用活動がより一層進化していることが見て取れます。
ここから22卒に関して予測できることは、オンラインによる職場見学等の採用活動の一層の導入や、状況に応じて臨機応変に対応できる戦略策定が重要になるということです。
また、応募経路について、現状「学校を通しての応募(学校斡旋)」が多数ですが、「生徒自らの応募(自己開拓)」や「民間企業など学校以外の期間を通しての応募」も一定数いることが分かりました。複数社応募についてどう考えるかについての質問でも、「複数社応募の導入した方が良いと思う」が44%、「応募時期は一人一社、複数社応募できる時期を早めた方が良いと思う」32%と見直しを求める意見が4分の3を占めていることから、今後学校斡旋以外の応募の増加も見込まれ、企業としては受入方法についての検討も重要になると言えそうです。
入社後のフォローについては3分の2の企業がメンター制度導入・検討しています。定着率を高める取組として最も回答が多かったのは入社後の研修に関する取組でした。次いでコミュニケーション、面談、福利厚生に関する取組と回答がありました。若年層に活躍してほしいという企業の希望が、一層高まっていることを表す回答であると言えます。
企業としては、先行きが不透明であっても将来を見据えた若年層の採用意欲は衰えることなく積極的です。採用後の活躍も見据えた社内体制の整備が、採用活動の成功及び事業拡大のカギとなると言えます。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ジンジブ /5月11日発表・同社プレスリリースより転載)