学情レポート【企業の動向・学生の動向】(2020年1月15日号)
株式会社学情(本社:大阪市北区・東京都中央区/代表取締役社長:中井清和)は、「企業の動向・学生の動向【2020年1月15日号】」を発表いたしました。
■企業の動向
2021卒学生を主対象とする冬期インターンシップが各社で実施されているが、学生の集客に関して早くも計画通りにいかない企業が続出している。特に理系学生の応募状況は芳しくなく、一部の大手企業に人気が集中している状況だ。また、一部の企業では夏期インターンシップ参加学生と定期的にコンタクトを取るなど、水面下ではターゲット学生の囲い込みが行われている。採用広報解禁前の動きが活発化する中、どうにか学生を呼び込もうとインターンシップコンテンツのブラッシュアップに注力する企業も増えている。ただ、Webサイトだけでその特徴を打ち出すのは難しく、サイト告知からイベント告知に軸足を変える動きも見られる。特に今年顕著に見られるようになった特徴は、インターンシップの受付をLINEで行う企業の増加だ。学生とより近い距離感で確実に情報発信できるコミュニケーションツールとして注目を集めるが、今後さらなる利用の拡大が予想される。あるサービス業の企業では、「早期化」・「イベント強化」・「LINE活用」をキーワードに採用活動のフローを大きく見直したところ、12月段階で既に前年度1年間とほぼ同数の学生との接触に成功したとのことだ。
上述のように既に2021年卒採用に向け大きく舵を切る企業がある一方、2020年卒採用の予定数確保に向け、粘り強く活動を続ける企業も多い。進路を決め、就職活動の舞台を去る学生が増える中、ある中堅メーカーでは秋から新卒採用枠に既卒・第二新卒者も加えたところ、無事に来春入社の新卒採用を終えることができたという。2020年卒学生の卒業式が近づく中、対象を広げて予定数確保を目指す動きは加速しそうだ。
(柳 亮太)
■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2020年卒学生について、弊社が2019年8~9月に調査した大学就職指導担当者向けアンケートでは、前年同時期と比較した内々定状況に関して、「非常に良い~少し良い」が51.5%と「悪い~少し悪い」(4.2%)を大幅に上回った。しかし、就職活動終盤となった2019年の年末段階においては、「前年同時期と同程度の内定状況」と感じている大学が増えている。企業の早期選考・早期内々定出しがいっそう進んだことで、夏までは前年を上回る勢いだった内々定獲得状況も、秋~冬にかけペースダウンが見られる。多くの大学では就職活動継続中の学生に対して、個別相談による求人紹介や学内での合同企業セミナー兼選考会など即効性のある取り組みに注力している。ただ、「先日の学内合同企業セミナーは参加人数が10名にも満たなかった」といったケースもあり、支援策に対する学生の反応が鈍くなっている面も否めない。大学としては辛抱強い対応が求められている。
2021年卒学生については、11~12月にかけ多くの大学で業界大手企業を招いての業界研究セミナーが開催された。大手企業に会えるにもかかわらず、多くの大学では参加状況が芳しくなく、前年比3~5割減というケースもある。複数のインターンシップに参加後、自らOBOG訪問をしたり既に複数社の選考に臨む学生、夏休み明けからインターンシップに参加し始めた学生、まだ就職活動に意識が向いていない学生など、学生により状況が分散化している。そのため「今このときに大手企業の話を聞きたい」という学生が限られたものとみられる。大学としては就活準備が不十分な学生に対して支援をより強化していく意向だ。
(井口 和久)
◆詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社学情 / 1月15日発表・同社プレスリリースより転載)